会社設立日は、法務局に設立登記を申請した日です。
六曜などの縁起に加えて、法務局の開庁日や事業年度、税金の負担も踏まえて決めます。
日本では、六曜(ろくよう)という暦の吉凶を参考に、設立日を選ぶ人も少なくありません。
この記事では、六曜の意味と、設立日の決まり方や税金への影響を踏まえた決め方を解説します。
1. 六曜とは?
六曜とは、暦の上で日ごとの吉凶を表すもので、結婚式や開店などの日取りの参考にされます。
六つの種類があり、それぞれの日に意味が割り当てられているのが特徴です。
以下では、六曜の種類とそれぞれの意味を説明します。
1-1. 六曜の種類と意味
六曜は、以下の六つの日柄から成り立っています。
- 大安(たいあん)
「大安」は「大いに安し」という意味で、六曜の中で最も縁起が良い日とされています。結婚式や開業、会社設立など、新しいことを始めるのに向く日という考え方です。大安に会社を設立して、事業が順調に進むことを願う人もいます。 - 友引(ともびき)
友引は「友を引く」という意味で、朝夕は吉、昼は凶とされる日です。葬儀には不向きとされる一方、お祝いごとや会社設立には良い日という見方があります。 - 先勝(せんしょう)
先勝は「先んずれば勝つ」という意味で、午前中は吉、午後は凶とされています。早い時間帯に物事を進めるのが良いとされ、手続きも午前中が吉という考え方です。 - 先負(せんぷ)
先負は「先んずれば負ける」という意味で、午前中は凶、午後は吉とされています。焦らず慎重に物事を進める日とされ、手続きは午後が良いという考え方もあります。 - 赤口(しゃっこう)
赤口は、六曜の中でも凶とされる日です。正午前後(午前11時〜午後1時ごろ)だけは吉とされ、それ以外は凶とされます。そのため、会社設立は避けたほうが無難という見方です。 - 仏滅(ぶつめつ)
仏滅は「仏も滅する」という意味で、六曜の中で最も縁起が悪い日とされています。お祝いごとや会社設立には不向きとされ、この日を避ける人もいます。
ここで紹介した吉凶は、暦の上の一説で、科学的・法律的な根拠があるものではありません。
時間帯の吉凶にも諸説あるため、あくまで縁起を担ぐ際の目安として参考にしましょう。
1-2. 六曜の影響
六曜は、現代においても多くの人々に参考にされており、特に日本の伝統的な文化や行事に強い影響を与えています。
結婚式や葬儀の日程と同じように、会社設立でも日取りの縁起を気にする人は少なくありません。
特に大安や友引は、「縁起が良い日」として新しいことを始める日に選ばれることがあります。
2. 会社設立日を決める際に考慮すべき要素
会社設立日は、六曜だけでなく、他にも考慮すべき重要な要素がいくつか存在します。
ここでは、会社設立日を選ぶ際に検討すべきポイントを解説します。
2-1. 資金調達や事業開始のタイミング
会社設立日を選ぶ際には、資金調達や事業開始のタイミングを考慮することが重要です。
たとえば、融資や出資の契約が整う時期に合わせて設立日を決めると、資金繰りが円滑になります。
また、事業を開始するタイミングも設立日には大きく影響します。
繁忙期や業界の動きに合わせて設立日を決めると、事業を始めやすくなる場合もあるでしょう。
2-2. 税務上の考慮
税務上の影響も、会社設立日を決める際に考慮すべき要素です。
法人の税金は、定款で定めた事業年度ごとに計算するのが原則です。
第1期を短くすると、消費税が免除される期間も短くなる場合があります。
第1期を短くすると、売上が少ないうちに最初の決算と申告を迎えます。
設立日と決算月は、税務面も踏まえて決めることが大切です。
2-3. 書類の提出期限
会社設立の際には、法務局や税務署への書類提出が必要となります。
これらの提出期限を考慮に入れて設立日を決定することも大切です。
年末や年度末などは手続きが混み合うことがあるため、余裕を持って進めると安心です。
土日祝日と年末年始は法務局が閉庁しているため、原則としてその日を設立日にできません。
2026年2月からは、休日を設立日に指定できる特例もあります(5-2で説明します)。
