勤務医が法人化をして節税できたというケースがあります。
税負担に悩まされている勤務医の中には自分も法人化をしたいと考えている人がいるのではないでしょうか。
そこで、勤務医が法人化で節税するための方法や注意点などについて解説します。
勤務医が法人化するケース
勤務医が法人化するケースについて紹介しましょう。
不動産投資や株式投資などの会社を設立する
不動産投資や株式投資などをしているならば、投資を管理するための会社を設立するケースがあります。
法人化により多くの節税効果を得られるからです。
また、相続税対策にもつながります。
不動産や株式のやり取りはすべて法人名義で行うことで節税可能です。
講演や原稿執筆などの副業の会社を設立する
勤務医は講演や原稿執筆といった副業をしているケースがあります。
副業の仕事を個人で引き受けて申告するのではなく、法人で引き受けるという方法があるのです。
法人で副業を受けた方がさまざまな税制上のメリットを得られます。
医療コンサルティングや医療指導などの会社を設立する
勤務医は勤務先に対して医療行為以外にもスタッフへの指導や提案などさまざまな仕事をしています。
医療行為以外に該当する業務については、会社を設立してそちらに外注してもらうという形で報酬を受け取ることが可能です。
そうすれば、法人化による節税メリットを得られます。
事業所得があれば法人化は可能
何らかの事業所得があるならば法人化することができます。
勤務医の場合は勤務先からの給与以外にもさまざまな収入を得ているケースが多いため、法人化を実現できる可能性があるのです。
法人化により、勤務医の高い税負担を軽減できます。
勤務医は法人に給与を支払ってもらうことができる?
勤務医は勤務先から法人に対して給与を支払ってもらえるのか説明します。
原則として医療報酬を法人で受け取ることはできない
まず勤務医が勤務先から受け取っている医療報酬は法人で受け取ることはできません。
法人が病院へ医師を派遣できるケースは限られているからです。
勤務医が法人を設立して勤務先に医師を派遣するという形で報酬を受け取ることは不可能と考えましょう。
勤務先での医療行為以外の業務の対価を法人で受け取ることは可能
勤務先で提供している医療行為以外の業務については、法人を設立して業務委託として報酬を受け取ることが可能です。
勤務先と業務委託契約をして、外注費として報酬を受け取れます。
医療行為以外のさまざまな業務について業務委託として法人で仕事を受けることで節税メリットがあるのです。
診療や手術といった医療行為への報酬については勤務医個人への給与として口座に振り込んでもらいます。
一方、医療行為以外の業務の報酬に関しては法人口座に振込してもらうのです。
勤務先から外注費として引き受けられる業務の種類
勤務医が法人を設立して勤務先から外注費として引き受けることができる業務の具体的な例は以下の通りです。
- スタッフの教育
- 診療報酬の指導
- 病院・医院経営についてのアドバイス
一般の会社でも外部のコンサルタントに業務委託をして外注費を支払うのはよくあることです。
病院やクリニックであっても、医療行為以外の業務を外部に外注することは認められます。
したがって、勤務医が経営アドバイスなど医療コンサルティングに関する業務を法人として提供して報酬を得ることは可能なのです。
事前に勤務先と相談をして了承してもらう必要がある
勤務医が法人として一部の業務の外注を受けるためには、勤務先に了承してもらう必要があります。
勤務先によって考え方に違いがあり、医療行為以外の業務の外注を一切認めてくれない場合もあるのです。
勤務先と業務委託契約書を交わさなければ業務委託として報酬を受け取ることはできません。
勤務先が応じてくれないならば、この方法による節税は諦めた方が良いでしょう。
勤務医が法人化するデメリットについて
勤務医が節税のために法人化するデメリットについて紹介します。
法人化が節税につながらないケースもある
勤務医が法人化したとしても絶対に節税できるとは限りません。
法人化したことでランニングコストがかかります。
また、所得によっては法人化してもあまり税率に違いが出ない場合もあるのです。
事前にしっかりとシミュレーションを行い、本当に法人化で節税できるかどうか判断するようにしましょう。
そうしないと法人化で税負担が増えるケースもあります。
法人設立のための手続きと費用が発生する
法人を設立するためには登記手続きが必要です。
また、設立後にもさまざまな手続きが発生します。
勤務医として仕事をしながら法人設立の手続きを進めるのは大変です。
さらに、法人設立の手続きには費用がかかる点にも注意しましょう。
株式会社であれば法定費用が25万円、合同会社の場合は11万円程度の費用がかかります。
会社設立の手続きは専門家に代行してもらうことが可能です。
