ユニットバス職人って何?独立開業までの道と稼げる仕事の方法について徹底解説します

新築住宅や古い集合住宅の工事に欠かせないのがユニットバスです。

最近は個性あふれる非ユニットバスの浴室がある住宅も増えてきましたが、費用面で考えるとまだまだ安価なユニットバスの方が多いです。

このユニットバスの工事は、特別なスキルが必要なため、家を建てる大工さんではできません。

「ユニットバス職人」と呼ばれる、ユニットバス組み立ての専門家が作り上げていきます。

今回はユニットバス職人についてお話しします。

そしてユニットバス職人のみなさまが独立開業するためにはどのようなことが必要なのかも合わせて解説します。

特殊技能を持っている人は独立しても重宝されます。

ユニットバス職人も独立して十分やっていける仕事だとお分かりいただけるはずです。

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ユニットバス職人ってどういう仕事?

まず「ユニットバス職人」という仕事について理解してみましょう。

そういう仕事があると初めて知った人も多いかもしれません。

実はユニットバスの組み立て、施工は家を建てる大工さんとは違ったスキルが求められ、違う職種になるのです。

そもそも「ユニットバス」とは?

そもそも「ユニットバス」とはどのようなものなのでしょうか?

ユニットバスとは、あらかじめ浴室の壁・床・天井・浴槽といったパーツがセットで製造されている「お風呂のパッケージ」です。

パッケージをプラモデルの組み立てのように、施工現場で組み立てて設置する浴室を指します。

壁・天井・床・浴槽が一体化していて、そこに施工主(家主)のオーダー、希望は入りません。

ユニットバスのパーツは、すべて規格品であり、「ここのバスタブは石で」「お湯はライオンの口から」みたいな希望は反映されません。

オーダーメイドのお風呂工事は、別の職人さんによる組み立てとなります。

パッケージになっているので、ユニットバス職人の方は、「ルーチンワーク」的にユニットバスを組み立てていくことができ、技能習得は比較的容易、ということになります。

ユニットバス職人の仕事を解説

ユニットバスはお風呂のあらゆるものがセットになっているため、ユニットバス職人の仕事内容も多岐にわたります。

具体的には、現場に搬入したユニットバスを短時間で組み立てることになります。

部材搬入⇒部品の開梱⇒墨出し(基準線を黒く描く)⇒防水パネル据付け⇒排水管接続⇒壁パネル割振り⇒開口部切断⇒壁・天井パネル設置⇒換気扇・ミラー・蛇口・サッシ枠・扉の取付け⇒コーキング(水漏れしないように隙間を充填する)

この一連の作業をユニットバス職人が1人で行います。

大工さんのようなこと、配管工のようなことなど複数の建築職人の技を駆使してユニットバスを設置します。

ユニットバス職人として一人前になり独立できるのはいつから?

ユニットバス職人の求められるスキルは多岐にわたるので、独立開業できるまでの修業期間は長いイメージがありますが、実際はそこまででもありません。

先輩、親方の下で修業してスキルを磨く期間は、半年~1年と短く、他の建設系職人のように、独立までに実務経験3年~5年かかるのと比べると、相当短期間で独立し一人前になることができます。

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ユニットバス職人として独立する際に習得したほうがいい資格

ユニットバス職人として独立開業する際に、特に必須な資格はありません。

しかし、ユニットバスのメーカーによっては、専門の講習を受けないと組み立てが認められないことがあります。

1.LIXIL(INAX) 「システムバス取付技能者研修≪初心者向け≫」
※2022年より、公開研修の実施はないようです。
研修のご依頼・お問い合わせは、LIXIL営業担当者を通じて「システムバス取付講習会窓口」へお願いいたします。
■システムバス取付技能者研修 お問合せフォーム

2.TOTO 「TOTO認定組立者」
https://tag.jp.toto.com/partner

3.パナソニック 「パナソニック バスルーム取付設置研修」
※2022年現在、研修が行われているかは不明です。

ユニットバス職人として独立するためには、半年~1年の実務経験に加えて、ユニットバス各メーカーの技能講習を受けて、合格、代理店として任命されなければそのメーカーのユニットバスを組み立てる事ができない仕組みになっています。

