配管工はとても稼げる将来有望な分野!独立開業までのステップとその後の流れを解説!

最近、大雨のニュースの時に、大都市部の水道管が破裂してマンホールから路上に大量の水があふれ出たというものがありました。

東京の中でもお金持ちが多く住む自治体でこの惨状でした。

また、数年前の台風のとき、タワーマンションで水道管が破損し、大変なことになったことも記憶に新しいでしょう。

高度経済成長期にできた水道管やガス管が、新設できずあちこちで老朽化し、何かあるたびにその修理が必要になっています。

配管工はそうした水道管やガス管の修理や、新しくできた街、建物のインフラとして、パイプを敷設する重要な役割を担っています。

今回は配管工として働いている方向けに、独立プランの道筋をお示しします。

ますます老朽化が進む各種管、パイプを扱える配管工のニーズは高くなることが予想されます。

しっかり技術を身に着けて、独立できれば自分らしい働き方ができるはずです。

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配管工の仕事を確認!

まず、釈迦に説法かもしれませんが、配管工の仕事についてあらためて簡単に確認し、資格などについても触れておきます。

配管工で行う工事とは?

まず配管工の仕事を確認します。

配管工が行うのは大きく分けて「管の新設」と「管のメンテナンス」になります。

配管新設業務

配管新設業務は、建物図面などを参照しながら、公共配管から屋内設備までの配管ルートを設計し、素材や性質が異なるものの中から最適な管を選択して、配管を施工します。

配管工事の司令塔でもあり、独立後配管工として企画の部分を担う場合、新設前の工程も重要になります。

配管の新設といっても、様々な種類の配管を取り扱います。

給排水用、ガス用、冷媒用、消防用、医療用など、さまざまな種類があり、それぞれに異なる知識やスキルが必要です。

既存配管のメンテナンス業務

最初に述べたように、高度成長期に全国に敷設した水道管やガス管などのインフラは、使用頻度が非常に高いこともあって、年月とともに、劣化が激しく、少々の地震や洪水で破裂してしまいます。

配管工は、そうした既存建物の配管や、道路などに埋設されている公共の配管についても、修理やメンテナンス業務を行います。

こちらは、全国の配管網すべてが対象となるので、しっかりメンテナンススキルを身につけておく必要があります。

配管工として独立する際に取得しておきたい資格とは?

配管工としての仕事を理解していただいたうえで、配管工として独立する際に役立つ資格について解説します。

配管技能士

各都道府県が実施している「技能検定」=技能士の1つです。

厚生労働省認定の公的資格であり信頼があります。

水管、排水管、ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備など建築物の配管工事を行う技能を認定し、大きく分けて「建築配管作業」と「プラント配管作業」があります。

それぞれ1級~3級があり、1級を持っていると独立する際に大きな強みになります。

【試験内容】
学科試験と実技試験を併用します。
<学科試験>
1級、2級:〇×式、多肢択一式 50問:1時間40分
3級:真偽式 30問:1時間 

<実技試験・実地試験> 
(建築配管作業)
1級
作業試験:給水配管図に従い、エルボ、チーズ等の管継手を使用して配管用炭素鋼鋼管、塩化ビニル管及び銅管の組立てを行う。試験時間=3時間50分
ペーパーテスト:配管図から材料を拾い出して、材料表を作成する。試験時間=2時間
2級
作業試験:給水配管図に従い、エルボ、チーズ等の管継手を使用して配管用炭素鋼鋼管、塩化ビニル管及び銅管の組立てを行う。試験時間=2時間50分
ペーパーテスト:配管図から材料を拾い出して、材料表を作成する。試験時間=2時間 
3級
給水配管図に従い、エルボ、チーズ等の管継手を使用して配管用炭素鋼鋼管及び塩化ビニル管の組立てを行う。試験時間=2時間35分 
(プラント配管作業)
1級
作業試験:圧力配管用炭素鋼鋼管(3B)又は硬質塩化ビニル管等をエルボ、フランジ等の管継手で組み立て、アーク溶接の仮付け又は接着によりプラント配管系統の一部分を製作する。試験時間=4時間30分
ペーパーテスト:アイソメ図の作成及び作業手順、スプール図による日数、工数等の見積りについて行う。試験時間=2時間 
2級
作業試験:圧力配管用炭素鋼鋼管(2B,3B)又は硬質塩化ビニル管等をエルボ、フランジ等の管継手で組み立て、アーク溶接の仮付け又は接着によりプラント配管系統の一部分を製作する。試験時間=4時間30分
ペーパーテスト:配管図により材料取り及び現図型取り(枝管の展開図)について行う。試験時間=2時間 
3級
硬質塩化ビニル管をエルボ、チーズの管継手で組立て、プラント配管系統の一部を製作する。試験時間=1時間45分

