合同会社の場合、口座開設ができない?
合同会社の場合、口座開設ができないと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、株式会社と同じように口座開設ができます。
また、合同会社と株式会社の審査基準というのは、それぞれ違うのかについても説明していきます。
さらには、合同会社が口座開設をする際に気をつける点についても解説します。
もし合同会社の口座開設ができない場合の対処法について、説明します。
合同会社とは
合同会社とは、経営者と出資者が同一人物であり、出資者全員が有限責任社員となっている形態の会社です。
合同会社はアメリカのLLCをモデルとして導入され、2006年に作られた会社形態です。
合同会社は、増えており2015年から5年間で1.5倍ぐらいの合同会社が作られています。
合同会社を選ぶ理由
合同会社を設立する理由の一つとして、株式会社を設立するよりも安いコストで作れるということがあります。
株式会社と合同会社の設立時のコストは、以下のようになっています。
コスト | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
登録免許税 | 15万円 | 6万円 |
定款の認証手数料 | 5万円 | 0円 |
定款の謄本手数料 | 2,000円 | 0円 |
収入印紙代(電子) | 0円 | 0円 |
合計 | 20万2,000円 | 6万円 |
設立にかかる総コストは、株式会社の場合には20万2,000円ですが、合同会社の場合には6万円で済みます。
つまり合同会社の場合には、株式会社に比べて3割程度のコストで会社設立が行えるのです。
このため多くの経営者は、安いコストのため株式会社ではなく合同会社を設立しています。
ちなみに世界や日本の大企業である西友、シスコシステムズ、ワーナーブラザーズジャパンなども合同会社です。
合同会社設立のメリットは、次の通りです。
- 会社設立のコストが安い
- 利益配分を自由に決められる
- 決算公告する必要はない
コストが安い以外にも、利益の配分を自由に決められるというメリットがあります。
そのため出資比率が低い社員であっても、会社に対して大きな貢献している場合には、多くの利益配分を得ることが可能となっています。
株式会社の場合には、決算公告することが義務付けられており、これに反すると100万円以下の過料を課されるとされていますが、合同会社には義務がありません。
Googleなどのように自社のサービスに力を注ぎたい場合には、決算公告しない合同会社を選ぶという選択肢もあります。
合同会社が口座開設する際に気を付けるべき点
合同会社の口座開設する際に、気を付けるべき点は以下の通りです。
- 合同会社である理由を明確にする
- ホームページやパンフレットで事業内容をわかりやすく説明する
順に説明していきます。
合同会社である理由を明確にする
銀行口座開設の際や、他の会社から「なぜ合同会社なのですか?」と聞かれることがよくあります。
その際に設立費用が安いという理由だけでは、ただでさえ信用度が低い合同会社のイメージをさらに低くしてしまいます。
社内における利益配分を自由に決めたい、アマゾンやアップルなど世界を引っ張る会社のように運営したいなど合同会社である理由を、整理しておくと良いでしょう。
銀行の口座開設の際には、申込書類の他に審査されることもあるので、その際に合同会社である理由をしっかりと、説明できるようにしておくと良いのです。
ホームページやパンフレットで事業内容を分かりやすく説明する
合同会社が口座開設する際に気を付けるべき点の2つ目は、ホームページやパンフレットで事業内容を、分かりやすく理解できるように準備しておくということです。
銀行が口座開設する際には、事業内容をチェックしていきます。
例えば不動産業であるならば、どのような不動産を扱って、どのように販売しているのかというような事業計画を、分かりやすく説明する必要があります。
銀行がホームページやパンフレットを見て、犯罪などと関係のないしっかりとした会社かどうかが、理解できるように、準備しておく必要があるでしょう。
合同会社であるため、審査が厳しいということはない
合同会社であるため、株式会社より口座開設の審査が厳しい、ということはありません。合同会社でも株式会社と同じように、審査され口座開設の手順が進みます。
例えば合同会社で、口座開設を断られるのは、次のような理由です。
- 資本金が少ない
- 会社の住所がバーチャルオフィス
- 事業内容が不明瞭
資本金が数十万円しかなかったり、会社の住所がバーチャルオフィスだったり、事業内容がよくわからなかったりすると口座開設を断られます。
口座開設の審査があるのは、銀行が振り込め詐欺などの犯罪を防ぐために、しっかりとした会社なのかを見極めるために行っています。
合同会社の口座開設ができない場合の対処法
合同会社の口座開設ができない場合の対処法は、次のような方法があります。
- その他の銀行やネットバンクを利用する
- 審査に落ちた理由が分かればそれを改善し、再度申し込みする
- 時間が経過してから、再度申し込みする
それぞれ順に説明しますが、審査に落ちても、慌てずに対処して行きましょう。
その他の銀行やネットバンクを利用する
合同会社の口座開設の審査に落ちてしまった場合には、他の銀行やネット銀行を利用するとよいでしょう。
メガバンク、ネット銀行、地銀などその銀行によって審査基準というのは変わってきます。
例えば、メガバンクで審査落ちしたとしても、その合同会社のある地方の地銀になら審査が通る場合もあります。また一般的にネット銀行は、審査が緩めであることも知られています。
ネット銀行の中でも、GMOあおぞらネット銀行は、特に審査が緩く口座開設をしやすい銀行として知られています。