2-4. 業界の繁忙期と設立日
業界によっては、特定の繁忙期や閑散期が存在するため、会社設立日をこれらに合わせることも一つの戦略です。
繁忙期に合わせて会社を設立することで、すぐに事業をスタートし、収益を上げることができる場合があります。
一方で、閑散期に設立することで、事業の準備期間を確保し、万全の体制で繁忙期に臨むことができるというメリットもあります。
業界の特性に応じて、設立日を選ぶことがポイントです。
3. 縁起の良い会社設立日を選ぶためのヒント
会社設立日は一度決めると変更ができないため、慎重に決定することが重要です。
ここでは、縁起の良い会社設立日を選ぶための具体的なヒントを紹介します。
3-1. 六曜に基づく選択
先述した六曜に基づいて設立日を選ぶのは、縁起を重視する経営者によく使われる方法です。
特に大安は「何事も吉」とされ、設立日に選ばれることがあります。
大安が土日祝日に当たる場合は、5-2の休日の特例を使う方法もあります。
3-2. 記念日や重要なイベントに合わせる
会社設立日を、経営者や創業メンバーにとって特別な日や記念日に合わせることも、縁起の良い日を選ぶ一つの方法です。
例えば、創業者の誕生日や結婚記念日など、個人的な節目の日を設立日にする方法です。
3-3. 数字の意味を考慮する
日本には、特定の数字に縁起が良いとされる考え方があります。
例えば、「8」という数字は「末広がり」として、縁起が良いとされています。
「3月3日」や「7月7日」のようなゾロ目の日も、覚えやすく印象に残るでしょう。
3-4. 開業準備の進行具合を考慮する
会社設立日は、開業準備の進行状況も考慮して決定することが重要です。
事業計画や資金調達、取引先との契約など、準備が整う時期に合わせて設立日を決めると安心です。
設立日を無理に早めると、準備が不十分なまま事業を始めることになりかねません。
4. 設立日を選ぶ際の注意点
会社設立日を選ぶ際には、いくつかの注意点があります。
これらの点を考慮することで、トラブルを避け、スムーズな設立を実現できます。
4-1. 書類提出のタイミング
設立日を決めたら、法務局や税務署への書類提出を計画的に進めましょう。
特に、年末年始(12月29日〜1月3日)や連休中の土日祝日は、法務局が閉庁しています。
設立日の前後に、書類提出の予定を組み込んでおくと安心です。
4-2. 取引先やパートナーとの調整
設立日は、取引先やビジネスパートナーとの関係にも影響を与えることがあります。
重要な取引や契約が設立日の近くに控えている場合は、事前に関係者と調整しておくことが大切です。
4-3. 縁起を重視しすぎない
六曜や縁起を考慮することは大切ですが、重視しすぎると設立のタイミングを逃す可能性があります。
縁起だけでなく、事業や準備の状況を総合的に見て決めることが大切です。
5. 会社設立日の決まり方と税金への影響
縁起の良い日を選ぶ前に、会社設立日が法律上どう決まるかを押さえておくことが大切です。
ここでは、登記の申請日と法務局の開庁日、税金への影響を整理します。
5-1. 会社設立日は設立登記を申請した日
株式会社も合同会社も、本店所在地で設立の登記をすることで成立します。
登記簿に記録される「会社成立の年月日」は、原則として法務局が申請を受け付けた日です。
- 窓口申請:法務局の窓口で申請書を提出した日
- 郵送申請:申請書が法務局に届いた日
- オンライン申請:申請データが法務局で受け付けられた日
登記が完了する日ではないため、完了まで数日かかっても設立日は変わりません。
一度登記された設立日は、後から変えられない点にも注意が必要です。
5-2. 法務局の閉庁日と休日を設立日にする特例
法務局は、土日祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)は閉庁しています。
オンライン申請も、登記所での受付は平日の8時30分から17時15分までです。
17時15分を過ぎたり休日に送信したりすると、翌開庁日の受付になります。
