同じ住所で別会社を設立するケースがあります。
しかし、同じ住所に複数の会社があるとトラブルにならないか不安を感じる人は多いでしょう。
本記事では同じ住所で別会社を設立するケースについて、トラブルの可能性や注意点などを解説します。
同じ住所に別会社を設立できる
同じ住所に別会社を設立できます。
この点について詳しく解説しましょう。
同じ住所に別会社を設立することは可能
法的には同じ住所に別会社を設立しても基本的には問題ありません。
実際に本店所在地が同じ住所にある会社はたくさんあります。
さまざまな理由から同じ住所に別会社を設立するケースがあるのです。
同じ住所に同じ商号を設立することはできない
同じ住所に別会社を設立するケースで注意すべき点は、同じ商号の場合です。
同一商号で同一住所にて登記することは禁止されています。
同じ住所に同じ商号の会社があると誤認される可能性が高いからです。
ただし、同じ商号で別の住所に会社を設立することはできます。
レンタルオフィスやバーチャルオフィスなどは同じ住所で複数の会社が登記している
同じ住所に別会社が設立される事例として、レンタルオフィスやバーチャルオフィスがあります。
レンタルオフィスやバーチャルオフィスはオフィス空間や住所、電話番号などを提供するサービスです。
1つのサービスを複数の会社が利用して登記手続きをしているため、同じ住所に複数の会社が存在します。
同じ住所に別会社を設立する場合の問題点
同じ住所で別会社を設立する際の問題点を紹介します。
別会社と住所が同じなため混乱させるケースがある
別会社と住所が同じ場合、対外的に混乱を招きます。
一般的には同じ住所に別会社があることを想定していないからです。
同じ住所に複数の会社があると、郵送物を送ったり、訪問したりする際に困るケースがあります。
同じ住所に公的機関からの郵便がまとめて届けられる
同じ住所で登記すると、公的機関からの郵便が同じ住所に届けられます。
別会社の郵便もまとめて送られてくるのです。
公的機関からの重要な郵便物が同じ住所に届けられると、郵便物の確認が遅れたり、紛失したりするリスクがあります。
物件のオーナーに許可されないケースがある
賃貸物件の住所で登記手続きをする場合は、オーナーの許可を得ることが大切です。
もし、1つの会社で登記手続きをすることをオーナーに許可されたとしても、複数の会社で登記することは認められないケースがあります。
あくまでもオーナーの考え方次第のため、1つの会社で登記を認められたからといって、別会社の登記まで認められると考えてはいけません。
情報流出のリスクがある
1つの住所に複数の会社のオフィスがあると情報流出のリスクがあります。
別の会社の機密情報を簡単に調べられる環境にあるからです。
たとえば、どちらかの会社の役員や従業員が故意に機密情報を収集する可能性もあります。
きちんとオフィスのスペースを区切り、セキュリティ体制を整えておかないと情報流出で大きなトラブルに発展するケースがあるのです。
家賃や光熱費などの経費の扱いで問題になる場合がある
同じ住所で別会社とオフィスを共同利用している場合は、経費の取り扱いで問題になるケースがあります。
明確にスペースを区切っておかないと、家賃や光熱費などの経費計上の割合を明確にできません。
経費計上のやり方で問題があれば、税務調査で指摘を受けて、経費を否認される場合もあります。
許可申請が通らない可能性がある
同じ住所に別会社があると許可申請が通らないケースがあります。
事業の許可を得る際には、細かな要件を満たす必要があるからです。
たとえば、別会社とオフィスのスペースが明確に区切られていない場合は、情報流出などのリスクがあるため許可申請が通らない場合があります。
オフィスを共同で利用している場合は、許可申請の際に環境を細かくチェックされるケースがあるため注意しましょう。
会社を設立する場合の住所の選択肢
会社を設立する際に住所として利用できる選択肢を紹介します。
賃貸事務所を利用する
賃貸事務所を借りて会社の本店所在地にするケースはよくあります。
賃貸オフィスなどと呼ばれることもあり、法人がオフィスとして利用することを想定した物件です。
賃貸事務所を利用するには、初期費用として高額のお金がかかります。
月々の家賃もかなり高額に設定されていることが多いです。
特に都心の一等地など立地条件が良い物件の場合は、家賃相場が高くなります。
レンタルオフィスを利用する
賃貸事務所を借りるのが資金的に難しい場合には、レンタルオフィスを利用するケースがあります。
レンタルオフィスとは、デスクや椅子、情報機器など仕事に必要な設備が整ったオフィス空間を借りられるサービスです。
時間貸しで利用できるだけではなく、月々いくらという形で期間貸しで利用できるサービスもあります。
レンタルオフィスは一般的な賃貸オフィスよりも料金が安いのが魅力です。
