税務調査を受けることになったけれども請求書がないというケースがあります。
請求書がないのはどれほどやばい状況なのか不安に感じる人は多いのではないでしょうか。
本記事では税務調査で請求書がないときにどのように対処すればいいのか紹介します。
税務調査ではさまざまな書類を揃える必要がある
これから税務調査を受ける際にはさまざまな書類を揃えておく必要があります。
以下のような書類を揃えておくことが重要です。
- 帳簿関係の書類(元帳、現金出納帳、売掛帳など)
- 売上・仕入・経費に関する書類(見積書、納品書、請求書、領収書など)
- 棚卸表
- 預貯金関係の書類(預金通帳、証書など)
- 人件費関係の書類(源泉台帳、社会保険関係の書類など)
上記の書類をしっかりと揃えておきましょう。
税務調査では請求書が確認される
なぜ税務調査で請求書が重点的に確認されるのか理由を紹介します。
税務調査は過少申告の事実があるかどうか調べられる
税務調査を行う大きな理由は過少申告の事実があるかどうか調べるためです。
実際よりも過小に所得を申告している事業者は、本来納税するべき金額の税金を納めていません。
これは税金を逃れていることになるため、税務調査をしっかりと行って税金を徴収しようとしているのです。
過少申告の疑いがある場合は請求書の提出が求められる
過少申告の疑いがある事業者には税務調査が実施されます。
その際には請求書の提出が求められるのです。
請求書は売上や仕入、経費などにかかわる重要な書類であり、過少申告の調査をする際に重視されます。
帳簿書類と請求書を照らし合わせることで過少申告がないかチェックする
帳簿書類の内容が正しいかどうか確認するために請求書が必要です。
請求書の内容と帳簿書類の内容を照らし合わせることで正しく記帳されているか、それとも矛盾が生じているのかがわかります。
それぞれの書類の内容を照らし合わせて矛盾がある場合は、記帳にミスが生じているか、故意に売上などを誤魔化している可能性があるのです。
請求書には保存の義務がある
請求書は法律によって保存義務が定められています。
法律による請求書の保存期間は個人事業主の場合は5年、法人は7年です。
ただし、個人事業主でも帳簿書類は7年間の保存義務があるため、請求書も7年保存しておいた方が良いでしょう。
請求書については受領した側は原則として紙で保存しなければいけません。
電子データとして保存するためには前もって税務署から承認を受ける必要があります。
また、電子データとして請求書を保存する際には、改ざんを防ぐためのタイムスタンプが必要です。
税務調査で請求書がないとどうなるのか?
もし税務調査を受ける際に請求書がないとどうなるのか説明します。
請求書がなくても支払いを証明できれば問題ない
税務調査で請求書が求められるのは取引の証明をするためです。
したがって、請求書がない場合は、別の証明手段を用意すれば問題ありません。
請求書はあくまでも支払いを証明する手段の1つでしかないからです。
領収書やレシート、メールのデータなど支払いを証明できる可能性のあるものはたくさんあります。
そのため、税務調査の通知を受けた後で請求書がないとわかったとしても、焦る必要はありません。
支払いの証明手段がない取引は否認される
もし請求書がなくて、他にも支払いの証明手段がない場合には、該当する取引は否認されます。
客観的に取引があったことが証明できない場合は、その取引は存在しなかったと判断されるのです。
そのため、税務調査では取引を証明するための証拠の提示が重視されます。
取引が認められないと追加で課税される可能性がある
もし税務調査によって、特定の取引が認められない場合は、過去の申告内容に誤りがあったことになります。
たとえば、経費処理をしていた取引が認められなくなると、経費の額が減るため、その分だけ税金が上がるのです。
この場合は追加で課税される可能性があります。
追加分の税金を支払うだけではなく、罰則を受けるケースもあるため注意しましょう。
税務調査で請求書がない場合の対処法
税務調査のときに請求書がない場合の対処法を説明します。
請求書の再発行を依頼する
請求書がないことが発覚したならば、速やかに取引先に連絡をして請求書の再発行を依頼してみましょう。
親切な取引先であれば対応してくれる可能性があります。
ただし、取引先には請求書の再発行に応じる義務は特にありません。
そのため、断られるケースもあります。
また、請求書をなくしたと伝えれば信用を失ってしまい、今後の取引に影響をおよぼすリスクもあるため注意しましょう。
取引先に支払いの証明書などを発行してもらう
取引先に依頼をして支払いの証明書などを発行してもらうという方法もあります。
