定款に事業目的を記載する時はここに注意!詳しく解説します

定款作成にあたって、事業目的の記載にお迷いではありませんか?

世の中にはたくさんの事業があり、大枠の事業目的に合致しないことも多々あります。

自分のやろうとしている事業目的をどのように記載するべきか、手が止まってしまうこともあると思います。

この記事では、定款に記載する事業目的について、詳しく解説しており、抑えておくべきポイントにも言及しています。

定款に記載する事業目的にお迷いの方は、ぜひ内容をご確認ください。

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定款に記載する事業目的とは?

定款に記載する事業目的とは、会社が行う事業内容をわかるように説明したものです。

会社は、事業目的に記載された事業の範囲内でのみ、法人格を持つと決まっています。

したがって、事業目的以外の事業を行う場合は法人として認められないのです。

事業目的は会社設立の時に必ず定款に記載しなければいけません。

事業目的の書き方

販売業や、マーケティング業、その他商業全般のような抽象的な記載は、以前は認められていませんでしたが、実務上、一般的な業務であれば多くのケースで認められるようになっています。

営利目的でない、日本語として意味が成立していない事業目的は認められませんので、注意しましょう。

記載の一例は以下の通りです。

不動産業の記載例

  1. 不動産の売買、賃貸借、管理、仲介、保有及び運用
  2. 不動産に関するコンサルティング業務
  3. 宅地建物取引業建築の現場管理業務
  4. 不動産の鑑定業務
  5. ビルメンテナンス業

飲食、宿泊業の記載例

  1. 飲食店及び喫茶店の経営
  2. コンビニエンスストアの経営
  3. 旅館斡旋業
  4. 賃貸別荘、賃ビル、旅館、ホテルその他宿泊施設の経営
  5. 住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業、住宅宿泊管理業及び住宅宿泊仲介業

卸売・小売業

  1. 日用雑貨の販売
  2. 衣料品、衣料雑貨品、装身具、鞄、時計及び文房具の企画、製作及び販売
  3. 鮮食品、保存食品及び加工食品の販売
  4. 生活用品、食料品等の移動販売事業酒類の販売
  5. 事務用品の販売
  6. 古物営業法に基づく古物営業各種商品の企画、製造、販売及び輸出入

サービス業(生活・美容)

  1. ネイルサロン、美容院、理容院等の理美容サービス業に関する店舗の経営
  2. あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師施設所の経営
  3. クリーニング業及びリネンサプライ業
  4. 結婚相談及び冠婚葬祭に関する情報の提供、仲介及び斡旋
  5. 自動車、自転車及びスポーツ用品の賃貸業
  6. 食品、日用雑貨等の宅配業
  7. 警備業法に基づく警備業
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事業目的を記載する際の3つのポイント

事業目的を記載する最大の目的は、取引の安定性を確保するためです。

会社は実態がないので、信用を担保するものがないと安心して取引を行うことができません。

取引の際の信用を確保するための一つとして、定款で事業目的を設定し、何をやっている会社なのか明らかにするのです。

事業目的を決めるにあたって、抑えておくべきポイントは以下の3点です。

適法性

法律を守った行為であり、違法行為ではないことが求められます。

法律や公序良俗に反した内容は記載不可です。

例えば、覚醒剤の製造、及び販売、カジノの経営などが違法行為を記載した事業目的にあたります。

また、金融機関などの特定会社や、士業などの資格がないと出来ない業務は有資格者でないと記載できません。

営利性 

会社は基本的に利益を得るために設立されますので、ボランティア事業の名目を事業目的に記載できません。

ただし、営利性の記載は必要ですが、会社が非営利活動を行うことを禁止している決まりではありません。

明確性

事業目的は、誰が見てもわかるような記載をしなければいけません。

取引の安定性のため、明確性をもった事業目的で取引の信頼性を確保する必要があるのです。

円滑な取引をすすめるためにも、事業目的の明確性は確保しておきましょう。

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事業目的を記載する際の許認可の注意点

業種によっては、許認可や届出が必要なケースがあります。

許認可を得るには、取得する許認可に対応する事業目的を定款に記載しなければいけません。

事業の内容以外に、根拠となる法律名を記載した文言を記載するよう、指定されている場合もあります。

正しく記載されていないと、許認可が取れず、後々、定款を変更することになってしまいますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

