鳶職(とび職)として独立したい場合何をすればいいの?稼げる高度なスキルを活かそう!

建物建築の場で欠かせない存在、それが「鳶職(とび職)」です。

軽妙な動きで、工事現場の足場を作り、そこを飛び跳ねるように動き、建設のための基礎を作り上げていきます。

鳶職がいなければ東京スカイツリーも東京タワーもできませんでした。

高層建築には不可欠な存在が鳶職であり、彼らの「高所」という危険が高い場所での命がけのリスクを背負ってくれることで、我々の生活が豊かになり、観光スポットもできます。

能力のある鳶職の方は大きく稼げるといいます。

命のリスクをかけて働く彼ら鳶職は、親方に雇われたままのほうがいいのか、それとも独立すべきなのでしょうか?

独立した方が稼げて、大きなメリットがあるなら、独立を選ぶのも1つの選択肢になります。

今回は鳶職の独立についてメリット、デメリットも含めて考えていきます。

ぜひスキルある鳶職の方は独立も選択肢に入れてください。

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鳶職(とび職)とは?

鳶職として独立を目指されている皆さんですので、鳶職がどういう仕事なのかはお判りいただいているはずですが、念のため確認します。

鳶職(とび職)とは建設業において、高所での作業を専門とする職人を指します。

大工さんの中でも、特に高所を担当し、不安定な足場を固定し、普通の人は立っているのも怖い超高所の中で作業を行う重要な役目です。

高所の作業だけではなく、基礎工事、簡単な間知石積など簡単な地業を行うこともあります。

棟上の時、梁から梁へ文字通り飛んだので鳶と呼ばれたのが名前の由来です。

お正月の「出初式」ではしご芸をするのも鳶職で、単に建設(大工)の仕事だけではなく、江戸時代などでは、火事の時の解体(町火消)なども担当していました。

今の鳶職の人は、高所で行う専門職ですが、歴史的に重要な存在で文化(江戸文化)などを担う重要な仕事でした。

老舗の鳶職は神社の氏子でもあり神託を受ける者として神の依り代であると言われていて、諏訪の御柱祭の御神木の先端の木遣り(山面を流れる御柱の先頭に乗る人)、岸和田のだんじり祭りでだんじりの上に乗って踊る人(大工方)も鳶職です。

  • 高所で建設業を担う専門職
  • 文化の担い手
  • 神事の舞手

この3つの側面を持つのが鳶職、つまり、単に高所で作業をする建設作業員ではない、独特な背景を持つお仕事であることがわかります。

もちろん、後者2つについて、現在かかわる鳶職の方はごく一部なので、1つ目の高所での専門職としての鳶職をここでは言及していきます。

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鳶職独立のために必要なこと

鳶職として親方の下で経験を積み、いよいよ独立したい!という場合、どのような準備があるといいのでしょうか?

鳶職で独立するために必要なことをまとめてみました。

鳶職として活躍するための資格

まず、鳶職として活躍するための資格、技能について解説します。

厳密には、何も資格がなくても(無資格)でも鳶職として独立し、仕事を請負うことはできます。

相応のスキルがあれば問題ないのですが、現場のコネなどがないと、無資格の人の仕事を依頼するのは、依頼する方がリスクはあります。

したがって、対外的に十分なスキルがあることを証明しなければなりません。

「鳶職3大技能」というものがあり、

  • ワイヤーロープ等を吊り荷にかける作業と吊り荷から外す作業のスキル:玉掛け
  • 高所の足場を組み立てるスキル:足場
  • 高所の鉄骨を組み立てるスキル:鉄骨

この「玉掛け」「足場」「鉄骨」が鳶職の3大技能と呼ばれていて、マスターしていることを証明できると独立しても問題なくやっていくことができます。

とび技能士(鳶職の総合的な資格)

国が実施している技能検定制度で、学科と実技試験があります。公的試験なので説得力があり、この1級を持っていれば鳶職としてどこでも重宝されると言われています。

鳶職としての総合的な能力を証明する重要な試験です。

これを持っていることで職人としての鳶職をアピールできます。

<1級>(技能検定)

