合同会社はリスクが大きくてやばい、という話を耳にすることがあります。
株式会社というみんなが知っている会社形態を採用せず、合同会社というあまり聞きなれない会社にするのは何かやばい理由があるからに違いない。
確かに株式会社は広く認知されており、その会社形態を採用せず、あえて「合同会社」を選ぶのは、なにか理由がありやばいともう人がいるのも仕方ないのかもしれません。
しかし、合同会社がやばいという客観的理由はありません。
今回は、合同会社がやばいといううわさを否定するため、合同会社の特徴やメリット、デメリット等を解説していきます。
やばいと言われる理由は何なのかよく理解していただき、会社設立の材料にしていただければと存じます。
合同会社がやばいと言われるわけ
そもそも本当に「やばい」と言われているのでしょうか?
Twitter上から、やばいとつぶやいている人の書き込みを拾ってみました。
合同会社、株式会社、一般社団法人やばい。調べれば調べるほど仕組みが難しい。そして、楽しい!笑
https://twitter.com/digitalcryptor/status/1382157745806200834?ref_src=twsrc%5Etfw
どのビジネスにどの法人をあてがうか、ビジネスはやめられない笑
株式会社か合同会社かを気にしてる時点でその商売はやばいと思いますね。実際、作ってみればそんなことは関係ないし。気にすることはそこじゃないって気づく。
https://twitter.com/adminysppress/status/1245558345026551809?ref_src=twsrc%5Etfw
合同会社リア充のがやばいな内輪臭して
https://twitter.com/sabano_kanzume/status/625181960286023684?ref_src=twsrc%5Etfw
い先日合同会社設立登記して、同じ危惧を抱きました。合同会社の設立。印鑑届出のために代表者の印鑑証明書つけたけど、登記の添付書面としては印鑑証明書ひとつもなしでできる。公証人の定款認証もない。ほんとやばいと思う。
https://twitter.com/bun_aoki/status/83747970205491200?ref_src=twsrc%5Etfw
合同会社yutoriのコーポレートサイトの感性やばい。普通に考えてたらなかなか出てこない類のものだと思う。ドメインも良い。株式会社じゃなくて合同会社ってところも、地味にグッとくる。
https://twitter.com/shimotsu_/status/1001983512512253952?ref_src=twsrc%5Etfw
「合同会社はやばい」とつぶやいている理由は人それぞれで
- 株式会社じゃなくてあえて合同会社でやばい(この人変な人?)
- 合同会社の仕組みがよくわからなくてやばい(困った、大変だ)
- 合同会社のシステムがとてもよくてやばい(いい意味ですごい)
- 合同会社について無知な人がいてやばい(困った)
こういう理由のようで、合同会社を設立している人が変な人、訳ありだからやばいという理由の他にも、ポジティブな意味でもやばいとつぶやいている人がいます。
「やばい」という言葉は、最近の若者言葉でよく使われますが、肯定的にも否定的にも「普通の状態ではない」ということのようです。
本当に、合同会社は「普通ではないからやばい」のか、ここから詳しく見ていきましょう。
合同会社を設立する人は変人だからやばい?
すでに株式会社という社会に浸透した制度があるのに、合同会社なんて聞いたことがない制度を選択するなんて、その人がやばいと思われる人もいるかもしれません。
しかし、統計的には合同会社は全然珍しくなく、どんどん増えている会社形態です。
このデータを見てみましょう。
最近の会社設立についての統計データと割合のグラフです。
2019年に新規設立された法人の数についてはこのようになります。
会社形態 | 会社設立数(単位:社) | 割合 |
---|---|---|
株式会社 | 87,871 | 74.13% |
合名会社 | 48 | 0.04% |
合資会社 | 47 | 0.04% |
合同会社 | 30,566 | 25.79% |
合同会社は全会社形態の4分の1を占めます。
株式会社に比べればまだまだ少ないですが、やばいくらいマイナーというわけでもありません。
合名会社や合資会社を新規設立する人は、小数点以下で、この場合やばい理由があるのかもしれませんが、少なくとも新規会社設立する人の4分の1がやばい人だとは到底思えません。
かなり社会に浸透してきているわけで、合同会社はむしろやばいくらいに認知されていると考えるべきです。
合同会社の制度ができたのは2006年の会社法改正(「新会社法」制定)以降であり、まだ15年の歴史しかありません。
そうであるにも関わらず、すでに4分の1の新規設立法人が合同会社であるということは、悪い意味でやばいどころか、やばいくらいにメリットがあると解するべきです。
したがって「合同会社は変な人、訳ありの人が設立するからやばい」というのは完全な偏見であり、そういうことをいう人がやばい人です。
安心して合同会社を設立してください。やばいなんてとんでもないです。
合同会社という会社形態はデメリットがありやばい?
