システムエンジニア、SEの独立開業ステップを紹介!法人化の可否や開業資金はどうなの?

システムエンジニア(SE)は、今から10年~20年前には大量採用され、IT化に大きな貢献をしました。

しかし、激務な環境の中で辞めていく人も多く、脂ののった30代~40代のSEで実務がわかる人はとても貴重です。

会社のSEから独立し、フリーのシステムエンジニアとして活躍している人はどのようにそれを実現したのでしょうか?

今回はシステムエンジニア、SEが独立するために必要なことについて解説します。

スキルのあるSEは独立して十分活躍できますし、年収も大幅にアップします!

ぜひ、会社員として働くのは疲れた・・というSEの方は独立を検討してみましょう。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

SE独立の前に確認しておきたいこと

まずSEとして独立する前に何点かチェックしておきましょう。

これらの条件を満たせるならばぜひ独立してフリーランスや会社設立を目指すとよいでしょう。

SEの仕事とは?

この記事を読んでいる方は、いまさら「SEとは何ぞや?」ということを知りたいわけではないので、簡単なおさらいにとどめます。

SEはさまざまなシステム構築のための設計図を作り、実際にプログラムを組む人に対してその完成図やロードマップを示すためのかじ取りを知る仕事です。

実際にプログラムを組むこともありますが、それはあくまで「プログラマー」の仕事であり、SEの主業務は、その「上流工程」を固めることにあります。

実際に家を建てるため、木を切り、釘を打ち、壁を塗る大工や左官屋がプログラマー、家をデザインし設計する建築士の役割を担うのがシステムエンジニア、SEになります。

  • システムのヒアリング
  • 要件定義
  • 仕様書作成
  • プログラミング(サポート)
  • 動作テスト
  • 運用・保守

を行います。

能力のあるSEは独立しフリーランスになっても、引き合いがありプロジェクトに参加できます。

SEとして身につけたいスキル

独立前にSEとして身につけたいスキルは以下になります。

プログラムは当然ですが、それ以外にもプロジェクトを主導しまとめる能力が求められます。

  • プログラミング
  • 要件定義やシステム全体の設計
  • なるべく多くのプロジェクトへの参加経験(特定分野ではなく幅広く、官公庁、金融、交通運輸、アプリ、商業施設、販売管理等)
  • 対人コミュニケーション
  • スケジュール管理(納期を守れる)
  • 見積もり(適正額で仕事を請け負える)
  • 資料作成、プレゼンテーション
  • トレンドへのアンテナ
  • 自分の価値を客観的に見極める

これらのスキルが独立SEには重要になります。

指示待ちでひたすら作業をするプログラマーと違い、システムエンジニア、SEは能動的に動き、かつ他者と円滑にコミュニケーションが取れ、顧客が求めることをまとめ、仕様書にまとめられるという、幅広いスキルが必要になります。

SE独立に必要なスキルをどこで身につける?

すでにみなさんはどこかの企業でSEとして働いていらっしゃることでしょう。

SEの世界は(独立ではなく)転職の場合も、実務経験とどの企業でどのような案件を担当していたのかで、ある程度「公式化」されています。

  • なるべく大きなシステム会社
  • SlerかWEB系
  • 複数のプロジェクトに参加、参画

というのが独立して仕事を獲得できるために必要なスキルを身につけられるところになります。

転職ではないので、転職回数などはあまり意味がありません。

日本の場合転職を繰り返す人は敬遠されますが、独立して事業主として仕事を請け負う場合、それはハンディにはならず、むしろ多様な仕事を経験しているということでプラスに作用します。

システムとは関係ない企業のシステム部門、社内SEだった場合、独立後のアピール力として少々弱いです。

可能ならば、どこか大きめのシステム会社に転職し(1年くらいでいいので)働き、経歴をロンダリングすることをおすすめします。

独立してもスキルや経験があると判断されるのは「5年間の実務経験」です。

たとえ今の職場がきつくても、石にかじりついてでも5年は働いてください。

それが厳しい場合は、別の会社に転職し、SEとして「トータルで5年」がんばってください。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

システムエンジニア、SE独立のメリットとデメリット

SRは独立しても比較的安定して活躍できる仕事だと言われていますが、独占のメリットとデメリットを知っておきましょう。

以下の表を見てください。

SE独立のメリットSE独立のデメリット
収入が上がりやすい給料ではないので収入が不安定
ワークライフバランスある働き方ができる身体を壊した時の金銭的保障がない
場合によっては在宅ワークも可能SE以外の経営や会計も行う必要がある
大型案件や有名システムを手掛けられる一人で孤独な作業となりモチベーション低下につながることも
人脈、ネットワークが広がる営業をかけたり案件に応募したりしないと仕事を獲得できない
自分だけの「実績」を得られる 
なにより「やりがい」がある 