  • 丸太又は鋼管を使用して真づか小屋組の作業
  • そり(こした)に載せた重量物の運搬の作業
  • 3種類の重量物の目測の作業を行う。
    試験時間=2時間15分(丸太)、2時間5分(鋼管)
  • 学科試験(〇×式) 

<2級>(技能検定)

  • 丸太又は鋼管を使用して片流れ小屋組の作業
  • 3種類の重量物の目測の作業を行う。
    試験時間=2時間5分(丸太)、1時間55分(鋼管)
  • 学科試験(〇×式) 

<3級>(技能検定)

枠組、単管及び木製足場板を使用して、枠組応用登り桟橋の組立て
試験時間=2時間

  • 学科試験(〇×式)

1級合格、ないし2級+3年以上の実務経験は独立して、対外的に仕事を受注する際のアピールとなります。

玉掛け技能講習/玉掛け特別教育

続いて、鳶職の必要な「玉掛け」「足場」「鉄骨」について、各分野で専門的な講習があります。

それぞれ、受講して修了することで、各分野のスペシャリストだとアピールできますし、それに該当する仕事を受注することができます。

まず「玉掛け」技能です。

玉掛け業務に従事する場合、一定の教育や講習を受講、修了する義務があります(実際には講習を受けていない場合でも仕事をしている人がいますが、大きなリスクになります)。

  • 吊り上げ荷重が1トン未満の場合:「玉掛け特別教育」(学科5時間・実技4時間)
  • 吊り上げ荷重が1トン以上の場合:「玉掛け技能講習」(学科12時間・実技7時間)

の受講、修了が必要です。

玉掛けは、鳶職3大技能の中でも最初に習得すべきスキルだと言われています。

確実に講習を受けて、修了をお願いします。

足場の組立て等作業主任者

鳶職3大技能「足場」のスキルを証明します。

独立した場合、組立て、解体、または作業変更には、有資格者(足場の組立て等作業主任者)を配置することが義務付けられています。

一人親方でやる場合、自分がこの資格を取得しなければなりません。

「足場の組立て等作業主任者技能講習」を受講、修了すれば、「足場の組立て等作業主任者」として認められます。

(弟子として)3年以上実務経験がある人が、各都道府県が実施する技能講習を受講することで、この資格を得ることができます。

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者

最後は、鳶職3大技能の「鉄骨」についての資格です。

高さ5メートル以上の建築物において、鉄骨の組立や解体をする際には、「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」を配置することが義務付けられています。

一人親方として独立する場合は、自分がこの資格を取得する必要があります。

「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者講習」を受講、修了すれば、「足場の組立て等作業主任者」として認められます。

(弟子として)3年以上実務経験がある人が、各都道府県が実施する技能講習を受講することで、この資格を得ることができます。

4つの資格の関係

以上、とび技能士、玉掛技能講習/特別教育、足場の組立て等作業主任者技能講習、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者について解説しました。

この4つの資格の関係は次のように整理されます。

鳶職になる 玉掛技能講習/特別教育を受講、取得

      ↓実務経験3年

足場の組立て等作業主任者技能講習、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者を受講、取得

実務経験3年の間に適宜「とび技能士」を取得する。

とび技能士1級「親方」になるには必須鳶職の総合的なアピール
とび技能士2級独立には必須(+実務経験3年)鳶職の総合的なアピール
玉掛技能講習/特別教育鳶職の初歩的スキル、絶対必要
足場の組立て等作業主任者組立や解体を独立後する場合必須
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者鉄骨を扱う鳶職として独立する場合必須

とび技能士2級+玉掛技能講習/特別教育+足場の組立て等作業主任者、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者が、鳶職として独立する最低ラインだとご認識ください。

ケガと隣り合わせなので保険は必須!