旅行代理店

旅行代理店を開業する時は、都道府県知事への登録が必要です。

定款の事業目的には、旅行業者代理業、旅行業法に基づく旅行業者代理業のどちらかを記載しなければいけません。

リサイクル

個人でも古着や中古品の売買で収益化している方も多くいますが、法人として中古品を販売し、利益を得る場合、古物営業法にしたがって公安委員会の許可が必要です。

届出窓口は、警察の生活安全課です。

許可を得るために定款の事業目的に、古物営業法に基づく古物商といった記載が必要です。

具体的に扱うものがわかっていれば、〇〇の売買、のように追記しておくと良いでしょう。

マッサージ店

マッサージ店を開業するには、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っていることが条件です。

施術所開設届出を保健所の窓口に提出し認可を受けます。

定款の事業目的は、マッサージ店の経営と記載します。

リラクゼーションやカイロプラクティックは国家資格は必要ありませんが、ホームページやチラシにマッサージの言葉を使うことができません。

求人情報サイト

Webサイトで、求人サイトのポータルサイトを運営する場合、サイト運営に限っては許認可や届出の必要はありません。

この場合、事業目的にはポータルサイトの運営、情報処理サービス及び情報提供サービス、といった事業目的を記載します。

転職サイトを運営しつつ、転職者と企業を仲介し、手数料を得る転職エージェントを行う場合は有料職業紹介となり厚生労働省の許認可が必要です。

記載の文言は都道府県によって多少異なりますが、事業目的には、職業安定法に基づく有料職業紹介事業と記載します。

英会話教室

語学の教室には許認可や届出の必要はありません。

定款には、外国語教室の経営と記載します。

発展して、営利を目的としない学校法人や専修学校などの準学校法人にする時は、文部科学大臣や都道府県知事の認可が必要です。

法人化には厳しい審査が設けられており、有名な英会話学校の多くは学校法人でなく、一般企業として運営しています。

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将来を見据えた事業目的を記載

定款に記載されていない事業を行うことは、罰則はありませんが、基本できないと考えておきましょう。

記載されていない事業を行う場合、定款の変更をしなければならず、手続きの費用には登録免許税として3万円の費用がかかります。

したがって、余計な手間や出費を避けるためにも、将来を見据えた事業目的を記載したほうが良いのです。

事業目的の書きすぎに注意

事業目的の記載数には限度はありませんが、事業目的をあまりに多く記載するのはやめましょう。

多くの事業を手掛けている大手商社やIT企業の場合、事業内容が20~30程度記載されていますが、設立間もない会社なのに、事業目的がたくさん記載されていると何がしたい会社なのかわかりにくく、信用を得ることができません。

設立間もない会社は、まず何に注力しているのか、はっきりわかるように記載することがポイントです。

金融機関で口座を開設したり融資を受ける時も、事業目的が多すぎると何の会社かよくわからず審査が通らない可能性があります。

新しいビジネスの場合、金融機関の審査基準で判断できない場合が多く、融資担当者の判断によるところが大きくなりますが、その際に事業目的がはっきりしないと審査に通りにくくなるのです。

ヒアリングにて詳細を伝える必要がありますが、しっかり説明できる事業目的でないと記載する意味がありません。

同業他社を参考にする

事業目的を決める上で、自分がやりたい事業と近いことをすでに行っている同業他社を参考にする方法があります。

企業のWebサイトから定款を閲覧することもできますし、掲示されていない場合は、法務局にて手続きを行うことで誰でも法人登記簿にて事業目的を確認できます。

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「前各号に付帯関連する一切の事業」を最後に記載

事業目的の最後の1行には「前各号に付帯関連する一切の事業」と記載しておきましょう。

この文言があれば、記載された事業目的に関連性があれば、事業目的に記載がなくても関連事業として行うことができます。

記載することのデメリットはありませんので、記載しておくようにしましょう。

まとめ

定款の事業目的には、創業当初に注力する事業を中心に将来を見据えた事業内容を複数記載しましょう。

記載するときに注意すべき点は、適法性、明確性、営利性の3点です。

法律の範囲内で、営利目的を持ち、誰が見てもわかる事業目的を記載しなければいけません。

許認可が必要な業務は、事業目的に記載する内容が決められており、窓口への届出が必要です。

事業目的の数に制限はありませんが、数が多すぎると何の会社かわからずかえって信用をなくしてしまいます。

将来を見据えた適切な事業目的を記載しましょう。

経営サポートプラスアルファでは、会社設立についてさまざまな内容の相談を承っています。

事業目的の選定でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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