美容師の方ならば、将来独立して自分のお店を持ちたいと思う方は、多くいらっしゃるかもしれません。
美容師として独立するメリットについて紹介するとともに必要な資金や、やっておくべきことについて説明します。
また美容師として独立する際に、必要となる集客の方法についても詳しく解説します。
最後に美容師として独立する際に、必要な手続きと会社を設立する場合について紹介します。
美容師として独立することに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
美容師として独立するメリット
美容師として独立するメリットは、以下のようなものがあります。
- 自由に経営できる
- 年収が増える可能性がある
美容師として独立するメリットについて、それぞれ説明します。
自由に経営できる
美容師として独立するメリットとして、自由に経営できるということがあります。
美容院のコンセプトや、内装・外装、インテリアなど自分の好きなように決められます。
また、自分の家族との関係から、あらかじめ休みを設定もできますし、自由にスケジューリングできます。
その分、美容師として独立すると、毎日の売上を上げなければいけないということがあります。
自分のコンセプトの美容院を、お客様のニーズにあったものにしていく必要があります。
年収が増える可能性がある
美容師として独立すれば、うまくいくと年収が増える可能性があります。
従業員として働いていたときは、月収や時給によりある程度の収入が固定されています。
しかし、美容師として独立すれば、売上から経費を引いた分は、全て自分の収入になります。
オーナーとして、従業員を雇うようになれば、収入も大幅に増える可能性があります。
一方で、美容師として独立し、美容院にお客様が入らないようでは、年収が下がる可能性もあります。
美容師として独立する際に必要な資金
美容師として独立する際に必要な資金は、以下のような費用があります。
- 店舗の契約のための資金
- 内装・外装費用
- 美容器具費用
- 薬剤などの消耗品費用
- 広告宣伝費
美容師として独立する際に必要な資金について、それぞれ説明します。
店舗の契約のための資金
美容師独立の際に最もかかる費用として、店舗の契約のための資金があります。
敷金や礼金・保証金などがかかり、家賃の6ヶ月から12ヶ月分の費用が必要です。
また不動産仲介手数料も家賃1ヶ月分の費用がかかるため準備しておく必要があります。
店舗は、良い立地を選ぶことがポイントです。
駅近の物件などは、立地だけで集客が容易になります。
また、店舗に駐車場があるかどうかも大切なポイントです。
駐車場が無い場合は、近くにコインパーキングがないかなどもチェックしておきます。
内装・外装費用
次に美容師として独立する際にかかる費用は、内装・外装費用があります。
内装や外装にはこだわればこだわる分だけ費用がかかってきます。
業者によって変わってきますが、一坪あたり40万円から50万円程度の費用がかかると見ておくとよいでしょう。
外装の看板などは、集客のためにとても大切なポイントなので、しっかりと打ち合わせをして決めていく必要があります。
美容器具費用
次に美容師として独立する際にかかる費用が、美容器具費用です。
鏡やセットの椅子、シャンプーブース、ワゴンなどの準備が必要です。
1人でオープンする場合でも、200万円前後の費用が必要になるでしょう。
また、美容器具は、リース契約をすることにより初期費用を抑えることもできます。
ただし、リースの場合は、レンタルなので買取しない限り、自分のものにはなりません。
薬剤などの消耗品費用
そして薬剤など消耗品費も必要となってきます。
ヘアカラー・パーマ・ストレート・サロントリートメント・シャンプー・処理剤などの消耗品です。
薬剤などの消耗品費用は、30万円から100万円程度の費用が必要となってきます。
どんな消耗品が必要かをリストアップして、それぞれメーカーを決めておくと良いでしょう。
ただし薬剤に関しては、日々新しい製品が販売されているため、常に新しい商品をチェックしておく必要があります。
広告宣伝費
美容師として独立する際に必要な費用として、広告宣伝費があります。
新しくオープンしたばかりの美容院では、認知してもらうために広告宣伝費が必要です。
立地が良い店舗であれば、通りすがりの人が目に付き、入ってくることもあるかもしれません。