合同会社は株式会社とくらべてデメリットが多いのでやばい、という見方をする人がいます。
確かにデメリットを考えないのはよくないですよね。
そこで、合同会社のデメリットとして考えられそうなものを挙げてみました。
合同会社のデメリット
- 社会的信用が低い
- 「代表取締役」と名乗れない
- 上場できない
- 社内コンプライアンスの面で不安
- 社員の仲が悪くなると何も決められなくなる
合同会社は社会的信用度が低くてやばい
株式会社ならば社会に浸透しているが、合同会社は知らない、やばいに違いないという意見です。
確かに2006年の合同会社制度ができた当初は、そう考える企業やクライアントがいてもおかしくありませんが、上で書いたようにもう4分の1の新規会社設立が合同会社です。
むしろ、この制度を知らない相手のほうがやばいレベルであり、もちろん、個人事業主と比較しても合同会社の信用度は段違いです。
したがって、このデメリットはあまり正しくないといえるでしょう。
「合同会社代表取締役」と名乗れないからやばい
「代表取締役」と名乗れるのは、取締役制度がある株式会社だけで、合同会社の場合「代表社員」という肩書となります。
「社員?代表取締役じゃないの?」とネガティブ評価をする人は皆無ではないのですが、そういう合同会社について詳しくない人に対しては、商品やサービスのクオリティを上げて納得させててあげましょう。
合同会社は上場ができないのでやばい
これはある程度あたっています。
合同会社は株式会社のように上場して第三者から出資を受けることができません。
株式の発行ができないので、将来的に会社を拡大したい人は株主会社を選択すべきです。
ただ、やばいとまでは言い切れないでしょう。
合同会社の社会コンプライアンス、社員仲が悪くなるとやばい
これは本当にやばい例です。
株式会社は株主総会というチェック機関があり、第三者が会社の暴走を止めることができます。
しかし、合同会社は社員の合議、全員一致で物事を決めていくので、外部からのストッパーが働きません。
よからぬことを社員全員で謀ると、そのまま進んでしまいます。
また社員全員一致での決定が原則となるので、1人でも絶対反対の人がいると、その人が「拒否権」を持つことになり、何も決まらない、進まなくなってしまいます。
そうなると、株式会社よりも機動的に動けなくなり、合同会社のメリットが打ち消されます。
そうなると、会社運営がやばい状態になってしまうかもしれません。
合同会社はメリットが意外にあってやばい?
いい意味で「やばい」ケースです。
株式会社に加えて、合同会社制度ができたということじゃ、そこに社会的ニーズがありメリットがあると国が判断したからです。
本当にやばいくらいにメリットがあるのでしょうか?
合同会社のメリット
- 設立費用が安い
- 手続きが簡単
- 決算公告の義務がない
- 柔軟で迅速な意思決定ができる
- 利益配分が自由にできる
合同会社の設立費用が安くてやばい?
合同会社の設立費用は株式会社のそれと比較して半額以下で済みます。
法定費用 | 合同会社 | 株式会社 |
---|---|---|
定款印紙代 | 紙の定款:4万円電子定款:0円 | 紙の定款:4万円電子定款:0円 |
定款認証代 | 0円(認証手続きそのものが認証不要) | 5万円 |
謄本代 | なし(不要) | 2,000円 |
登録免許税 | 最低6万円 | 最低15万円 |
資本金 | 最低1円 | 最低1円 |
合計 | 最低6万円+資本金 | 最低20万2千円+資本金 |
これだけ安く合同会社の設立ができるならば確かにやばいくらいお得かもしれませんね。
合同会社設立手続きが簡単でやばい?
会社設立をする場合、定款を作成し、必要書類を揃えて法務局で法人設立登記をする必要があります。
その過程で、株式会社の場合、定款を公証役場で認証されることが義務ですが、合同会社の場合そのステップが不要です。
定款認証にはお金もかかり、手間もかかりますが、それがない分、スピードも速く、かつコストも抑えることができます。
簡単に会社を設立することができるため、株式会社と比較して、やばいくらい簡単だと思う人も出てくるでしょう。
合同会社の意思決定手続きがスムーズに進んでやばい?
株主総会という面倒な手続きを経ず、社員全員の総意があれば物事を決めることができます。
デメリットにもあるように、第三者(株主)のチェックが入らないのはデメリットですが、手間をかけず迅速に組織決定ができます。
仲が良く、みんなの意思が統一されていれば、株式会社とは比較にならないくらいやばいスピードで物事が進むのが合同会社になります。
合同会社は自由度が高くやばい?
利益の配分や決算公告の義務がないのも合同会社のメリットになります。
手間がかからず、前例にとらわれない機動的な会社運営が可能になります。
決算公告の義務は特に大変です。決算公示の手間がかからないのが合同会社です。
株主がいないのですから、株を買ってもらう情報提供をしなくてもよいということもありますが、決算の手間が大幅に削減され、やばいくらいに会社運営が楽になります。
合同会社の仕組みが難しすぎてやばい?
合同会社は新しい会社形態なので、株式会社やそれまであった有限会社よりも手続等が難しいというイメージが先行しています。
しかし、それは間違っています。
わざわざ難しい制度を新しく設ける必要はそもそもないわけで、
- 合同会社は定款の認証が不要
- 株主総会などの社内の決定が不要
- 合同会社は社員の同意で議題が解決
- 合同会社は決算の公示義務なし
- 合同会社は役員の任期がない(延長には株主総会の議決や登記が必要)
- 合同会社の設立登記時の登録免許税が安い
など株式会社と比較して、合同会社は会社運営に機動性が出ています。
もちろん、デメリットもありますが、やばいと思われるようなものは少なく、上場希望や株で資金調達して事業の全国展開、多数の取締役を選任したいなど、将来的にすごく大きな会社を目指したいということでなければ、合同会社も有力な選択肢になります。
やばいということはまったくありません。
合同会社の仕組みが難しすぎてやばいということはなく、自社の事業計画や事業展開に合わせて株式会社と選べるように選択肢が広がったと解釈してください。
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合同会社がやばいというのは、ネガティブな面では否定されました。
むしろメリットが大きく、やばいくらいにお得という側面もあります。
実際に合同会社を設立すべきなのか、株式会社にすべきなのか、あるいは個人事業主としてやっていくべきなのか、メリットとデメリットをしっかり見極める必要があります。
やばいくらいのデメリットは合同会社にはありませんが、それでも合同会社以外の形態の方が得ということはあり得るのです。
どういった形で開業すべきなのか、ここで専門家の意見を聞いてみてはいかがでしょうか?
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