ただし、この場合は専門家に報酬を支払う必要があります。
法人の会計や税務の事務処理に対処しなければいけない
法人を設立すれば、会計や税務の事務処理に対応しなければいけません。
勤務医として副業などで副収入を得ていた場合もある程度の会計・税務の事務処理は発生します。
しかし、法人の場合は個人とは異なり会計や税務の制度が複雑になっているのです。
そのため、自分で法人の会計・税務の処理に対処するのは大きな負担になります。
会計や税務の処理を誤ると申告内容に問題が生じて罰金を支払わなければいけないケースもあるのです。
法人化で社会保険の加入義務が生じる
法人化すると社会保険への加入義務が生じます。
法人の役員になり、役員報酬を受けると社会保険に加入することになり、社会保険料を負担しなければいけなくなるのです。
社会保険に加入するための手続きの負担もかかります。
ただし、支払った社会保険料を法人の損金に計上することは可能です。
法人の維持費用がかかる
法人を維持していくためには費用がかかります。
たとえば、法人住民税の所得割は赤字でも発生するのです。
法人住民税の所得割は最低でも7万円程度の負担になります。
法人化すると日々の税務や会計などは専門家に依頼することが多いため、専門家への報酬も維持費用として考慮しなければいけません。
法人化で節税できたとしても、維持費用の負担が大きいと損をするケースがあります。
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勤務医が法人化する際のポイント
勤務医が法人化する際に意識しておきたいポイントを紹介します。
勤務先の副業規定を確認しておく
勤務医の法人化を勤務先が認めてくれるかどうかは大切なポイントです。
事前に勤務先の副業規定を確認しておくことをおすすめします。
副業規定によって法人化を禁止されている場合は、節税のための法人化は難しくなるからです。
たとえば、公的な病院の場合は副業規定で一切の副業を禁止しているケースがあります。
勤務先に内緒で法人化をすると後でトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。
税務調査に注意する
法人化すると税務調査を受ける可能性が高まります。
割合として法人は30年に1回のペースで税務調査を受けるとされているからです。
特に節税を目的とした法人化については厳しくチェックされる傾向にあります。
なぜ法人化したのか、節税以外の理由をきちんと用意しておきましょう。
また、特に厳しく追求されるのは経費のため、客観的な根拠を示せるように準備することが大切です。
事前に税理士と相談をして税務調査の対策をしておくこともおすすめします。
法人の代表者は配偶者や親族でも問題ない
勤務医が法人を設立する際には、必ずしも医師本人が代表者になる必要はありません。
本人が代表者になると勤務先の副業規定に引っかかる可能性があります。
この場合は、配偶者や親族などを代表者にしておくと良いでしょう。
ただし、法人の代表者を配偶者などにしていても、実際に法人の運営をしているのは本人というケースが多いです。
この場合は金融機関から融資を得る際に指摘を受ける可能性があります。
税務調査では、法人の代表者に対して業務の内容などを聞かれるケースがあるため、この点も対策をしておきましょう。
会計や税金などの勉強をしておく
法人を運営していく上で特に重要なことは会計や税金の知識です。
会計や税金について正確に理解していないと税務調査で指摘を受ける可能性があります。
税務調査で経費を否認されれば追徴課税で大きな負担を強いられるのです。
正しい会社運営をしていくためにも、会計や税金など必要な知識について事前に勉強しておきましょう。
専門家のサポートを受ける場合でも、ある程度の知識を持っておくことは大切です。
専門家に相談しよう
勤務医が法人化する際に自分で手続きを進めるのはおすすめしません。
手続きするのに手間がかかり、手続きでミスが生じる可能性もあるからです。
法人設立の際には定款を作成する必要があり、内容を慎重に考えないと節税に失敗するケースもあります。
さまざまなリスクを回避するためにも専門家に相談して法人設立をすると良いです。
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勤務医は節税のために法人化するケースがあります。
ただし、法人化はメリットだけではなくデメリットもあるため、きちんとシミュレーションをしてから法人化をするかどうか決めましょう。
専門家に相談をすれば、法人化の判断についてのアドバイスから手続きの代行まで依頼できます。
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