しかしそうでなければ、広告宣伝をしていく必要があります。
近隣の家にチラシのポスティングをしたり、街行く人にチラシを配ったりしておく必要があるのです。
またSNSを活用して美容院を知ってもらうことも必要です。
オリジナルのコンセプトを持った美容院であれば、より多くの人に興味を持ってもらえます。
SNSを活用すれば、リピーター施策にも使えます。
美容師として独立した場合の売上
美容師として独立した際の売上のシミュレーションをしていきます。
まず週6日営業したとして、月に24日間働くとします。
そして、客単価が6,000円の場合には、次のような売上になります。
1日客数 | 月の客数 | 売上高 |
---|---|---|
4人 | 96人 | 576,000円 |
5人 | 120人 | 720,000円 |
6人 | 144人 | 864,000円 |
7人 | 168人 | 1,008,000円 |
8人 | 192人 | 1,152,000円 |
一人あたり2時間かかっているとしたら、一人で対応できる人数は、1日4人までとなります。
ここから、いかに時間単価を上げていくかが鍵となります。
また、従業員を入れて、売上を上げていくことも考えていく必要があります。
そして、これは営業時間内にフルにお客様が入ってきた場合の想定なので、いかに集客していくかも考える必要があります。
そして、収入となるのは、ここから店舗の家賃や、従業員の給料、光熱費などの経費を引いたものです。
融資を受けている場合には、返済にも当てる必要があります。
月の売上が50万円だったとして、収入として残るのは半分くらいでしょう。
美容師として独立する前にやっておくべきこと
美容師として独立する前にやっておくべきことは、以下のことがあります。
- 資金を貯める
- 技術を身につける
- 経営・マーケティングについて学ぶ
美容師として独立する前にやっておくべきことについて、それぞれ説明します。
資金を貯める
美容師として、独立する際に必要なことは、資金を貯めておくということです。
美容師として独立する際には、店舗物件取得費用や、内装・外装費用、美容美品費用など合わせて1,000万〜2,000万円程度の資金が必要になります。
もちろん資金を融資してもらうのが一般的ですが、それでも自己資金をある程度貯めておいた方が安定して経営できます。
美容師として独立するために一定額以上は、資金を貯めておくようにしましょう。
技術を身につける
美容師として独立するためには、確かな技術を身につけておく必要があります。
美容師として独立した際に、いくら広告により集客をしたとしても、技術が十分でないとリピーターを獲得することは難しいです。
お客様に喜んでもらえるような、美容師としての技術を身につけておく必要があるでしょう。
経営・マーケティングについて学ぶ
美容師として独立する際には、美容師としての活動だけでなくお店を経営していくための知識も必要となってきます。
お客様にどうやって接客するのか、どのような従業員のオペレーションをしていくのかなどを学んでいく必要があります。
そして経営とともに大切なのが、マーケティングです。
お店にお客様がたくさん来店してもらえるように施策をしていく必要があります。
特に、お客様が美容院を変える理由として、「なんとなく変える」という理由が8割を超えていると言われています。
つまり、お客様に定期的にコンタクトをしてリピーターとなってもらう必要があるのです。
そのためにもSNSを利用して、お客様と定期的なコンタクトを取りながら再来店してもらう必要があります。
集客方法・リピーター獲得方法
美容師として独立する際に集客の方法というのはとても大切ですが、その中でも特にリピーターの獲得が大事です。
新規顧客を集客するのは、リピーターを獲得するコストの5倍かかると言われています。
つまりリピーターを獲得するほうがコストはかからないのです。
そして先ほどお伝えしたように、お客様が美容院を変える理由は「なんとなく」なので、リピーター獲得のためには自分のお店を常に認知してもらう必要があります。
そのために必要な施策としてお客様とSNSのアカウントを交換し、定期的に交流するということがとても有効です。
美容師として独立するために必要な手続き
美容師として独立するために必要な手続きは、以下のような場所があります。
- 税務署
- 保健所
- 都道府県税事務所
- 労働基準監督署、ハローワーク