請求書の再発行には対応してくれなくても、支払証明書や購入証明書などの発行に応じてくれるケースがあるのです。
基本的に支払いの証明ができれば、書類の名称には特に意味がありません。
必要事項がきちんと記載されていれば、支払証明書なども請求書と同等の効力を発揮します。
入出金を証明できる書類を用意する
銀行の入出金を証明できる書類を用意することで取引の支払いの証明になるケースがあります。
たとえば、銀行の預金通帳の記録によって、取引先への振込を証明できるでしょう。
支払先と日付、金額、支払内容が確認できることが重要なため、入出金を証明できる書類があれば請求書の代わりになります。
ただし、何に対しての支払いなのか確認できないと取引の信憑性が下がるため注意しましょう。
たとえば、取引の約束などが記載されたメールなどを用意することで証拠能力を高められます。
取引の詳細が記載されているメールも取引の証明になる
取引の詳細について記載されているメールがあれば、それも取引の証明になります。
メールのやり取りの場合は、相手から送られたメールを改ざんすることはできないため、証拠能力は高いです。
ただし、メールのやり取りだけでは取引の証明として不十分なため、預金通帳やクレジットカードの利用明細といったものも合わせて用意しましょう。
レシートは取引証明の効力がある
実は請求書がなくてもレシートがあれば取引証明として十分な効力があります。
レシートには取引を証明できる事項が細かく記載されているからです。
総額しか記載されていない領収書よりもレシートの方が証拠能力は高くなります。
ただし、簡易的な内容しか記載されていないレシートは取引の証明にならない場合があるため注意しましょう。
また、普通のレシートは時間が経つと印字が薄くなっていきます。
一般的に使われるレシートは数年で文字が消えることが多いです。
そのため、高額な取引については手書きの領収書や請求書をもらった方が良いでしょう。
請求書がない状態で税務調査を受ける際の注意点
税務調査を受けるのに請求書がない場合に注意すべき点について解説します。
できるだけ多くの証拠書類を用意する
税務調査の当日までに取引を証明できる証拠書類をできるだけ用意しておきましょう。
領収書やレシート、支払証明書、メールのやり取り、クレジットカードの明細など証拠として扱えるものはたくさんあります。
それぞれの書類の証拠能力が少なくても、複数を組み合わせることで取引を客観的に証明することが可能です。
調査の際には疑わしい項目について、それぞれ明確な回答が求められます。
事前に証拠書類を用意しておき、それぞれの取引について内容や金額、支払先などを明確に答えられるように準備しておきましょう。
特に経費については、事業として必要な費用であったと証明できるだけの情報を揃えておくことが大切です。
書類が見つからない場合は修正申告をするという方法もある
請求書だけではなく、その取引を証明できる書類をどうしても用意できないというケースがあります。
この場合は修正申告をして、その取引がなかったことにするという選択肢を検討しましょう。
過去の申告内容について誤りがあれば修正申告することができます。
税務調査の当日までに修正申告をすれば、罰金を軽減することができるかもしれません。
自ら誤りを見つけて自主的に修正申告をしたという事実が重要になります。
税理士に相談しておく
請求書がない場合の対処法について悩んだときには専門家に相談しましょう。
税理士であれば、請求書がないという事態の対処法を心得ており、適切な対策を提案してくれます。
また、税理士であれば、税務調査のリハーサルから当日の立ち会いまで対応可能です。
税理士の力を借りることによって、安心して税務調査の当日を迎えることができます。
税務調査に関するお悩みについては経営サポートプラスアルファにご相談ください。
税理士法人のため、税金の専門知識があるスタッフがしっかりと対応いたします。
税務調査で不安のある方は、いつでも経営サポートプラスアルファまでお問い合わせください。
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税務調査では経費などの支払いの証拠として請求書は重要な書類です。
ただし、請求書にこだわる必要はなく、領収書やレシート、クレジットカードの明細などを用意すれば証拠書類として効果があります。
請求書がない場合も慌てずに対策をしましょう。
税務調査を受けることになり請求書がなくて困ったときには経営サポートプラスアルファにご相談ください。
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