落ちた理由が分かれば改善し、再申し込みする
合同会社の口座開設の審査に落ちた理由が分かっている場合には、原因を改善し再び申し込むと良いでしょう。
銀行に、審査に落ちた理由を聞いて、教えてくれることもあります。
例えばパンフレットやホームページの事業内容が分かりづらかったりだとか、ホームページのドメインが独自ドメインを取れていないのが理由だったり、電話回線が固定回線でなかったりといった理由があります。
審査に落ちた理由が分かっている場合には、原因を改善すれば、口座開設できる可能性が高いのです。
時間が経過してから申し込みする
合同会社の口座開設が断られた場合には、少し時間を空けてから再び申し込むのは問題がありません。
事業を継続し時間が経過すれば、会社の売り上げも出て、資本金を増やしたりもできます。
例えば事業がうまく進んでいる状況を、説明することで審査に通ることもあるのです。
しかし事業をするには銀行口座が必要ですので、まずはネット銀行など口座開設できるところで開設し、事業を行ってから再び申請すると良いでしょう。
同じ銀行に口座開設の申請する場合には、少なくとも半年は開けておく必要があります。
できれば1年ぐらいは開けた方が、良い場合が多いのです。
合同会社の口座開設には、コストの低いネット銀行がおすすめ
合同会社の口座開設には、コストの低いネット銀行がおすすめです。
株式会社ではなく合同会社を選ぶ経営者の多くは、コストを重視していると考えられます。
そのため、振込手数料や口座維持手数料が低いネット銀行は、おすすめです。
例えば楽天銀行とその他の銀行の月額手数料、振込手数料の違いが次のようになっています。
銀行名 | 月額 | 他行3万円未満振込 | 他行3万円以上振込 |
---|---|---|---|
楽天銀行 | 0円 | 168円 | 262円 |
A銀行 | 1,760円 | 550円 | 770円 |
B銀行 | 2,200円 | 660円 | 660円 |
まず月額手数料が楽天銀行の場合には0円なのに対し、その他の銀行では手数料がかかります。
他行への振込が3万円以上の場合には、楽天銀行は262円で済みますが、他の銀行では770円もかかる場合があるのです。
合同会社の口座開設にネット銀行を利用するメリット
合同会社の口座開設に、ネット銀行を使うメリットは次のようなものがあります。
- どのような場所からでも振り込み手続きはできる
- 口座維持手数料振込手数料が安い
- 24時間営業
- メガバンクに比べて金利が高い場合がある
- サービスの利用手続きが簡単
順に説明していきます。
どのような場所からでも振り込み手続きはできる
ネットバンクであればネットにアクセスできれば、振り込みがどこからでもできるため便利です。自宅で仕事している時でも、営業に出た先で振り込みが必要な場合にも、すぐ振込可能です。
また入金などについても、すぐに確認することができますし、残高の確認もできます。
口座維持手数料・振込手数料が安い
口座維持手数料や、振込手数料については、先ほど説明しましたようにネットバンクの方がはるかに安くすみます。
1回あたりは数百円の違いですが、振込回数が重なれば、重なるほど大きな差となってきます。
24時間営業
ネット銀行などでは、代金の受け取り、明細の確認、振込などが24時間365日いつでも可能です。
メガバンクに比べて金利が高い場合がある
ネットバンクの金利はメガバンクよりも高い場合があります。
サービスの利用手続きが簡単
まだ口座開設についても、必要書類が一式揃っていればWebからの申し込みで完了します。
Webからの申し込みであれば、窓口へ行って手続きする必要がないため、24時間いつでも手続きが可能です。
合同会社の口座開設にネット銀行を利用する際の注意点
合同会社の口座開設に、ネット銀行を利用する際の注意点は、以下の通りです。
- 振込履歴の印刷が少し手間がかかる
- 1日の振込限度額に制限がある
順に説明していきます。
振込履歴の印刷が少し手間がかかる
ネット銀行の場合には、一般的な銀行と違い、通帳がないため、振込履歴のコピーを取ることが難しいのです。
Webの取引画面から探し、振込履歴を印刷したりPDFにする必要があります。
一般的な振込の確認には、貯金通帳の表紙、通帳の支店名や口座番号、口座名義などが記載されている部分、そして振込履歴に関するページの印刷が必要です。
ネット銀行の場合には、取引履歴などを、管理画面から探して印刷をしたりPDFにする必要があるのです。
1日の振込限度額に制限がある
銀行の窓口で大きな金額を振り込む場合には、限度額は特にありません。
しかしネット銀行の多くの場合には、1日あたりの振込限度額が決まっていることが多いのです。
限度額は手続きすることで、変更できるため、事前に限度額の変更手続きを済ませると良いでしょう。
限度額を超えて振り込む場合には、複数の日付にまたがって振り込みをすると良いのです。
まとめ
合同会社の場合でも株式会社と同じように、銀行口座開設ができます。
合同会社の口座開設する際に気を付ける点は、合同会社である理由を明確にすることと、事業内容が分かりやすいホームページやパンフレットなどを準備することです。
合同会社という理由で、株式会社より銀行口座開設の審査が厳しくなるということは、ありません。
十分な資本金を準備したり、固定電話を設置し、ホームページに独自ドメインを取得するなどの準備で、審査落ちの可能性を低くできます。
合同会社の口座開設には、コストの低いネット銀行が、おすすめです。
ネット銀行は、維持手数料や振込手数料が安いなどのメリットがあります。
合同会社で口座開設する際に、ネット銀行ぜひ、検討してください。
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