「せどり」とは?転売、物販との違いは?「せどり」で会社設立を目指す人が注意点を解説

商売の基本は「ものを安く仕入れて高く売る」なのは言うまでもないですよね。

誰でも簡単にそれを行うためには、リサイクルショップや中古ショップ、ネットオークションなどで高く売れそうなものを仕入れて高く売ることです。

こうした行為を「せどり」と呼び、要は転売で稼ぐ手法です。

転売と聞くと「転売ヤー」で個人が勝手に行っているイメージがありますが、実は立派な事業行為であり、納税義務が生じます。

納税義務がある「せどり」は、会社設立したほうがいいケースもあるかもしれません。

せどりについて今回は理解を深めていただき、会社設立など「経営」の視点から今回は考えていただければと存じます。

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「せどり」とはどのような行為?

「せどり」とは、リサイクルショップやネットオークションなどで安く仕入れた商品を高く売り、差額で利益を得て稼ぐことを言います。

「転売」とほぼ同義と思ってください。

ゲームやゲーム機の新作時に家電ショップに並んで入手し、ネットで定価よりも高く売ることや、お正月に百貨店の福袋を買い、中身をバラして、メルカリやヤフオクで売って、福袋以上の利益を得ることも「せどり」になります。

もともとは、貯蔵してあった米を選(せ)り出して売りに出すことを意味する「糶取る(せどる)」、を語源とし、そこから転じて多くの物の中から高く売れそうなものを選び出して売ることを「せどり」と呼ぶようになったとされています。

「せどり」の語源はかなり古いものです。

一部のネットでは、「せどり」は(BOOK 〇〇〇などで)「転売業者が本の背中のタイトルを見て、高く転売できそうな本を選んだこと=本の「背取り」)に由来すると言われていますが、どうやら違うようです。

ともかく「売れそうな商品(多くは中古品)を安く仕入れて高く転売する」のが「せどり」で、その対象は古本に限らないとご認識ください。

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「せどり」で行う転売には税金が発生することに注意

「せどり」は対象の多くが中古品とはいえ(新品未使用をリサイクルショップなどで仕入れることもあり)、

  • 仕入れる
  • 仕入れたものは「商品」になる。「在庫」を抱える
  • 「商品」を販売して利益を得る

という立派な事業行為、商行為になるので、当然、そこで発生した利益、所得は課税対象となり、納税の義務が発生します。

【せどりの売上-せどりの仕入れ-各種控除】>0 の場合、課税所得があり税金を納めないと「脱税」になるので注意してください。

会社員や学生がお小遣い稼ぎの「せどり」をする場合、【せどりの売上-せどりの仕入れ】≦20万円であれば、雑所得として確定申告義務はないのですが、後述のように古物商許可の問題があり、グレーゾーンです。

「せどり」をバイトにするのはリスクがあります。

税金が発生する事業規模の「せどり」の場合、確定申告や記帳、簿記の義務も発生します。

副業ならば普通にバイトした方が、バイト先が全部やってくれるので楽です。

「せどり」にはそれなりに覚悟がいる稼ぎ方ということです。

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「せどり」は、立派な転売事業!「古物商」の許可が不可欠

「せどり」は中古本・中古家電販売のチェーンやネットオークションなどで売れそうなものを安く仕入れ、高く売る転売行為を指します。

転売行為は自分で使うために買ったゲームや本を高く売るのは何の許可もいりませんが、「物販事業」として利益を上げるために行う場合、会社設立登記や税務署への開業届に加えて、「古物商」の許可が必要になります。

「せどり」を本気で行うためには準備が必要です。

「せどり」は原則として古物商に該当する転売行為

「せどり」は中古品を仕入れて物販によって利益を上げる立派な転売行為です。

リサイクルショップやネットオークション、質屋などと同じカテゴリーになり、明らかに「古物商」になります。

古物商許可がないと、それで多大な利益を上げていると税務当局が判断すれば、「せどり」は違法行為ととされ、警察当局と連携して摘発されます。

古物商許可のない「せどり」は、下記の法律により、最高で「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金」となる可能性があります。

個人が小遣い稼ぎ程度にやっているならば、大目に見てもらえることもあるかもしれませんが、物販事業として多大な利益を上げる「せどり」行為は、明らかな転売事業であり、無許可「せどり」の場合、最悪、懲役刑を受け刑務所に入る可能性もゼロではないのです。


<古物営業法>
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

一 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者

二 偽りその他不正の手段により第三条の規定による許可を受けた者

三 第九条の規定に違反した者四 第二十四条の規定による公安委員会の命令に違反した者

「せどり」で転売しても古物商許可が不要なケースも存在する

せどりで転売する場合、古物商許可が必要ですが、場合によってはそれが不要なケースもあります。

古物商許可がいらない「せどり」は以下のケースに該当します。


・自分で使っていた物を売る。(本やゲームなど)(※)

・自分の物をネットオークションサイトに出品する(※)

・無償で入手したものを売る

・自分が海外で買ってきたものを売る

(※)自分が使用して、不要になった本やCD、ゲームなどを売るのは古物営業にはなりません。

子供の時にゲームソフトを売った人も多いかもしれませんが、せいぜい親の同意書のみでしたよね。

こういうケースはあくまで「自分の財産を処分する」だけなので、物販業として行っているわけではありません。

自分の土地や家屋、車を売る場合、古物商が必要だったという話は聞いたことがないですよね。

これらは「せどり」には該当しません。

また、無料で入手したものを転売しても「せどり」行為ですが、古物商許可は不要です。

仕入れにお金をかけていないからです。

「古物営業法」の規定を見てみましょう。


二の条の21項

古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

売買も交換も委託にも該当しないからです。

昔いた(今もいる?)、電車で読み捨てられた雑誌を回収して売っている人は、「せどり」ですが古物商には該当しないのです(ただし占有離脱物横領罪などに該当するかもしれませんが・・・)。

なお、古物商許可がいらない「せどり」であっても、転売、物販事業で稼いでいることには変わらず、事業規模のケースや副業で雑所得20万円を超える場合、会社設立の有無を問わず確定申告が必要になります。

確定申告しないと「脱税」になるので注意してください。

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「せどり」で会社設立した方がいいのか?