ただし、2026年2月2日から、休日を会社の成立日に指定できる特例が始まりました。
指定したい休日の直前の開庁日に、特例を求める旨と指定日を書いて申請します。
オンラインや郵送でも、直前の開庁日の開庁時間内に届く必要があります。
元日や、土日に当たる大安を設立日にしたい場合に使える制度です。
出典:法務省「休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました」、法務省「オンラインによる商業登記電子証明書の請求等について」
5-3. 1日設立と法人住民税の均等割
法人住民税の均等割は、事務所を置いていた月数で年額を月割りして計算します。
月数は暦に従って数え、1か月に満たない端数は切り捨てるのが原則です。
そのため、月の2日以降に設立すると、最初の月が数えられず均等割が1か月分少なくなる場合があります。
一方、1日に設立すると、その月も1か月として数えます。
差は1か月分の均等割なので、縁起や手続きの都合と比べて決めるとよいでしょう。
なお、最初の事業年度の全部が1か月未満のときは、1か月として計算します。
出典:東京都主税局「法人事業税・法人都民税(よくある質問)」、e-Gov法令検索「地方税法」(第52条)
5-4. 資本金1,000万円未満なら消費税は原則2期免除
各事業年度開始の日の資本金が1,000万円未満なら、設立1期目と2期目は原則として消費税が免除されます。
ただし、1期目の最初の6か月(特定期間)の課税売上高と給与等の支払額がともに1,000万円超なら、2期目は課税されます。
1期目が7か月以下の場合などは特定期間がなく、この判定は行いません。
インボイス発行事業者の登録をした場合も、免除は受けられません。
課税売上高5億円超の会社などが50%超を出資して作った会社(特定新規設立法人)も、免除の対象外です。
設立日と決算月で1期目の長さが決まるため、免除される期間もあわせて確かめると安心です。
出典:国税庁「No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例」、国税庁「No.6501 納税義務の免除」
6. よくある質問
Q1. 会社設立日はいつになりますか?
原則として、法務局に設立登記を申請した日です。
登記が完了した日ではありません。
Q2. 土日や祝日を会社設立日にできますか?
2026年2月2日から、休日を会社の成立日に指定できる特例が始まりました。
指定したい休日の直前の開庁日に、特例を求めて申請します。
Q3. 1日に会社を設立すると損ですか?
法人住民税の均等割は月割りで、1か月未満の端数は切り捨てです。
2日以降に設立すると、最初の月の均等割がかからない場合があります。
差は1か月分なので、ほかの事情とあわせて決めると安心です。
Q4. 大安に設立すると事業がうまくいきますか?
六曜の吉凶は暦の上の一説で、事業の成否との関係を示す根拠はありません。
縁起を担ぐ場合の目安として使い、準備や税金の面もあわせて考えることが大切です。
Q5. 会社設立日は後から変更できますか?
変更できません。
登記簿に記録された会社成立の年月日は、後から変えられない点に注意が必要です。
Q6. 消費税の免除を受けるには設立日をどう決めればよいですか?
資本金1,000万円未満なら、原則として設立1期目と2期目は消費税が免除されます。
ただし、特定期間の判定やインボイス登録、特定新規設立法人などの例外があります。
1期目の長さは設立日と決算月で決まるため、事業年度とあわせて考えると安心です。
7. まとめ
会社設立日は、法務局に設立登記を申請した日で、後から変えることはできません。
六曜などの縁起を参考にするのも一つの方法ですが、吉凶は暦の上の一説です。
事業の準備状況や税金への影響、法務局の開庁日も含めて、総合的に判断することが大切です。
この記事で紹介したポイントを参考に、納得できる会社設立日を選んで良いスタートを切りましょう。
ぜひ、経営サポートプラスアルファにご相談ください。