美容師として独立する際に必要な手続きについて、それぞれ説明します。
税務署
個人事業主として美容師を独立する際には、税務署に「個人事業の開廃業届出書」を提出する必要があります。
この開業届を出せば個人事業主として活動することが可能です。
開業届は、開業一か月以内に提出する必要があります。
また開業届と一緒に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておくと、確定申告の際、青色申告できます。
青色申告は、最大65万円の控除が得られることや、赤字を3年間繰り越せるというメリットがあります。
保健所
美容師として独立する際は、保健所に「開設届」「施設の位置図」「構造・設備の概要」「従業者名簿と美容師免許証」「医師の診断書」などを提出する必要があります。
セット椅子の数、照明の明るさ、換気施設などの基準が設けられています。
保健所から改善要請があった場合、修正する必要があるため、工事をする前に事前に問い合わせておいたほうが良いでしょう。
開設届は、営業開始の1週間前までに届け出る必要があります。
施設の構造設備の概要については、保健所にて書類を入手できます。
施設の平面図は、内装工事業者から入手できます。
都道府県税事務所
都道府県税務署には、「事業開始等申告書」を事業開始15日以内に提出する必要があります。
これにより、開業したことを都道府県に知らせることができます。
労働基準監督署、ハローワーク
従業員を雇う場合には、労働基準監督署、ハローワークへの届出が必要です。
従業員を雇う際には労働保険への加入が必要なため、必須の手続きです。
労働保険は、雇用保険と労災保険のことを指しています。
労働基準監督署では、従業員を雇用してから10日以内に「労働保険保険関係成立届」の書類を提出します。
また雇用してから50日以内に、「労働保険概算保険料申告書」を提出します。
ハローワークでは、「雇用保険適用事業所設置届」という書類を雇用してから10日以内に提出します。
美容師として独立し、会社を設立する場合
美容師として独立する際、ある程度の利益が出てきたら会社を設立することも考えると良いでしょう。
具体的には月の利益が50万円、年間で600万円以上の利益が出てくると、会社を設立した方が節税の効果が出る可能性があります。
美容院の場合には、利益率が10%から15%程度なので、年間の売り上げが4,000〜6,000万円程度になった時に、会社を設立すると良いでしょう。
会社設立には個人事業主の開業と違い、多くの書類や手続きが必要です。
具体的には定款の作成、定款の認証、法務局での登記申請などの手続きが必要になります。
会社設立の手続きは複雑なため、専門家に問い合わせた方が良いでしょう。
また、個人事業主の場合では、個人で会計することも可能ですが、会社を設立した場合には、税金の処理などが複雑なため、税理士に依頼するのがおすすめです。
<関連記事>
美容師で独立する際は、ぜひご相談を!
美容師として働いている人は、いつか独立したいと考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
美容師として独立する前にやっておくべきことは、以下のことがあります。
- 資金を貯める
- 技術を身につける
- 経営・マーケティングについて学ぶ
しっかり準備しておけば、独立もそれほど難しいことではありません。
独立に関して、分からないことがある場合は、詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
当社では、土日祝日、平日夜間でも24時間相談受付中です。
独立・税務に関して、納得いくまで何度でも相談できます。
個人事業主と会社設立のどちらにしたほうがいいのかの相談もできます。
対面のみならず、オンライン面談やLINEでも相談可能です。
もし、個人事業主ではなく、会社を設立し独立する場合は、多くの必要書類を準備し、多くの手続きが必要です。
さらに、法務局へ登記した後も、税務署への手続きなどやらなければならないことはたくさんあります。
独立する際は、やはり豊富な経験と知見がある専門家に相談した方が安心できます。
もし、独立に関してお悩みならぜひ経営サポートプラスアルファにお気軽にご相談ください。
お客様の事業目的や事業計画から判断し、独立、会社設立・税務に関しても全力でサポートします。