海外の比較的知名度が低いメーカーや国内弱小メーカーではその限りではないようですが、みなさんが知っているユニットバスを組み立てる場合、ユニットバス職人の方は、そのメーカーの講習を受け、合格しないと独立しても仕事を請け負うことができません。

建設業許可ですが、基本的に不要です。

建設業許可が必要なのは住宅建築一式以外の工事の場合、「1件当たり500万円を超える」ケースです。

ユニットバス組立工事で500万円を超えることはまずないので、あまり意識しなくて結構です(超大型マンションの新築で全棟のユニットバス設置を請け負う、などのケースならば別ですが、一人親方としてやる分にはそういうおとはあり得ません)。

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ユニットバス職人は独立して稼げるのか?

ユニットバス職人はそもそも稼げるのでしょうか?

ユニットバス職人としてどこかの建設会社や工務店に雇われると給与制となりますが、今回は独立開業(事業主)なので、業務請負契約をする職人として考えます。

通常のユニットバス職人の日当は1万円~1万5千円。

月収で30万円前後です。

年収換算すると400万円前後となります。

しかし、さまざまなメーカーのユニットバス研修を終えて、迅速な組立作業ができるようになると、月収で60万円を超えることもできるようになります。

その場合、年収は700万円を超すことも可能になります。

他の建設現場で働く職人と比較し

  • 短期間の修行で独立できる
  • 国家資格などは不要

誰でも思い立ってしばらくして独立開業できるという意味では、とてもコスパがいい仕事になります。

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より稼ぐためにはキッチンの組み立ても覚えよう

より稼げるようになるには、ユニットバス職人のスキルだけでなく、システムキッチンの組み立てをする「システムキッチン職人」のスキルも覚えることです。

システムキッチンもユニットバスと同じく、普通の大工さんは施工を行いません。

ユニットバスもシステムキッチンもともに「水回り」の工事であり、フロア内で隣接していることも多く、一緒に組立工事ができれば、報酬も倍になります。

組立スキルがあれば1日でユニットバスとシステムキッチン双方の組み立てを完了することも可能です。

稼ぐためには、ユニットバス職人を越えて「水回り組立職人」を目指されると、大きく展望が広がり、幅広いニーズに対応できるようになります。

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ユニットバス職人独立までの流れ

ユニットバス職人として独立開業するまでの流れをまとめてみました。

事業主体

法人化(会社形態)

個人事業主

開業前
修行、組み立て許可

ユニットバス組立の実務経験を積む(半年~1年)

有名ユニットバスメーカーの組立講習を受講し合格する

(可能ならば)システムキッチン組立の経験も積み、こちらもできるようにする

独立、開業

商号(社名)や事業目的、資本金、役員等を決める

開業届を税務署に提出する

定款を作成する

定款認証(合同会社は不要)

社印を作成する

資本金を振り込む

法務局へ行き会社設立登記の申請をする

設立登記後社会保険や年金の手続きをする

 

ここで問題になるのが、法人として独立開業するのか、個人事業主として独立開業するのかです。

表を見ると個人事業主として独立開業したほうが手続き的に楽に思えますが実際はどうなのでしょうか?

次項で解説します。

ユニットバス職人独立開業の資金は?

自宅兼事務所で開業する場合

  • 工具備品:20万円程度
  • 移動用車両:100万(自家用車がある場合、それを使ってもOK)
  • 運転資金:2~3か月分の生活費

で開業できます。

工事というよりも組立てなので、工具備品も最小限で開業できます。

切ったり削ったり打ち付けたりという場面が少なく、ユニットバスの材料自体は現場に届くので、工具だけをもって移動すればOK。

つまり、わざわざ事業用の車両を購入しなくても、自家用車や軽トラがあれば問題ありません。

開業資金が少なくて済むのがユニットバス職人の魅力です。

それでも開業資金が足りない、という方は日本政策金融公庫や自治体の融資相談、そして資金調達にプロである「経営サポートプラスアルファ」に相談してください。

鳶職や大工など高所で作業する職人はケガのリスクが高いので、開業前に「一人親方労災保険組合」への加入が強く推奨されますが、ユニットバス職人はそこまで大きなケガリスクも小さいので、保険金額も考えながら加入を検討してください。

ユニットバス職人は法人化すべき?個人事業主でよい?

