近年、ネット銀行は手数料の安さや利便性の高さから、多くの企業に選ばれています。しかし、各銀行のサービス内容や手数料は異なるため、どのネット銀行が自社に適しているか迷うことも多いでしょう。
この記事では、その内容を基に主要なネット銀行の法人口座を比較・解説します。
1. ネット銀行の法人口座比較表
以下に、主要なネット銀行5社の法人口座に関する手数料やサービスを比較した表を示します。
銀行名 | 振込手数料(他行宛) | 口座維持手数料 | 当日振込対応時間 |
---|---|---|---|
GMOあおぞらネット銀行 | 145円(※1) | 0円 | 当行:24時間 他行:24時間 |
住信SBIネット銀行 | 145円(※2) | 0円 | 当行:24時間 他行:24時間 |
楽天銀行 | 3万円未満:150円 3万円以上:229円 | 0円 | 当行:24時間 他行:24時間 |
PayPay銀行 | 160円(※3) | 0円 | 当行:24時間 他行:24時間 |
イオン銀行 | 5万円未満:220円 5万円以上:440円 | 0円 | 当行:24時間 他行:24時間(※4) |
※1 振込料金とくとく会員の場合は129円 ※2 振込優遇プログラム適用時は130円~145円 ※3 預金平均残高3,000万円以上の場合、月5回まで0円 ※4 書面での届出が必要
2. 各ネット銀行の特徴
2-1. GMOあおぞらネット銀行
GMOあおぞらネット銀行は、振込手数料の安さと口座維持手数料が無料である点が魅力です。特に「振込料金とくとく会員」に登録すると、他行宛の振込手数料が129円とさらにお得になります。また、当日振込にも対応しており、24時間いつでも振込が可能です。
2-2. 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、振込優遇プログラムを利用することで、他行宛の振込手数料が130円から145円に抑えられます。口座維持手数料も無料で、当日振込にも対応しており、24時間の振込が可能です。
2-3. 楽天銀行
楽天銀行は、振込金額によって手数料が異なり、3万円未満の場合は150円、3万円以上の場合は229円となります。口座維持手数料は無料で、当日振込にも対応しており、24時間の振込が可能です。
2-4. PayPay銀行
PayPay銀行は、他行宛の振込手数料が160円ですが、預金平均残高が3,000万円以上の場合、月5回まで無料となります。口座維持手数料は無料で、当日振込にも対応しており、24時間の振込が可能です。
2-5. イオン銀行
イオン銀行は、振込金額によって手数料が異なり、5万円未満の場合は220円、5万円以上の場合は440円となります。口座維持手数料は無料で、当日振込にも対応していますが、他行宛の振込を行う場合は書面での届出が必要です。
3. ネット銀行の法人口座を選ぶ際のポイント
3-1. 振込手数料
振込手数料は、取引頻度や金額によって大きなコストとなります。特に他行宛の振込手数料は銀行によって差があるため、取引先の銀行や振込頻度を考慮して選ぶことが重要です。
3-2. 口座維持手数料
多くのネット銀行では口座維持手数料が無料ですが、サービス内容や条件によっては手数料が発生する場合もあります。事前に確認しておくことが大切です。
3-3. サービスの利便性
インターネットバンキングの操作性やサポート体制、振込の対応時間など、日常の業務で利用する際の利便性も重要なポイントです。特に24時間振込が可能かどうかは、業務効率に大きく影響します。
4. ネット銀行の法人口座開設時の注意点
4-1. 審査基準
ネット銀行の法人口座開設時には、審査が行われます。特に設立間もない企業や個人事業主の場合、審査が厳しくなる傾向があります。事業計画書や必要書類を整備し、信頼性を高めることが重要です。
4-2. サポート体制
ネット銀行は店舗を持たないため、対面でのサポートが受けられません。電話やメールでのサポート体制が充実している銀行を選ぶことで、トラブル時にも迅速に対応できます。また、問い合わせ窓口の営業時間や対応スピードを確認しておくことも重要です。
4-3. 必要書類の準備
法人口座を開設する際には、以下のような書類が必要になります。提出書類を事前に用意してスムーズに手続きを進めましょう。
- 会社設立登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 代表者の本人確認書類(運転免許証やパスポート)
- 印鑑証明書
- 法人実印
- 事業計画書(場合によっては要求される)
ネット銀行ごとに必要書類が異なる場合があるため、事前に公式サイトで確認してください。
5. どのネット銀行が自社に適しているか?
5-1. 小規模事業者やフリーランス向け
振込件数が少なく、手数料を抑えたい場合には「GMOあおぞらネット銀行」や「住信SBIネット銀行」がおすすめです。これらの銀行は振込手数料が安く、初期費用や維持費が無料であるため、小規模事業者に適しています。
5-2. 振込件数が多い中小企業向け
振込頻度が高い場合は、優遇プログラムを提供している楽天銀行やPayPay銀行が選択肢になります。振込手数料が一定回数無料となるサービスを活用することで、コストを削減できます。
5-3. 大企業や複雑な取引を行う企業向け
複数の従業員が振込を管理する場合や高額取引が多い場合には、サポート体制が充実しているネット銀行を選ぶことをおすすめします。イオン銀行は法人向けサービスも展開しており、安定した取引が可能です。
6. ネット銀行法人口座の選び方まとめ
ネット銀行は、低コストで効率的に資金管理を行える点で非常に魅力的です。しかし、各銀行のサービス内容や手数料には違いがあるため、自社の事業内容や取引形態に合った銀行を選ぶことが重要です。
- 手数料の安さを重視するならGMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行。
- 振込頻度が多い場合は楽天銀行やPayPay銀行。
- 高額取引やサポート重視ならイオン銀行。
また、法人口座を開設する際には審査基準や必要書類を確認し、スムーズに手続きを進められるよう準備を整えておきましょう。ネット銀行をうまく活用して、効率的な資金管理と事業運営を実現してください。