「せどり」を個人のお小遣い稼ぎ程度で行っている場合、会社設立は不要で個人事業主として続ければOK(少額ならば個人事業主の届出も不要)ですが、金額が大きくなれば会社設立を考えてもいいでしょう。

会社設立をすることで、「個人の所得税率>法人設立後の法人税率」、赤字の繰り越し10年などのメリットがあります。

「せどり」転売で会社設立するメリット

  • 法人税率最高23.2%<所得税率最高45%。売上が多い場合、会社設立した方が節税になる
  • 会社設立したほうが社会的信用がある
  • 会社設立したほうが経費の範囲が広い
  • 会社設立すると責任の範囲が有限。個人事業主の場合無限責任で自分の財産を失うリスク
  • 赤字繰り越しが10年である。個人事業主の場合、最高3年。

「せどり」会社設立で支払う税金

法人税

税率は所得に応じて支払う(所得税ほど累進課税ではない)
所得~800万円:15%(一部19%)
  800万円~:23.2%

法人住民税

税率は共通

法人事業税

税率は共通

消費税

税率は共通

登録免許税

合同会社 6万円

株式会社 15万円

一方で会社設立には注意していただきたいことがあります。

会社設立費用がかかる

会社設立には費用が掛かります。
また、会社設立=法人設立なので、当然資本金の出資も不可欠です。

1円会社も可能になりましたが、ある程度の資本金を調達し、それを「せどり」の仕入れ費用に充当することになります。

会社設立にかかる費用は以下の通りです。

 

合同会社

株式会社

会社設立にかかる費用

定款印紙代

紙の定款:4万円
電子定款:0円

紙の定款:4万円
電子定款:0円

定款認証代

0円(認証手続きそのものが認証不要)

5万円

謄本代

なし

2,000円

登録免許税

最低6万円

最低15万円

資本金

最低1円

最低1円

 

 

 

合計

最低6万円+資本金

最低20万2千円+資本金

株式会社にしなくても合同会社でも構いません。

自分1人で行う「せどり」転売であれば、会社設立は株式会社ではなく合同会社でよいでしょう。

個人として「せどり」した中古商品はそのまま法人設立後販売できない

せどりは転売行為なので、転売するものは「商品」「棚卸資産」という、列記とした会計項目になり、会計ルールによって処理しなければなりません。

個人事業主の場合、自分の資産として「せどり」したものを売却できますが、会社設立をした場合、個人で「せどり」したものと会社の商品(棚卸資産)は別物です。

個人と会社設立した法人は「別人格」になります。

つまり、個人で「せどり」した商品を、会社設立した法人で売る際には、会計処理が必要になります。

具体的には会社設立した法人が個人にお金を払って買い取る必要があります。

会社設立したのが1人会社で、自分個人=会社設立した法人であっても、会計処理として、法人がお金を払って個人から相当額で買うことが求められます。

構図として

「(別人格である)個人から会社設立した法人が有償で買い取り、第3者に売る」

ので、この場合にも古物商許可が必要になるでしょう。

会社設立した法人が個人から無償で「せどり」在庫を譲り受けると「受贈益」として益金に算入するというルールがあります。

自分個人のモノを譲り受ける=仕入れがタダでも、会社の利益になるので法人税等がかかります。

有償で自分個人から買い取る場合、買い取り費用がかかり、タダでもらっても「受贈益」で法人税課税となります。

「相当額」で個人から会社設立した法人が買い取るのが、税務署に疑念を持たれないわかりやすい良策となります。

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「せどり」は転売という事業行為!会社設立を視野に入れている人は「経営サポートプラスアルファ」に相談を!!

「せどり」は子供の時のゲームソフトやマンガを売ったことの延長線に見えますが、、立派な転売、物販事業であり、法律に沿った確定申告や会計処理が不可欠です。

また、自分のものを売るなどいらないものの処分以外のケースでは、「古物商許可」が必要なケースが多く、それを無視すると「せどり」行為自体が違法となり罰せられる可能性があります。

個人の趣味の延長で、年間20万円以下の場合、確定申告の必要もなく、ひょっとすると古物商許可がなくても、「せどり」転売をお目こぼし(原則はNG!)されることもあるかもしれませんが、事業規模の「せどり」転売で無許可営業は、列記とした違法行為になり、摘発リスクがあります。

そうしたリスクを回避するためには、外部からの信用がある会社設立も1つの方法かもしれません。

「せどり」会社設立のメリットも大きいですが、デメリット、リスク、注意点もあり、すべての「せどり」をしている方におすすめできないかもしれません。

せどり転売で利益を上げている方の会社設立については、ぜひ会社設立に詳しい専門家のアドバイスを受けてください。

「経営サポートプラスアルファ」には、「せどり」や会社設立に詳しい税理士をはじめとした専門家が揃っています。

「せどり」で会社設立を検討している方、何でも「経営サポートプラスアルファ」に聞いてください。

「経営サポートプラスアルファ」では土日祝日、夜間も相談対応します。

また、遠隔地の方は、LINEやZoomを使用することもできるので安心ください。

会社設立についてだけでなく、「せどり」の税務処理や会計方法など幅広く「経営サポートプラスアルファ」に聞いていただければきっと解決します!

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