自分らしい働き方ができるようになり、好きなペースで仕事ができます。

腕のいいSEであれば高単価の仕事を得られます。

中抜きされず、直接報酬を得ることができ、どんどん営業をかければネットワークが広がります。

しかし、雇用されているわけではないので、仕事を取れなければ収入がありません。

そういう意味でもコミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルが重要です。

システム以外の会計や税務の仕事も行うことになります。

何より、病気やけがをした時の保証がなく(雇用されているときには傷病休暇や傷病手当がある)、自分で「就業不能保障保険」に加入する必要があるかもしれません。

健康でバリバリ活躍でき、優秀なスキルがあれば独立はみなさんの将来を大きく広げる選択になります。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

SEとして独立後の仕事の取り方

SEとして独立後、口を開けていれば仕事が降ってくるわけではなく、自分で仕事を取って、いや獲ってこなければいけません。

独立後の仕事は以下の方法で受注していきます。

知人、コネクションを活用する

知り合いから直接仕事を依頼され、それを請けるという方法です。

相手はみなさんをよく知っているので信頼できます。

以前仕事をしたクライアント、円満退社なのであれば元の会社、フリーランス仲間など、人脈、ネットワークを介して仕事を受注していきます。

独立SEにコミュニケーションスキルが必要だと書いたのは、このコネクション構築が仕事の獲得に不可欠だからなのです。

仕事の評価がよければ、口コミでみなさんに仕事の引き合いが来るはずです。

だから、成果物とコミュニケーション両方が大切になります。

エージェントを利用する

エージェントと聞くと「転職エージェント」を思い浮かべる人も多いと思いますが、システム分野の場合、業務委託の仕事を仲介してくれるエージェントもいます。

転職エージェントの場合と同様、みなさんが費用を払う必要はなく、発注先からエージェントに成果報酬として支払われます。

発注元としても、社員を採用するよりも、業務委託として、腕のいいSEに丸投げした方が、社会保険や雇用契約など面倒な手続きを飛ばし、その費用を独立SEへの報酬へ回すことができます。

結果として、企業はSEに面倒な手続きなしに丸投げでき、SEは雇用に比べて報酬が上乗せされ、双方、win-winなことになります。

かなりの高額案件や特殊案件もあり、本当に能力のある独立SEならば、エージェントも「とっておき」の非公開案件を紹介してくれるはずです。

クラウドソーシングを利用する

クラウドソーシングサイト(ランサーズ、クラウドワークスなど)では、企業が独立SEへの業務委託案件を募集しています。

自分で案件に応募することも、クライアント側からオファーがあることもあります。

しっかり、プロフィールやポートフォリオを充実させれば、どんどん好きな仕事、高額な仕事を獲得できるでしょう。

クラウドソーシングサイト上は、原則匿名のやり取りですが、個別に取引、直接取引に誘導されることもあります。

そこから、直接請け負うようになり、手取りもアップすることがあります。(クラウドソーシングの場合、報酬から手数料を引かれます)

クラウドソーシングサイトとしては、ランサーズとクラウドワークスが有名ですが、IT分野に特化したクラウドソーシングサイトとして、以下も押さえておいてください。

① フリーランススタート

国内最大級のITフリーランス案件でフリーランス案件23万件が掲載されています。

② doocyJob

中間マージンなしの直契約の高単価フリーランス案件が多数掲載されています。

スタートアップ、ベンチャー、大手企業と直接契約の高単価フリーランス案件が中心です。

③ クラウドテック

「自分に合った働き方がわたしの人生を豊かにする」をコンセプトにしたクラウドソーシングサイトです。リモートワーク案件、週4日、週3日案件などワークライフバランス重視の方におすすめです。

ホームページやブログ、SNSを活用する

ネット上で直接集客します。

HPは企業HPやアフィリエイトサイトと競合するため、なかなか上に表示されるのは難しく、ツイッターなどを使って、「#」などで集めて、HPへ誘導し、仕事依頼を受ける、みたいな方法がよいでしょう。

そのあたりは、釈迦に説法なので大丈夫かと思われます。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

SE独立後は法人化(会社設立)と個人事業主どちらがよいか?

システムエンジニア・SEとして独立開業する際、会社設立、法人化するか個人事業主として開業するか、2つの選択肢があります。

どちらがよいのでしょうか?

独立後のSEの平均年収は800万円

独立SEの平均年収は700万円~800万円と言われています。

それ未満しか稼げない場合、そもそも独立せず、会社員としてSEを続けた方がいい世界になります。

独立して年収800万円を超える技術をお持ちという前提で、法人化すべきか個人事業主にすべきか考えていきましょう。

対外的な信用度は法人化した方が有利

まず、独立した際の、法人化(会社設立)と個人事業主のメリットとデメリットを見てみましょう。

SE独立開業時法人化する

独立SEを個人事業主として行う

メリット

社会的信用がある(取引先から見て)

簡単に設立できる

経費の範囲が広い

定款などの作成義務がない

責任の範囲が有限

自由な働き方ができる

赤字繰り越しが10年である

廃業手続きもすぐにできる

売上が多くなれば個人事業主よりも税率が下がる

社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金では老後が不安

最高税率が23.2%と所得税の約半分

 