【受験資格】 
1級:「3級合格者+実務経験4年」or「2級合格者+実務経験2年」or実務経験7年
2級:3級合格者or実務経験2年
3級:誰でも受験できる 
学歴によって実務経験が短縮できることがあります。

まず3級から地道に取得していくのが、配管技能士1級合格への近道となります。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、厚生労働省ではなく、国土交通省の認定する国家資格になります。

管工事の施工計画の立案や弟子、ほかの作業員への指示など現場管理者、親方として必要なスキルを認定します。

冷暖房設備工事、空調設備工事、給排水・給湯設備工事、ダクト工事、浄化槽工事、ガス配管工事、衛生設備工事などの管工事で、施工計画を作成し、工程管理、品質管理、安全管理等の業務を行うための知識と技術を身につけます。

1級と2級があり、どちらも学科試験と実地試験両方の合格が必要です。

高校卒業をしていない人は8年~10年実務経験が必要ですが、大学を卒業していると1年~3年に大幅短縮できます。

1級管工事施工管理技士 
建設業法により建設業許可を得る際の「専任技術者」や、工事現場ごとに置かなければならない「主任技術者」「監理技術者」になることができる。
 ◆2級管工事施工管理技士
 建設業法による建設業許可を得る際の「専任技術者」や、工事現場における主任技術者となることができる。 

後述の建設業許可を取得する場合、この「管工事施工管理技士」の資格が不可欠になります。

現場監督や配管工事現場の指揮にもこの資格があるといいでしょう。

  • 配管工としてのスキル:配管技能士
  • 親方、現場監督としてのスキル:管工事施工管理技士

と分けて考えるとわかりやすいです。

それ以外の資格

配管工は、配管工事だけではなく、幅広く洗面台やユニットバス、トイレ、エアコンなどの設置工事を手掛けられると独立後の仕事幅が大きく広がります。

したがって、さまざまな設備関連の資格も可能な限り取得しておくといいでしょう。

もちろん、配管関連の上記2資格が最優先となります。

配管工は稼げるの?配管工の年収を探る

配管工は独立後稼げる仕事なのか、確認しておきましょう。

厚生労働省の「令和2年度賃金構造基本統計調査」によると、配管工の平均年収は43.4歳で年収は約460万円になっています。

日本の平均年収が約430万円なので、平均以上「稼げる」仕事になっています。

この年収は雇われている配管工のものも含まれているので、独立開業後、それ以上に稼げるかどうかは、みなさんのスキルおよび仕事の取り方、コミュニケーション能力が大きくなります。

まず、しっかりとスキルを身につけて、多くのところから引き合いが来るようにしてください。

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配管工独立までのロードマップ

配管工として独立するまでにどのような流れになるのか整理しておきましょう。

配管工として独立する流れ

配管工として独立してやっていけるだけのスキルは、おおよそ5年~10年と言われています。

早い人だと、20代前半で独立し、一人親方として家庭を持ちつつ働く人も少なくありません。

そうしたことを踏まえて、配管工として独立するまでの流れをまとめました。

開業後の事業形態

法人化(会社形態)

個人事業主

開業前
修業期間

配管工として実務経験を積む(5年~10年)

「配管技能士1級」(最低でも2級)に合格する

「管工事施工管理技士2級」(可能なら1級)に合格する

可能ならば洗面台、トイレ、エアコンなどの工事のスキルや資格も身につける

独立、開業

商号(社名)や事業目的、資本金、役員等を決める

開業届を税務署に提出する

定款を作成する

定款認証(合同会社は不要)

