薬局を開業した薬剤師の平均年収は1,000万~1,800万円といわれており、収入アップを目指して独立開業を考える薬剤師の方は多いと思います。
その反面薬局の開業資金は、一般的に1,500万~3,000万円かかるといわれており初期費用の負担がかなり大きいです。
そのため、せっかく薬局を開業しても経営が失敗すると多くの負債を抱えてしまうリスクもあります。
また、国が薬価引き下げや調剤報酬の引き下げをおこなうことも考えられ、その場合売上に大打撃を受けることもあり、薬局の開業は「ハイリスク・ハイリターン」といえるでしょう。
失敗しないように開業前にしっかりと準備をすることが必要です。
薬局の開業に失敗しないためには他の薬局と違う強みが必要!
独立して薬局を開業する際に、何よりもまず大切なのは、「何で独立したいか、独立して何がしたいのか」しっかりと経営戦略を立てることです。
現在、国の施策として地域医療、かかりつけ薬局を推進しており、利用者は薬局を選ぶ時に病院の側という立地以外にも、その薬局の信頼度や、より親身になって対応してくれるかという点も重視するように変わってきています。
それに合わせて薬局も多様化しており、以前のように病院やクリニックの目の前に薬局を置く門前薬局だけでは稼げなくなっています。
自分が何で薬局を開業したいのか、そこでどんな処方をおこなって近隣の人にどんなサービスをおこなえるのか、多店舗にはない強みがないと、今の時代生き残れる薬局になることができません。
薬剤師の経験、知識にプラスして経営力を磨く
薬局の開業を考えている薬剤師は、薬剤師としての経験や知識も豊富にあると思います。
しかし、薬局を開業するには、店舗経営に関する知識がプラスで必要になります。
経営者になると、薬剤師の仕事以外の作業も多くなります。
また売上見込みの予想や損益の計算など会計の知識も必要です。
他にもお客様を呼び込むための広告・宣伝などもしなければいけません。
すでに薬局を開業している人に話を聞く、開業の専門家にアドバイスを受ける、など薬局経営に関する情報集めを十分におこないましょう。
薬局を開業するメリットがデメリットを上回るように経営戦略を立てる
開業する前に薬局を開業するメリット、デメリットをしっかり考えて、メリットがデメリットを上回ると断定できるほどの経営戦略を綿密に計画することが大切です。
「やっぱり独立しない方がよかった」と後悔しないためにも、近隣住民の年齢や病院の立地、仕入れのルート、1日に何枚の処方箋が見込めるかなど、根拠のある数字を導き出す必要があります。
それがしっかりと伝えられるようになると、融資を受ける際の事業計画書にも説得力を持たせられることにもつながり、融資を受けやすくなります。
薬局を開業するメリット
- 自分で仕事の方針が決められる
- 自分の努力が結果(収入)にしっかり跳ね返ってくる
- 転勤や定年退職がない
- 働き方を自由に決められる
薬局を開業するデメリット
- 経営に失敗する可能性がある
- 収入が安定しない
- 従業員を雇った場合、従業員に対する責任がのしかかる
- 福利厚生や退職金がなくなる
薬局の開業資金は高額!自己資金の準備が大切
薬局の開業資金は平均1,000万~1,800万円と言われており、かなり高額になります。
開業資金は多いほど経営の安定につながります。
一般的に開業後軌道にのるまでには1年~1年半かかるため、開業後の運転資金も6ヵ月分用意しておくといいといわれています。
運転資金が潤沢にあれば売上がなくても乗り越えることができますが、なければその場で薬局を閉店しなければいけなくなります。
開業資金は自己資金と不足分は融資を受けて用意します。
自己資金がいくらあるかによって融資を受けられる額は変わってくるので、まずは自己資金をしっかり貯めることが何よりも大切です。
薬局の開業資金は日本政策金融公庫の融資がおすすめ
融資を受けるというと、銀行をまず思い浮かべると思いますが、開業時にはそれまでの店舗の売り上げ実績がないことから、実は店舗の開業時に銀行融資は審査に通りにくいのです。
そのために、まずは日本政策金融公庫からの融資を検討しましょう。
日本政策金融公庫は、政府系の金融機関で中小企業のビジネス支援を目的としています。
開業資金の融資を低利子で無担保・無保証人でおこなってくれます。
ただし、日本政策金融公庫から融資を受ける際には審査があります。
審査に通るには、自己資金をしっかりと貯めて説得力のある事業計画書を提出することが1番の近道です。<日本政策金融公庫 創業支援>
大手薬局のフランチャイズも選択肢の1つに
フランチャイズというと、コンビニのイメージが強いですが、薬局もフランチャイズで開業することができます。
いきなり自分で独立するのが不安な場合、フランチャイズで本部のサポートを受けながら独立を目指すという手段もあります。
フランチャイズしている薬局は、すでに経営ノウハウを持っているためそれを学べるいい機会にもつながります。
