役員報酬をゼロにすることで副業での社会保険加入義務を回避できる

副業が軌道に乗ってきたし、法人化して節税したいけど、社会保険の加入義務はどうなるんだろう?

副業の規模の拡大をお考えの方で、このような疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

将来の脱サラのために、基盤を作っておきたいけど社会保険の2重加入となるとややこしい話になってしまいますよね。

この記事では、副業で会社設立をしたときの社会保険加入義務の対処法について解説しています。

また、記事の後半では、副業の実例を紹介しています。

社会保険は本業のみで加入したい、という方は記事内容をご確認ください。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

副業で会社を設立する時の社会保険

社会保険は加入要件を満たしている場合、加入義務が生じます。

加入要件と、副業で社会保険に加入した時に考えられる事を確認しておきましょう。

加入要件

社会保険の適用対象事務所は以下の通りです。

  1. 事業主を含む従業員1人以上の会社、国や地方公共団体などの法人
  2. 常時使用の従業員が5人以上いる、一部の業種を除く個人事業所

法人を設立すると、一人株式会社でも加入しなければなりません。

例外的に、常時雇用の従業員の数や業種によっては対象外となることもあります。

例えば、常時雇用の従業員が5人未満の個人事業所や理美容業、飲食業などのサービス業、農林漁業を担う5人以上の個人事業所は対象外となっています。

副業で会社を設立するケースでは、多くの場合社会保険の加入義務が発生することになるのです。

加入すると副業がバレる

自分で設立した会社で社会保険に加入すると当然、本業の会社での手続きに支障が発生しますので、副業を秘密にしている場合、バレてしまいます。

社会保険加入の要件によって、副業が本業でバレてしまうケースは多くあります。

本来、本業のほうで副業の許可をとって副業を行えば問題ないのですが、そうもいかないケースも多くあるでしょう。

次項より、社会保険の加入要件を満たさずに会社を設立する方法を解説します。

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役員報酬をゼロにして加入義務を回避

社会保険の未加入要件を満たすには、法人化せずに個人事業主を続ける方法と、法人化して役員報酬をゼロにする方法があります。

ここでは、法人を設立して社会保険加入要件を回避する、役員報酬ゼロについて解説します。

役員報酬をゼロにする意味

代表者の役員報酬をゼロにして他に役員がいる場合、非常勤として加入義務をなしにできます。

役員報酬の決定に関する総会などの議事録は記録として残しておき、所得税徴収高計算書は整合性がとれるように用意しておきましょう。

役員報酬をゼロにする意味は、社会保険対策以外に他なりません。

帳簿上売上として積み上がっていく収益を今後どうするか、という問題もありますが、とりあえず、社会保険未加入の要件を満たすには、役員報酬をゼロにするか、法人化しないか、のどちらかになります。

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役員報酬をゼロにするメリットとデメリット

役員報酬をゼロにするメリットとデメリットについて解説します。

メリット

メリットは以下の2点です。

  1. 保険加入義務の回避

    前述の通り、法人化しても社会保険の加入義務を回避することができます。
    今回のテーマのように、副業で会社を設立したいけど社会保険には加入したくない、という方にとってはとても助かる方法でしょう。
    この方法をとれば、とりあえず社会保険関連で本業に副業がバレる可能性がなくなります。
    社会保険関連で副業がバレなくなるだけで、他のことでバレる可能性がある、ということを忘れないようにしておきましょう。
  2. 会計上の利益を出しやすい

    本来あるはずの給与支払いがありませんので、その分売上がどんどん積み上がっていきます。
    したがって、帳簿上は利益が出ているように見えやすいメリットがあります。
    新規に取引先を開拓する場合、良いアピール材料となるでしょう。
    将来的に、帳簿上積み上がっていく売上の流れをどうするか、考える必要があります。

デメリット

デメリットについて以下の2点をピックアップしました。

  1. 税負担が増加する可能性がある

    本来、役員報酬として支払われる金額がそのまま収益に加算されるため、法人税の課税金額が増えてしまいます。
    社会保険の加入義務回避と税金負担の増加、メリット・デメリットを比べて判断することとなります。
    経費として計上することも税金対策となりますので、課税額を減らしたい場合、色々な対策を考えなければいけません。
    副業がバレると困る方は、税金負担の増加を受け入れるしかないでしょう。
  2. 会社の信用問題

