事業目的とは、定款に必ず記載する必要のある絶対的記載事項の一つで、会社を設立するために具体的に会社は何を事業としているかの目的を書いていくものです。
事業目的に書かれた目的以外のことは、会社の事業としてできないということになります。
その会社の事業はどのような分野で行なっていくのか、しっかりと理解した上で事業目的を書いていく必要があります。
しかし事業目的外の事業をした場合でも、これを罰する規定は法律上ありません。
定款の事業目的は、たくさん書いてもいい?
事業目的をたくさん書くデメリットがあることを知っておく必要があります。
事業目的は、将来的に取り組む可能性のある事業を全て網羅し書くことに問題はありません。
しかし事業目的をたくさん書くことによるデメリットもあることを、理解しておく必要があります。
事業目的を書く定款というのは、金融機関における融資の審査の時であったり、新規の取引先とのやり取りで使うことが多いでしょう。
この際にあなたの会社が行う事業が、どのような可能性があるのか網羅している必要はあります。
将来の事業の可能性を示す必要があるでしょう。
一方で事業目的をたくさんかきすぎるデメリットについても、これから解説していきます。
事業目的をたくさん書くデメリット
とにかく書けるならば、事業目的はたくさん書けるだけ書いておこうというのは、やめたほうがいいのです。
大手商社や大手IT企業のように、事業目的が多岐に渡り、それぞれの事業の関連性についても、説明がつく場合にはたくさん書いてもいいでしょう。
しかしそうでなく、ただとにかく将来やる可能性があるからと言ってたくさんの事業目的を書くのはデメリットがあります。
事業目的をたくさん書くデメリットは、以下の通りです。
- 信用が無くなる
- 融資が不利になる
順に説明していきます。
信用が無くなる
会社設立の段階にもかかわらず、たくさんの事業目的が書かれていると信用を失います。
大手企業ならばたくさんの事業分野に関わっていても不思議ではありませんが、設立されたばかりの会社で、事業目的がたくさん書かれていると、一体その会社は何をしたいのかが不明瞭になってしまいます。
その結果、営業先やクライアントからの信頼を失うということになります。
例えば不動産事業して、飲食業して、商品販売して、Web事業するなどのような事業目的を書いていると何に注力した会社なのかが、分からなくなってしまいます。
会社設立した当初は何に力を注いでいるのか絞って、事業目的を書くようにしましょう。
融資が不利になる
事業目的をやたらにたくさん書いていると、銀行などの金融機関で、口座開設や融資する際に、「この会社は、どのような事業しているのか不安」という印象を与え、融資の審査がおりない可能性が高くなります。
新しく設立された会社の融資診断については、この定款に書かれた事業目的がとても大切になります。
事業があることに特化したことが分からず、事業がきちんと実行され、利益を得ることができないと判断され、融資の返済は難しそうだと思われてしまうのです。
事業目的は、その会社のメインとなる事業に絞ってたくさん書きすぎないようにしましょう。
事業目的の書き方・3つのポイント
事業目的の書き方と3つのポイントについては以下の通りです。
- 読んでいる人が分かりやすいように、具体的に書く
- 可能性のある事業目的は全て、網羅して書く
- 許認可が必要かどうかを確認し、内容を記載する
順に説明していきます。
読んでいる人が分かりやすいように、具体的に書く
事業目的は誰にもわかるように具体的に書くようにしましょう。
事業目的は会社の登記事項証明書、に記載され誰でも閲覧することができる内容です。
金融機関に口座を開設する時や融資を受ける際にも事業目的は、確認されます。
また他にも取引先が、取引開始前に事業目的を確認することもあるでしょう。
その際に利用目的が分かりやすく具体的に書かれている必要があります。
事業目的を見ただけでその会社が何を事業として行なっているのか、どのように事業を行っているか分かるように書いていきます。
可能性のある事業目的は全て、網羅して書く
事業目的は、今すぐに始められない事業でも将来事業拡大すれば始める可能性のある事業については書いておいた方が良いでしょう。
定款にかかれた事業目的に書かれてない事業は、基本的に行うことができません。
しかし前にも書いたように、たくさんの事業目的を書きすぎてしまってはいけません。
事業目的を読む金融機関や取引先の企業が、この会社は何をしているのかよく分からなくなってしまうからです。
事業目的の数の目安としては5件から10件程度です。
許認可が必要かどうかを確認し、内容を記載する
事業する際に、許認可が必要な場合にはその許認可について事業目的に記載されてなければいけません。