一人親方の鳶職として独立する場合、常識の技能系資格だけ取ればすぐに開業できるのですが、それではリスクが大きすぎます。

鳶職は建設業の中でも、とりわけ高所で作業するので、落下したときのケガのリスクは非常に大きくなります。

生命保険、医療保険、傷害保険への加入は絶対なのですが、ケガのリスクが高い仕事をしている人は、特に傷害保険(ケガの保険)は加入できないことがあります。

ケガのリスクが高い鳶職でも加入できる保険でも保険料が高くなるので、その辺は覚悟してください。

保険の総合窓口などで聞いてみるか、専門家のアドバイスを受けるといいでしょう。

またケガをした時に備えて「一人親方労災保険組合」に加入しておきましょう。

通常労災は、雇用契約のある従業員(社員)向けで、独立した一人親方(個人事業主)は加入できませんが、ケガと隣り合わせの職業上、特例で個人事業主や経営者の鳶職でも加入できる労災があります。

ケガの治療費無料、休業補償(1日4000円)、障害が残った場合の一時金、ご不幸があった場合の葬儀費用や遺族への年金支援もあります。

国の制度なのでぜひこちらへの加入も独立前に済ませておきたいです。

建設業許可はおそらく不要

鳶職も建設業なので、建設業許可が必要では?と思われるかもしれません。

もちろん、建設業許可を取得するに越したことはないのですが、下記のケースでは建設業許可は不要です。

建築一式工事

次のどちらかに当てはまる工事の場合建設業許可不要
①1件の請負代金が1,500万円未満の工事(消費税込み)
②延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事

建築一式工事以外

1件の請負代金が500万円未満の工事(消費税込み)

年間の受注額ではなく「1件の受注額」なので、一人親方ならばまず超えない金額です。

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鳶職独立の開業資金は?

鳶職として独立する場合、どのくらいの開業資金が必要なのでしょうか?

建設現場の場合、締め日から支払い日まで2カ月というところが多いので、2か月分の運転資金(生活費)は用意しておきたいです。

一人親方として独立する場合は、自分(+家族)の生活費だけでいいですが、もし弟子や仲間と一緒に独立する場合、その給料×2か月分が必要になります。

日払いの現場はさすがに減ってきていますし、日払いの仕事は質が悪い傾向にあります。

空いている日の穴埋めくらいならよいですが、しっかり安定した稼ぎのためには、締め日と支払日が離れている仕事にしましょう。

幸い、鳶職の場合、設備資金等はあまり必要なく、みなさんのスキルこそが財産になります。

身軽に独立開業できますので、あえて言えば

  • 移動用のトラック(荷物が入れば自家用ワゴン車などでも可)
  • 足場用機材

を購入する資金があれば大丈夫です。

100万円前後あれば問題なく独立開業できます。

自己資金だけでも十分用意できそうですが、足りない場合も、半額の50万円を目安に創業資金として融資を受けることもできます。

最寄りの日本政策金融公庫や商工会議所、自治体の創業窓口に加えて、「経営サポートプラスアルファ」の創業融資サポートもぜひご利用ください。消費者金融系は絶対にNGです。

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鳶職独立の際は個人事業主がいい?法人化すべき?

鳶職独立の際は法人化した方がいいのか(つまり会社設立する)、個人事業主として開業した方がいいのでしょうか?

一人親方として独立するならば、個人事業主で十分ですが、「親方」として弟子を抱えることも予定している場合、将来的な法人化も視野に入れてください。

最初から弟子を抱えないのであれば、当初は個人事業主で十分だと考えます。

法人化と個人事業主の比較

開業方法、組織形態、税金、それぞれについて法人化した場合と個人事業主で独立した場合について比較しました。

 

法人化(会社形態)

個人事業主

開業方法の流れの違い

商号(社名)や事業目的、資本金、役員等を決める

開業届を税務署に提出する

定款を作成する

定款認証(合同会社は不要)

社印を作成する

資本金を振り込む

法務局へ行き会社設立登記の申請をする

設立登記後社会保険や年金の手続きをする

 

法人化するとやることが多いので、まず個人事業主としてしっかり顧客をつかむことを優先してもいいかもしれません。

鳶職として独立したとき法人化した場合と個人事業主の組織形態の違い

事業の主体

法人

個人

資本金

1円以上

不要

出資者

1名以上

本人

責任

有限責任

無限責任

決算日

自由に決められる

12月31日固定

確定申告

事業年度末から2か月以内

翌年3月15日前後

代表者の所得

給与所得

事業所得

設立費用

最低60,000円

無料

印鑑作成

必要

個人の印鑑でOK

設立期間

数日~最短即日も場合によっては可能

登記完了までに2週間

即時即日

社会保険

強制加入

従業員4名位以下は任意加入

社会的信用

株式会社には劣るもののある

あまりない

借入

比較的容易

結構大変

経費として認められる範囲

比較的広い

狭い

法人化すると、株主総会の開催などいろいろなことをしなければなりません。

社長業と兼業になるので、自分の仕事に余裕がないと、鳶職の本業がおろそかになってしまうかもしれません。

鳶職として独立したとき法人化した場合と個人事業主の税金面の違い

 