ユニットバス職人の年収は上で書いたように、非常に稼いでいる人でも700万円を超えるかどうかです。

一般的に個人事業主ではなく、法人化(会社設立)した方がいいラインは、年間売上1000万円前後だと言われています。

それを超えると「個人事業主としての所得税>会社の法人税」となり、会社設立した方が節税になります。

とはいえ、なかなかそのラインを超えるくらい稼ぐユニットバス職人はまれです。

ユニットバス職人を法人化する(会社設立)

ユニットバス職人を個人事業主として行う

メリット

社会的信用がある

簡単に設立できる

経費の範囲が広い

定款などの作成義務がない

責任の範囲が有限

自由な働き方ができる

赤字繰り越しが10年である

廃業手続きもすぐにできる

売上が多くなれば個人事業主よりも税率が下がる

社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金では老後が不安

最高税率が23.2%と所得税の約半分

 

デメリット

設立までの手間がかかる

社会的信用がない

設立後の帳票作成や税務申告が大変

最大税率45%と法人税よりはるかに高い

赤字でも法人住民税がかかる

無限責任で経営失敗のマイナスはすべて自分が負う

社会保険へ加入しなければならない

赤字繰り越しが3年までしかできない

会社の廃業手続きが煩雑

経費で落とせる範囲が狭い

法人化した方が社会的信用はありますが、職人としてスキルが高ければ問題ないという依頼主もいるので、何とも言えません。

個人事業主でも十分なこともあります。

また、支払う税金についても大きく異なり、法人化した方が日々の会計処理も複雑になります。

税理士に依頼することもできますが、顧問料もそれなりにかかります。

事業主体

法人化(会社設立)

個人事業主

所得税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その5%~45%

事業の売上から「事業所得」を算出してその5%~45%

個人住民税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その約10%

事業の売上から「事業所得」を算出してその約10%

消費税

課税売上1000万円以上の場合支払う

課税売上1000万円以上の場合支払う

法人税

かかる(15%~23.2%)

なし

法人住民税

かかる

なし

法人事業税

かかる

なし

個人事業税

なし

かかる

まず、ユニットバス職人として独立した際は、個人事業主として始めて、その後の売上や、仲間を集めて集団で仕事をしたいなど、事業のやり方を変えたい時に法人化を検討してもいいでしょう。

仕事を請け負う工務店、建設会社の意向もあると思います(ユニットバス職人は個人事業主がいい、法人が望ましいなど)。

どのようなツテで仕事を取れるかも含めて、法人化の可否を判断してください。

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まとめ

ユニットバス職人は他の建設現場の職人と比べて、修業期間が短く、また資格なども不要なので、短期間で独立開業したい人にはおすすめです。

ただし、各メーカーの研修を受けないと、仕事そのものができないなど、積極的に取り組まなければいけないこともあります。

可能ならばシステムキッチン組立スキルも習得して、水回り総合で組立できる職人になると、仕事の幅もクライアントからの依頼も増えます。

業務の性質上、個々の家主から直接仕事を依頼されることは(ほとんど)ないので、いかに建設会社や工務店との関係を構築するか、コミュニケーション能力も求められます。

開業の流れや法人化の可否、開業資金調達などわからないことはぜひ専門家に聞いてください。

「経営サポートプラスアルファ」では、ユニットバス職人のみなさまのために、さまざまなサポートをいたします。

資金調達や税務についてなんでも聞いてください。

ユニットバス工事の需要など業界情報についても可能な限り提供します。

「経営サポートプラスアルファ」は土日祝日夜間も対応します。

また、遠隔地の方向けにLINEやZoomを使っての相談も受け付けています。ぜひご利用ください。

短期間でスキルを習得でき、かつ技術があれば稼げる仕事です。

ぜひ、ユニットバス職人を独立開業候補に入れてみてください。

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