    売上だけを見るとわかりませんが、帳簿を確認してみると役員報酬がゼロだった、ということになると、なにかの受け皿の会社?売上を多く見せるため?などと考えてしまい、取引先は不信感を募らせてしまうでしょう。
    新規開拓が必要な業態の場合、役員報酬をゼロにすると場合によっては、信用を得るのが難しくなる、という事を念頭においておきましょう。
    聞かれた場合、社会保険対策のためと答えなければ辻褄が合わなくなります。
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会社員の副業事例

記事の後半では、会社員が実際に行っている副業の事例について紹介します。

会社設立のような大規模に展開する副業や、個人事業レベルの副業がありますが、いずれも社会保険の兼ね合いを考え、収益をうまくコントロールしましょう。

副業解禁の流れ

副業解禁のスタートは2018年とされています。

国の施策である働き方改革の一環として副業が推奨されるようになりましたが、副業の推進は、従来の年金で老後を過ごすというライフスタイルの維持が難しくなりつつある状況を反映していると見ることもできます。

ある程度は自力で稼ぐ力を身に着けて老後に備えてほしい、という国からのメッセージかもしれません。

副業を許可している会社

以下の有名な会社でも、副業を推進しています。

  • DeNA
  • ロート製薬
  • コニカミノルタ
  • みずほフィナンシャルグループ
  • 日産自動車

現状では、大規模な副業の許可ではなく、土日や平日の夜の時間を使ったアルバイトのような副業が許可されています。

許可制となっている会社がほとんどで、副業を始めようと思った動機や、副業を通じて本業にどのような貢献ができるか、という内容を添えた申請が必要です。

社会保険の加入が発生しない程度のもので、実質的には副業の解禁とは言いにくい現状があります。

スキルシェア

本業のスキルを活かして副業で稼ぐには、自分のスキルの切り売りがもっともポピュラーで稼ぎやすい方法です。

さまざまなスキルシェアがありますが、ここでは本業で培ったスキルの体系化を紹介します。

  • 技術書に寄稿

エンジニアの仕事をしている方は、技術関連サイトへの寄稿や、専門書へ寄稿することで、効率よく副業で稼ぐことができます。
専門性の高さに比例して報酬も高くなりますので、無理せずに空いた時間で稼ぐことも。
記事の寄稿で得られる報酬は雑所得となり、年収195万円以下で5%、195万円以上で10%の課税となります。

  • 技術書を書く

より本格的に副業で稼ぎたい場合、自分で専門書を執筆する方法があります。
出版社に相談して出版する方法もありますが、電子書籍など、WEBサイト上で出版する方法も。
ツイッターなど、発信とうまく組み合わせることで宣伝活動を行うことができます。
専門性が高い内容であれば需要がありますので、執筆してみる価値はあるでしょう。

  • 発信

発信で収益を得る副業は、専門知識のスキルシェアよりも敷居が低く、少しのアイデアがあれば多くの人が実践可能です。

  • YouTuber

YouTubeを使った発信は、発信者の得意分野と視聴者のニーズが合致すると広告料で多くの副業収入を獲得できる可能性があります。
世の中には数多くの需要が存在していますので、コアな視聴者にピンポイントで見てもらうだけでも、ある程度の広告料を獲得できるのです。
世の中のニーズがありそうな得意分野を持っている方は、挑戦してみる価値があります。

  • ラインスタンプ販売

絵が少しでも書ける方は、ラインスタンプ販売でも副業収入を得ることができます。
YouTubeやツイッター、ブログなどである程度発信力を持つことで、大幅に売上増加が期待できる点も見逃せないポイントです。
発信力があれば、様々なことを現金化できるようになる一つの例です。
なんでもないような絵でも、案外売れたりしますので、アイデアがあれば実践してる価値はあるでしょう。

  • イラスト作成

イラスト作成は、世の中にWEBコンテンツが充実している現在、かなりの需要があります。
具体的な需要はアイコン作成や、動画やテキストの挿絵、サムネイル作成など。
イラストをうまく書ける方は、スキルシェアサイトなどで、宣伝しておくと反響を得られるでしょう。
イラスト作成は、趣味と実益を兼ねた魅力的な副業です。

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まとめ

大規模な副業を展開し、会社設立まで考える場合、社会保険の加入により本業に副業をしていることがバレてしまいます。

本業にバレずに副業を継続するには、役員報酬をゼロにして、社会保険の加入義務を回避する手段があります。

社会保険の加入義務を回避できる他、売上を大きく見せることもできるため、対外的な見た目をよくできるメリットも。

その反面、法人税の増加や、具体的に会計内容を見られたときの信用度の低下などのデメリットもあります。

本来は副業の許可を得て行うのが望ましいのですが、難しい場合、副業の収益コントロールは入念に行いましょう。

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