社印を作成する

資本金を振り込む

法務局へ行き会社設立登記の申請をする

設立登記後社会保険や年金の手続きをする

開業資金の準備

法定設立費用6万円~20万円+資本金

開業資金不要

しっかり修行して、配管技能士2級を取れば、独立しても一人前の配管工として仕事を取ることができます。

その期間に、工務店や自治体などとのコネクションを作り、親方との関係も悪化させないようにしましょう。

あくまで円満に独立するのが、ポイントです。

配管工の世界も狭いので、嫌われると仕事が来なくなります。

配管工として働くメリットとデメリット

配管工として働くこと、特に独立するメリットとデメリットを考えます。

配管工として独立するメリット配管工として独立するデメリット
建設系職人の中でもかなり稼げる独立までに多少時間がかかる
日本全国、今後メンテナンス需要が増えるガス漏れリスク(ガス中毒など)
配管は「ライフライン」で絶対になくならないスキルがないと仕事が来ない
洗面台、お風呂、エアコンなどの工事にも応用できる 
自分のスタイルで仕事ができる 
仕事の繁閑を自分で調節できる 

配管は人間が生活していくうえで絶対に必要なライフラインであり、なくなることはありません。

しかも、高度成長期の老朽化した配管修理、メンテナンス需要が今後さらに高くなっていくので、独立しても(極度に業界の評判が悪くならない限り)安泰です。

独立しても十分にやって行けそうです。

配管工として独立する際の開業資金と準備品

配管工として独立する際には開業資金と独立する際の道具備品が必要です。

それらについて計算してみました。

独立開業費内訳金額
工具備品20万円
車両(移動、工具運搬)100万円~150万円
合計120万円~170万円
  
(法人の場合)法定設立費用6万円~20万円+資本金
建設業許可をとる場合財産要件 500万円(資本金と重複可能)

道具については、それまで使用していたもので構いません。

スケール、ドライバー、レンチなどかさばらないはずです。

したがって、移動用車両は自家用車を使っていただいて構いません。

そうなると、開業時に必要な資金はほとんどなく、身一つで開業できます。

それを踏まえた開業資金は、車両がなければ20万円前後。

これなら、融資を受けなくても可能です。

もし、車両も購入する場合、日本政策金融公庫や自治体の創業窓口、あるいは開業に強い専門家集団「経営サポートプラスアルファ」に相談をしてください。

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配管工独立の際に考えたいこと

配管工として独立開業する際、必要な資金や道具があっても、もう1ステップ決めていただきたいことがあります。

会社設立の可否と建設業許可の可否です。

配管工独立は法人か個人事業主か

独立開業する際には法人化(会社設立)か、個人事業主かの選択ができます。

基本的に多くの売上が期待できるなら会社設立した方が節税効果は高いです。

逆に、それほど売上がなく一人親方としてやっていくのであれば個人事業主の方が、煩わしい手間がありません。

配管工として独立し法人化する(会社設立)

配管工を個人事業主として行う

メリット

社会的信用がある

簡単に設立できる

経費の範囲が広い

定款などの作成義務がない

責任の範囲が有限

自由な働き方ができる

赤字繰り越しが10年である

廃業手続きもすぐにできる

売上が多くなれば個人事業主よりも税率が下がる

社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金では老後が不安

最高税率が23.2%と所得税の約半分

 

デメリット

設立までの手間がかかる

社会的信用がない

設立後の帳票作成や税務申告が大変

最大税率45%と法人税よりはるかに高い

赤字でも法人住民税がかかる

無限責任で経営失敗のマイナスはすべて自分が負う

社会保険へ加入しなければならない

赤字繰り越しが3年までしかできない

会社の廃業手続きが煩雑

経費で落とせる範囲が狭い

大きな違いは

  • 法人:信用がある、手続きや経理処理が大変
  • 個人:信用が低い、手続きや経理処理は楽

です。

さらに、

事業主体

法人化(会社設立)

個人事業主

所得税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その5%~45%

事業の売上から「事業所得」を算出してその5%~45%

個人住民税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その約10%

事業の売上から「事業所得」を算出してその約10%

消費税

課税売上1000万円以上の場合支払う(2年間は支払い義務がない特例もあり)

