これから一人会社を設立するとなるとさまざまなリスクがあるため不安になるものです。
そもそも、どういったリスクがあるのか詳しくわからないという人もいるかもしれません。
そこで、一人会社のリスクからリスク回避のための方法までをこの記事で解説します。
それでは一人会社のリスクに注目してみましょう。
まずは一人会社のリスクを知ること!
一人会社を設立するとなるとさまざまなリスクが生じることを念頭に置く必要があります。
具体的にどういったリスクが存在しているのか解説しましょう。
役員報酬の決め方
一人会社であっても役員報酬を決めなければいけません。
一人会社の場合は自身が社長となって会社の運営をしていくことにあり、役員は自分一人だけです。
役員報酬の金額は自由に設定することができるため、設定の仕方によって得をすることもあれば、リスクになることもあります。
たとえば、役員報酬を高く設定すると所得税が上がるリスクがあります。
逆に役員報酬を低くした場合は所得税が下がるのですが、法人税が上がるリスクもあるのです。
そのため、自身の所得税と会社の法人税のバランスを考えて、リスクを避けるために適切な役員報酬を決める必要があるのです。
役員報酬については、それ以外にも副収入が存在するケースがあり、この場合はどのくらいの金額にした方が節税対策として有利になるのかわかりにくいでしょう。
ひょっとしたら損な選択をするリスクもあるのです。
このように一人会社では役員報酬の決め方が重要であり、下手な決め方をするとリスクになります。
会社の経費
一人会社は会社の経費の取り扱いを気をつけておかないとリスクになります。
経費はきちんとルールにしたがって計上する必要があるのです。
しかし、一人会社だと誰にも相談することができず、自分勝手に何でも経費に入れてしまうリスクがあります。
これでは間違えた節税の仕方をしてしまうリスクになるでしょう。
一人会社の場合は何を経費にするのか自分で決める必要があるのがリスクにもなります。
たとえば、何でも経費にできるからといって、どんどん経費を使った方がお得かというと必ずしもそうではありません。
経費として使うものは、すべて出費となるため、無闇に経費を増やしても必ずお得になるわけではなく、むしろリスクになることもあります。
一人会社の場合は本来経費にできるものを経費にしなかったために節税できないリスクもあるでしょう。
節税できたはずのものを気づかなかったというリスクが生じることもあるのが一人会社のリスクです。
社会保険加入
一人会社の場合は社会保険の加入についてリスクが生じることがあります。
たとえば、一人会社で社会保険の加入を忘れるリスクがあるのです。
これでは万が一のときに大きなリスクが発生するでしょう。
一人社長で社会保険に加入できることを知らなかったというケースもあります。
たとえ一人会社でも社会保険加入は原則的に必須の手続きのため忘れないようにしましょう。
もし社会保険に未加入のままだと一人会社が調査を受けて罰則を受けるリスクもあります。
もし一人会社に罰則が適用されれば経営上の大きなダメージを受けるリスクが生じるでしょう。
本来納付するべきはずだった保険料が徴収され、さらには懲役刑や罰金まで課されるリスクがあるのです。
一度、社会保険未加入のための罰則を受ければ社会的な信用を失うリスクもあるでしょう。
一人会社にとっては致命的なダメージとなります。
厚生年金保険
一人会社では厚生年金保険の加入も検討しなければいけません。
実は一人会社であっても、厚生年金保険への加入義務が生じるのです。
原則的に加入義務があるため、一人会社で厚生年金保険に加入していない場合はリスクがあります。
厚生年金未加入であれば、年金事務所から指導文書が届き、それを無視すると罰則を受けるリスクが生じるのです。
一人会社で厚生年金未加入の場合は、本来加入するべきだった期間の保険料を未納していることになります。
発覚すれば、過去2年間にさかのぼって未納していた保険料を徴収されます。
基本的には翌月末までに全額を現金で支払う必要があるため、一人会社にとって大きなリスクとなるでしょう。
「6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金刑」という罰則が定められています。
また、一人会社が厚生年金に加入していないと、その期間の年金を未納していて、将来もらえる年金にも加算されない点もリスクです。
老後の生活が苦しくなるため、一人会社でもきちんと厚生年金の手続きを済ませて支払う必要があります。
一人会社のリスクを回避するためには?