法人化

個人事業主

所得税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その5%~45%

事業の売上から「事業所得」を算出してその5%~45%

個人住民税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その約10%

事業の売上から「事業所得」を算出してその約10%

消費税

課税売上1000万円以上の場合支払う

課税売上1000万円以上の場合支払う

法人税

かかる(15%~23.2%)

なし

法人住民税

かかる

なし

法人事業税

かかる

なし

個人事業税

なし

かかる

鳶職としての売上が1000万円を超えるならば法人化した方が支払う税金が安くなります。

500万円~600万円であれば個人事業主で十分です。

みなさんの鳶職としてのスキルでどのくらい稼げそうか事前に予測してみましょう。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

法人化のメリット、デメリット 鳶職として法人化する場合は建設業許可が必要になる

鳶職を法人化する(会社設立)

個人事業主のまま鳶職で独立する

メリット

社会的信用がある

簡単に設立できる

経費の範囲が広い

定款などの作成義務がない

責任の範囲が有限

自由な働き方ができる

赤字繰り越しが10年である

廃業手続きもすぐにできる

売上が多くなれば個人事業主よりも税率が下がる

社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金では老後が不安

最高税率が23.2%と所得税の約半分

 

デメリット

設立までの手間がかかる

社会的信用がない

設立後の帳票作成や税務申告が大変

最大税率45%と法人税よりはるかに高い

赤字でも法人住民税がかかる

無限責任で経営失敗のマイナスはすべて自分が負う

社会保険へ加入しなければならない

赤字繰り越しが3年までしかできない

会社の廃業手続きが煩雑

経費で落とせる範囲が狭い

新しく許認可が必要

 

とび技能士1級合格が必要(「親方」になり弟子を持ちたい場合)

 

将来的に鳶職の「親方」を考えている場合、法人化するのはメリットがあります(「株式会社〇〇組」など)。

鳶職も建設業の一種なので、法人化する場合、事業規模が大きくなるため、建設業許可を取得するという選択肢も出てきます。

鳶職の一人親方だけでこじんまりやっている場合、建設業許可はまず不要ですが、法人化する=ある程度の規模で事業することになるので、建設業許可の申請、取得方法も知っておく必要があります。

さまざまな資格や責任者を置かなければならず、建設業許可を取得するのはかなり時間と手間がかかります。

鳶職として年間売上が1000万円を超えないのであれば、法人化せず、個人事業主の一人親方として続けてもあまりデメリットはありません。

法人化することで会計処理なども大変になります。

仕事をしながら複雑な会計処理をするのは非常に手がかかるため、税理士などに依頼することになり、当然費用もかかります。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

鳶職は一生稼げる有効なスキル!独立を考えている場合は「経営サポートプラスアルファ」に相談してください

鳶職は建設業の中でもなくてはならない仕事であり、高度なスキルを求められます。ケガのリスクも高く、保険等の準備も必要です。独立の際は個人事業主として始めるのか、法人化するのかそれぞれメリットもデメリットもあります。

独立規模によっては建設業許可が必要なケースもあり、なかなか自分だけで判断できないかもしれません。

ぜひ専門家のアドバイスを受けてください。許認可業申請代行なども行うことができます。

「経営サポートプラスアルファ」は独立開業や会社設立のプロフェッショナル集団です。

鳶職を含め、建設業の開業についても詳しいスタッフがいて、建設業申請の可否(規模によっては建設業許可不要)も判断できます。

鳶職は独特な職人の世界ですが、実績があるのでご安心ください。

土日祝日夜間も対応しますし、遠隔地の方はLINEやZoomも利用できます。

鳶職として独立して活躍を目指している方は、ぜひ「経営サポートプラスアルファ」までお問い合わせください。

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