課税売上1000万円以上の場合支払う

法人税

かかる(15%~23.2%)

なし

法人住民税

かかる

なし

法人事業税

かかる

なし

個人事業税

なし

かかる

税金も法人と個人で違います。

法人化した場合、納税するのは法人税で、個人事業主の場合、納税するのは所得税になります。

年間売上1000万円前後で、支払う税金が「法人税>所得税」から「法人税<所得税」に変わります。

売上1000万円超の場合法人化した方が節税できます(税金が安くなる)。

法人の場合、設立後2年間は消費税の納税義務がないという特例もあります。

配管工独立の際「建設業許可」は必要か

最後に建設業許可についてです。

配管工も工事をするので建設業許可が必要なのかな?と思われますが、実は不要なケースの方が多いのです。

建設業許可が必要なケースは

建築一式工事次のどちらかに当てはまる工事の場合建設業許可が必要
①1件の請負代金が1,500万円超の工事(消費税込み)②延べ面積が150㎡超の木造住宅工事
建築一式工事以外1件の請負代金が500万円超の工事(消費税込み)

建築一式工事

次のどちらかに当てはまる工事の場合建設業許可が必要

①1件の請負代金が1,500万円超の工事(消費税込み)
②延べ面積が150㎡超の木造住宅工事

建築一式工事以外

1件の請負代金が500万円超の工事(消費税込み)

で、配管工事は「建築一式工事以外」に該当します。

1件当たり500万円を超える配管工事を一人で請け負うことはまずないので、一人親方として働く限りは、あえて建設業許可を取る必要はありません。

将来的に、職人の弟子を抱えて会社なり集団で配管工事を行うならば建設業許可をとってもいいでしょう。

もちろん、建設業許可があれば信頼度が格段に違うので、一人親方でも建設業許可を取得するのは戦略としてアリです。

建設業許可申請のためには

条件

内容

経営業務の管理責任者

経営に携わる管理責任者の設置です。
個人事業主の場合は本人、法人の場合は役員(代表取締役)などを管理責任者とします。

専任技術者

実務経験(学歴や大学の専攻によって年数が異なる)を積んだ人。
一級管工事施工管理技士、二級管工事施工管理技士、「配管技能士(「建築配管作業」に限る。
2級は+実務経験3年)

安定した財政基盤

貸借対照表の純資産の部合計額が500万円以上。
新規会社設立の場合は資本金500万円以上。
個人事業主の場合は預金残高が500万円以上であること。

欠格事項に相当しない

暴力団構成員や彼らと関係ある人間、元犯罪者(禁固以上で執行後5年以内の人)。
建設業で罰金刑を受けて5年以内の人、成年被後見人および被保佐人や破産手続き開始の決定を受けた人は
建設業許可が下りません。

配管技能士でも「専任技術者」になれるのですが、1級管工事施工管理技士の資格を持っていることで、「特定建設業」(4000万円以上の大型案件)も請け負うことができるようになります。

1級管工事施工管理技士は取っておいて損はなさそうです。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

配管工は将来性あり!独立相談は「経営サポートプラスアルファ」にお任せ!

以上配管工の独立開業について説明しました。

配管工は独立するだけのスキル、技術を身につけるのに5年~10年かかりますが、しっかりその間にスキルアップできれば独立開業してからも安定してやっていけます。

取得すべき資格の勉強をしつつ、効果的なタイミングで独立を狙ってください。

その際、専門家のアドバイスを聞くといいでしょう。

「経営サポートプラスアルファ」には、独立開業、会社設立、許認可事業(建設業許可含む)、独立後の経理処理など各分野のプロフェッショナルをそろえています。

法人化すべきなのか、個人事業主のままでもいいのか、みなさんの希望や利益に沿えるようアドバイスします。

なんでも聞いてください。

土日祝日夜間も相談を受け付けています。

遠隔地の方はLINEやZoomを使っての相談も可能です。

配管工として経験を積んでいる方は、ぜひ独立の可否も含めてお問い合わせください。

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