一人会社のリスクについて回避するためのポイントをまとめました。
一人会社設立の手続き上の注意点
これから一人会社の設立手続きをするならば、基本的にすべての手続きを自分一人で行うことになります。
その際には法律に関する知識が必要になり、正確な書類を作成する必要があるのです。
設立手続きを行うだけではなく、会社設立後の事業を開始するための準備もしなければいけません。
一人会社設立の場合は、さまざまな作業が発生するため負担がとても大きくなる点に注意しましょう。
必要であれば、専門家の力を借りることをおすすめします。
たとえば、会社設立の代行サービスを利用すれば自分で作業をする手間を省けるでしょう。
正確な書類を作成してもらえるため、一人会社設立の手続きで失敗するリスクを回避できます。
基本的に会社設立に必要な手続きは一人会社も複数名の会社もほとんど同じです。
一人会社だからといって手続きを簡略化できるわけではなく、手数料なども同様に支払う必要があるため注意しましょう。
一人会社の税務や労務に関するリスク
一人会社を立ち上げると税務や労務もすべて自分一人で行う必要があるため注意しましょう。
税務や労務に関する手続きにミスが生じると法律に違反するケースがあり、罰則を受けるリスクもあります。
そのため、効率よく正確に税務や労務を一人でこなせるような環境を整えてください。
一人会社の設立であっても、設立登記を終えた後は税務や労務についてさまざまな申請をしなければいけません。
社会保険の加入手続きや法人設立届出書などを所定の機関に対して期日までにしっかりと提出しましょう。
一人会社だと税務や労務の手続きに遅れるケースがあるのですが、役所は一人会社だからといって特別に配慮することはありません。
期日に遅れると大きなリスクがあるため、計画的に手続きを進めて必要な書類の提出を行いましょう。
一人会社の場合は日々の税務を自分一人で行うことになります。
税務調査を受けることになれば、その対処も自分一人で行うのです。
一人会社では大きなミスが発生しても指摘してくれる人がいない点はリスクとなります。
リスクを回避するために代行サービスの利用を検討しましょう。
一人会社を立ち上げるなら株式会社?合同会社?
一人会社を立ち上げる際には株式会社と合同会社のどちらにするのか決める必要があります。
それぞれのメリットやデメリットを紹介しましょう。
一人株式会社がいい?
一人株式会社を設立するメリットとデメリットは下記の通りです。
一人株式会社を設立するメリット | ・社会的な信用がある ・上場できる ・出資を募ることで会社を大きくできる ・代表取締役という肩書を使える ・将来従業員を集めやすくなる |
一人株式会社を設立するデメリット | ・設立費用が高い |
一人株式会社を設立するメリットはたくさんあります。
まず、合同会社よりも株式会社の方が知名度があり、社会的な信用も高いです。
そのため、顧客を得るのに有利であり、将来従業員を雇うことになっても人を集めやすくなります。
また、一人会社を株式会社にすると将来上場することができるのもメリットです。
株式会社であれば出資を募ることで資金を集めることができ、会社を大きくするのにも有利になります。
一人会社が株式会社であれば、代表取締役という肩書が使える点もメリットです。
代表取締役という名称を名刺やホームページなどに記載することができ、営業活動をする上で信頼されやすくなるでしょう。
一人会社を株式会社にするデメリットは、設立費用が合同会社の場合よりも高い点です。
10万円程度の差額が生じるため注意しましょう。一人会社を株式会社にすることのリスクは特にありません。
一人合同会社がいい?
一人会社を合同会社にするメリットとデメリットは下記の通りです。
一人合同会社を設立するメリット | ・設立費用が安い ・決算公告の義務がない ・株式会社と同じ税制が適用される ・株式会社に移行することができる |
一人合同会社を設立するデメリット | ・社会的な認知度や信用度が低い |
一人会社を合同会社にすると設立費用が株式会社の場合と比べて10万円程度安いです。
会社設立当初は資金が限られているため、少しでもリスクを下げたいならば合同会社にすることで資金に余裕が生まれます。
また、基本的に株式会社と合同会社は同じ税制が適用されるため、合同会社にしたからといって税制的に損をするリスクはありません。
一人会社を合同会社にすると決算公告の義務がありません。
決算公告をするにも費用がかかり、それを回避できるのは一人会社のリスクを軽減することにつながるでしょう。
手間や費用を削減できるからです。
また、合同会社でいることにリスクを感じた場合は、将来的に株式会社に移行することもできます。
デメリットは合同会社の社会的な認知度や信用度が低い点です。
そのため、顧客獲得や従業員の募集、融資の申込などで損をするリスクがあります。
これらのリスクについてよく検討して、一人会社を合同会社にするべきかどうか考えましょう。
一人会社は当たり前の時代!リスクを恐れるな!
今は一人会社が当たり前の時代となっています。
確かに一人会社にはさまざまなリスクがあるのですが、それらのリスクを回避する方法もあるのです。
そのため、リスクを恐れて一人会社を避ける選択を安易にするべきではありません。
一人会社のリスクを回避して複数名で会社設立したとしても、複数名が在籍する会社にもリスクはあるのです。
どのような選択にもリスクはつきもののため、あまりリスクにのみこだわるべきではありません。
一人で会社を設立したくなった場合には、リスクのことを忘れて真剣に検討してみましょう。
会社設立はお任せください(無料相談歓迎)
これからリスクを回避した会社設立を実現したいならば、専門家である当社にお任せください。
当社は会社設立の代行サービスを提供していて、リスクのない会社設立に導きます。
一人会社の設立にも対応しており、さまざまなリスクを紹介して、それを回避する方法を提案できるのです。
また、当社は無料相談を受け付けているため、事前にサービスや対応を確認してから契約を決められます。
一人会社の設立やリスクなどで不安を抱いている人はお気軽にご相談ください。