デメリット

設立までの手間がかかる

社会的信用がない

設立後の帳票作成や税務申告が大変

最大税率45%と法人税よりはるかに高い

赤字でも法人住民税がかかる

無限責任で経営失敗のマイナスはすべて自分が負う

社会保険へ加入しなければならない

赤字繰り越しが3年までしかできない

会社の廃業手続きが煩雑

経費で落とせる範囲が狭い

法人化すると対外的な信用度が増します。

コネクションがあり個人でも十分信頼されている場合は別ですが、クラウドソーシングサイトやエージェント経由で仕事を受ける場合、法人化していた方が信頼度はあります。

依頼する方も、「個人の〇〇さん」よりは「株式会社〇〇」の方が依頼しやすいですよね。

独立SEの年収ならば法人化した方が得なケースが多い

次に、税金面で法人と個人事業主を比較します。法人の場合は「法人税」、個人事業主の場合は「所得税」を納税します。

事業主体

法人化(会社設立)

個人事業主

所得税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その5%~45%

事業の売上から「事業所得」を算出してその5%~45%

個人住民税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その約10%

事業の売上から「事業所得」を算出してその約10%

消費税

課税売上1000万円以上の場合支払う(2年間は支払い義務がない特例もあり)

課税売上1000万円以上の場合支払う

法人税

かかる(15%~23.2%)

なし

法人住民税

かかる

なし

法人事業税

かかる

なし

個人事業税

なし

かかる

所得税は累進課税で、所得が上がるごとに税率が上がり、最高税率45%です。

一方、法人性は比較的フラットな税率で、最高税率は23.2%、所得税の最高税率の約半分です。

所得税率が法人税率を上回るのがおおよそ年間売上1000万円前後だと言われています。

事業者の「年収」は「売上」とほぼイコール、経費を引く前の金額です。

上で書いたように、独立SEの年収は平均800万円なので、最初から十分、売上≒年収1000万円を狙える位置にいます。

法人の方が個人事業主よりも信用があり、売上的にも1000万円が見込めるならば、最初から法人として独立した方が、あとで個人事業主から法人成りするよりも手間がかかりません。

1人会社、資本金数十万円でも法人化した方が後々便利になる可能性があります。

税金、対外的な信用度の双方から、SEが独立する場合会社設立を視野に入れておくとよいでしょう。

もちろん、法人化した方が税務会計諸手続きのコストがかかるので、税理士事務所などに顧問契約することも必要です。

それでも、法人化した方がメリットは大きいと考えます。

<関連記事>

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

SEが独立する際に開業資金は必要?

最後に、独立開業時の資金について考えます。

自宅兼事務所や、客先常駐メインならば、固定費は大きく抑えることができますが、外部に自分だけの事務所を構えたケースを考えます。

独立開業費内訳

金額

物件取得(敷金礼金仲介料)

50万円(自宅開業なら不要)

パソコン(高スペックなもの)

50万円(所持しているなら不要)

オフィス用品(什器、電話、FAX等)

30万円(自宅開業なら不要)

運転資金(当面の生活費)

50万円~70万円

合計

高くて200万円

(法人の場合)法定設立費用

6万円~20万円+資本金

在宅開業の場合、開業資金はほとんどかかりません。

法人化する場合、法定費用6万円~20万円+資本金が必要になります。

もし外部に事務所を構える場合、200万円程度の開業資金が必要になります。

この場合、自己資金だけでは厳しいケースでは「創業融資」を頼ることとなります。

各地の商工会議所・商工会、日本政策金融公庫、自治体の創業窓口にお問合せいただくか、資金調達に詳しい「経営サポートプラスアルファ」にお問合せいただければ、適切なアドバイスをさせていただきます。

会計業界初の「ベストベンチャー100」を受賞した税理士法人グループが 創業融資サポートによって、あなたのビジネスの可能性を最大化させます。
会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

SEは独立後も稼げる!独立開業についての相談は「経営サポートプラスアルファ」にお任せ

以上、システムエンジニア、SEの独立について解説しました。

しっかりスキルがあり、多様な案件の経験があるSEはフリーになっても引き合いが多く、稼ぐことができます。

法人化も有力な選択肢であり、「経営サポートプラスアルファ」では、会社設立代行や開業後の税務、申告のサポートもさせていただきます。

SEとして働きやすい環境づくりに、当社「経営サポートプラスアルファ」がみなさんを全面的にバックアップいたします。

まずはご相談ください。

土日祝日夜間も対応します。

また、遠隔地の方は、LINEやチャットワーク、ZOOMなどを使ってオンライン面談ができます。

お忙しい毎日かと存じますが、ぜひみなさんが活躍できる、独立というステップアップに向けて取り組んでください。

LINEでの会社設立相談はこちらから
会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
>会社設立バイブル

会社設立バイブル

家にいながらオンラインで簡単に会社設立!

外出自粛に完全対応します! コロナショックの今だからこそ、動いて準備するか、そのままでいるかで、きっと一年後に大きな差となります。 まずはお気軽にお問い合わせください。

CTR IMG