最初に許認可が必要なのかを確認し、もし必要であるならば、事業目的にどのように書いたら良いのか、関連書類を申請する役所などに聞いてみると良いでしょう。
許認可が必要な事業の場合には、定款に書かなければならないのですし、もし書いていない場合には、後から定款を変更しなければならないことになります。
事業目的は、たくさん書くよりも後から追加したほうがいい
事業目的は、あれやこれやとたくさん書くよりも、後から追加した方が良いのです。
事業目的をたくさん書いてしまい、金融機関の審査が長引き、事業開始が遅れてしまうよりかは、まずはメインとなる事業を書いた方がよいでしょう。
そして後から新たな事業するのであれば、追加し変更するといいのです。
登記事項に関する事業目的は、いくつ追加しても削除しても登録免許税は3万円になります。
許認可が下りなかったり事業目的を変更する必要があるとき
許認可が下りなかったり、新たな事業を開始する時などに事業目的変更する必要があります。
事業目的の記載の仕方や変更の仕方については、法律的に決められています。
株式会社の場合には、株主総会を開催し、定款変更の決議をしていく必要があります。
将来行う可能性のある事業目的を書く場合に気を付ける点
事業目的に記載されてない、事業をやっていくことは原則できないのですが、その場合に気をつける点があります。
以下の通りです。
- 明確な事業内容が分かること
- 営利目的であること
- 法律の範囲であること
順番に説明していきます。
明確な事業内容が分かること
今行っていない事業で、将来行う事業であっても、事業目的は明確に書く必要があります。
事業目的に使う言葉や、事業目的の意味が明確でわかりやすく、誰でも理解できる必要があるのです。
事業目的はなるべく幅広く一般的な全事業に当てはめたい、と考える経営者もいますが事業目的を具体的で書く必要があります。
あまり明確でない事業目的は、定款認証の手続きにおいて受理されない場合があります。
自分の会社がどのような事業目的を持っているのか、具体的に明確にしていきましょう。
営利目的であること
事業目的は営利目的となっている必要があります。会社は一部の種類以外には営利追求を目的として記載する必要があります。
つまり営利目的でない慈善団体のような事業目的にすることはできないのです。
事業目的はどのように営利な目的と関係しているか、について書いていく必要があります。
法律の範囲内であること
事業の目的は、当然のことですが法律の範囲内で行われる事業になっている必要があります。
例えば薬に関する事業する場合には、薬事法に則った事業目的である必要があるのです。
事前に自分の会社が行う事業目的が、どのような法律と関係しているのかについて確認する必要があるでしょう。
事業目的一覧
事業目的の例を一覧で紹介します。
- 農業
- 農作業
- 農作業の受託
- 製造業(食料品製造)
- 健康食品の製造、販売
- 低脂質高たんぱく食品の製造、販売
- 介護食品の製造、販売
- 製造業(一般機器、金属機器)
- 自動販売機の製造、販売
- 電子機器の製造、販売
- 一般作業用電子機器の製造、販売
- 各種機械部品の設計、製造、販売
- 製造業(コンピューター関係)
- コンピュータシステムの開発、販売
- ネットワークシステムの設計、開発、販売
- アプリの設計、開発、販売
- ソフトウェアの設計、開発、販売
- コンピューター周辺機器の製造、販売
- 建設業
- 建設工事の請負
- 電気工事業
- リフォーム及びリノベーションの工事
- 都市計画、市街地再開発事業
- 水中工事
- 石油プラント開発の輸出
- 製造業(その他)
- アルコールの製造、販売
- プラスチック製品の製造、販売
- 公園遊具の製造、設置、請負
- レクリエーション機器の製造、販売、各種行事の企画、運営
- 煙草の製造
- 情報処理カード機器の製造、販売
- エクステリアの製造、販売、施工
- お土産品の製造、販売
- 販売業(飲食店)
- 食料品の販売
- 飲食店業
- 健康補助食品、健康食品の販売
- 有機肥料による無農薬食品の販売
- 仕出し弁当の製造、販売
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事業目的について何を選択して、書いたらいいのか分からなくなったらば相談してみるのも良いでしょう。
初めて会社設立をする方は、以下のような悩みがあるかもしれません。
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合同会社の設立の場合には6万円、株式会社設立の場合は202,000円で行えます。
司法書士を利用して会社設立した場合よりもちろん安いですし、ご自身で会社設立する場合よりも安く済みます。