フランチャイズの大きなメリットは、本部から物件の紹介や融資を受けることができたり、仕入れルートやパート・アルバイトの採用などもサポートを受けたりすることができます。
また、仕入れも本部で一括しておこなうため、個人で経営する薬局よりも安く仕入れられるのも大きなメリットです。
また、フランチャイズしている薬局は、もともと知名度がありブランド力が高いので、開業後すぐに売り上げが期待できます。
フランチャイズのデメリットとしては、まず本部に加盟店料を支払わなければいけないことと、月々の売り上げの一部をロイヤリティとして支払わなければいけない点です。
また、フランチャイズの場合、本部の経営ノウハウがあるため初めての開業でも充実したサポートを受けられる反面、制限が多いのもデメリットです。
「こんなことがしたい」と思っても、なかなか独自の販売方法を認められないことが多いです。
フランチャイズの説明会への参加、資料請求をしてみよう
フランチャイズでの開業も検討してみたいと思ったら、まずは説明会などに参加してみましょう。
フランチャイズの業務形態にもさまざまあり、中には加盟料やロイヤリティなしなどで開業できるフランチャイズもあります。
また、説明を聞いてみてより「やっぱり自分自身の薬局を開業したい!」という思いを再確認できることもあります。
まずは、薬局の開業という選択肢を増やしていろいろ調べてみるのがおすすめです。
薬局を開業するなら法人化することも検討してみることがおすすめ
年間売上が500万円以上見込める場合、法人化することをぜひ検討してみてください。
法人化すると、税金上のメリットだけではなく、融資を受けやすくなったり社会的信頼度が高くなったりとさまざまなメリットを受けることができます。
薬局を法人化するメリット
◇消費税の納税が開業後2年間は免除される
法人の場合、消費税は2年前の売上高が基準となるため、法人を設立した年とその翌年は消費税が免税となります。
その条件は、
- 設立時の資本金が1,000万円未満
- 第一期上半期課税売上高1,000万円以下
現在消費税は10%なので、2年間消費税の納税を免れるのはかなり大きいです。
◇節税効果が期待できる
個人事業主の場合、所得に対しては所得税が課税されます。
所得税は累進課税なので利益が大きいほど税率も高くなり、最大45%所得に対して税金がかかります。
法人化すると、所得に対して法人税がかかります。
法人税の税率は最大23.2%と個人事業主より低く設定されています。
◇経費で落とせる項目が増える
法人化することによって、個人事業主では経費にできなかった項目が経費として認められるようになります。
代表者の給料は、会社から役員報酬をもらうことになり、これは必要経費として「給与所得控除額」で差し引くことができます。
また他にも退職金や出張手当など、個人事業主では認められない経費を法人では経費扱いできるので、節税効果が得られます。
◇社会的信頼を得られる
個人事業主よりも法人化されている方が一般的に社会的信頼が高いです。
そのため求人をかけても人が集まりやすい、補助金や助成金の申請がしやすい、金融機関からの融資を受けやすいなどのメリットが得られます。
薬局を法人化するデメリット
◇会社設立費用が25万~30万円ほどかかる
法人として会社を設立するためには、登録免許税などを支払わなければいけません。
それらすべての手続きに25万~30万円ほどの費用がかかります。
◇社会保険の加入義務がある
個人事業主の場合、従業員が5人以上で社会保険の加入義務がありますが、法人の場合は代表者1人でも社会保険加入の義務が発生します。
会社が負担する社会保険料は支払う給与額の15%が一般的で少ない金額ではありません。
しかし、社会保険に加入していない会社は求人を出した場合敬遠されることが多いので優秀な人材を集めることができません。
必ずしもデメリットばかりではないといえます。
◇会計処理や手続きが複雑になる
法人化すると、記帳義務・申告義務・納税義務があり、さまざまな書類を作成して提出しなければいけません。
確定申告も個人事業主より複雑化しているため、多くの法人では顧問税理士を雇って会計・税理面のサポートを受けているところがほとんどです。
薬局の開業の悩みは弊社の無料相談を活用してください
薬局の開業で500万円前後の利益が見込める場合、法人化することをおすすめします。
ただし、状況によっては500万円いかない場合でも法人化した方が大きなメリットを受けられることも多々あります。
自分の場合法人化した方がいいのか、また薬局経営についてよくわからないことがある、など薬局の開業で悩んだら、ぜひ弊社の無料相談をご利用ください。
また、法人化するための会社設立も手数料0円で書類の作成から税務署などへの届出まで代行しています。
1度お気軽にご相談ください。
無料相談は対面だけでなく、電話、Zoom、LINE、Chatworkから24時間承っています。