ただし、レンタルオフィスの立地やスペースの広さ、設備、サポート体制などにより料金は大きく異なります。
バーチャルオフィスを利用する
バーチャルオフィスとは住所や電話番号などを貸与してくれるサービスです。
バーチャルオフィスで貸し出している住所を会社の本店所在地として登記できます。
電話代行や郵便物転送などのサポートを提供しているバーチャルオフィスも多いです。
バーチャルオフィスはそこにオフィスがあるわけではなく、実際に事業を行う場所は遠く離れているケースがあります。
バーチャルオフィスは1つの住所を複数の会社が本店所在地にする事態になるため注意しましょう。
まったく関係のない他社と住所が被るため、混乱を招いたり、信用が低くなったりする恐れがあります。
自宅を利用する
小さい規模の会社の場合は自宅の住所を本店所在地にするケースがあります。
この場合は、自宅の住所が会社の住所として公開される点に注意が必要です。
自宅の住所が公開されることでトラブルが起きる可能性があります。
自宅を会社の住所として利用すると物件のオーナーとトラブルになるケースに注意しましょう。
また、特定の事業では、自宅を住所にしたことで許認可が下りない可能性もあります。
自宅を住所にすることで金融機関の融資で不利になることもあるでしょう。
自宅に会社関係の人が頻繁に訪れると近所迷惑になることもあります。
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会社の住所に関する注意点
会社の住所を決める際の注意点を紹介します。
本店所在地と事業を行う場所が違っても問題ない
会社の住所である本店所在地と事業を行う場所は別でも問題ありません。
本店所在地はあくまでも登記簿に記載する事業所の所在地です。
本店にどのような機能を持たせるのかについて法律では規定されていません。
本店と別の住所を本社として活動しても問題ないのです。
ただし、実際には登記簿上の本店を会社の本社とするケースは少なくありません。
登記簿上の本店所在地と本社の場所が一致していないと社会的信用に影響するからです。
会社の信用力をチェックするために登記簿上の本店所在地をチェックすることはよく行われています。
もし、本店所在地と本社の住所が違うと不安を抱かせる可能性があるのです。
本店所在地の変更には費用がかかる
会社設立の際には定款に本店所在地を記載して登記手続きをします。
後から本店所在地を変更するには、登記簿の内容を変更しなければいけません。
本店移転登記の手続きが必要であり、その際には登録免許税を支払います。
本店移転の場合の登録免許税は3万円です。
ただし、法務局の管轄外の場所へ移転する場合は、登録免許税が6万円かかります。
登記手続きの変更のためにはさまざまな書類を作成しなければいけません。
専門家に書類作成を依頼するケースが多く、その場合は報酬として数万円を払う必要があります。
会社の住所として登記する前にオーナーの許可を得ておく
もし、自宅として利用している賃貸住宅を別会社の住所として利用したいならば、事前にオーナーの許可を得ておきましょう。
オーナーの許可を得ずに別会社の本店所在地として登記手続きをすると、後でトラブルになる可能性があります。
賃貸物件では利用目的が限定されていることが多いです。
事務所利用が禁止されているのに勝手に登記手続きを進めると契約違反を指摘されるケースがあります。
また、管理規約違反とみなされる場合もあるのです。
最悪の場合は賃貸契約の解除や損害賠償を求められます。
事前にオーナーに会社の住所として利用したいと伝えて了承を得ましょう。
会社の住所に関する悩みや不安は専門家に相談しておこう
別会社を設立する際に住所をどうするべきか悩むケースは少なくありません。
困ったときには専門家に相談すると良いでしょう。
専門家であれば、さまざまなケースを想定した上で最適な提案をしてくれます。
会社設立の手続きの代行も頼めるのです。
会社設立の専門家に相談したい方は経営サポートプラスアルファにお任せください。
会社設立のプロとして、事業計画や会社の住所、税金対策など幅広いお悩みを解決いたします。
まずは経営サポートプラスアルファまでお問い合わせください。
別会社設立は経営サポートプラスアルファにお任せ
法的には同じ住所で別会社を設立しても問題ありません。
ただし、同じ住所に複数の会社が所在していると混乱を招きます。
自宅を本店所在地にする場合は、複数の会社の住所にすることでオーナーからクレームが入るケースもあるのです。
別会社を設立する際には、住所をどこにするべきか慎重に考えましょう。
別会社設立をする際には経営サポートプラスアルファにご相談ください。
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