内装業は将来有望!?内装業で独立開業を目指す人が何を準備すればよいのか解説します

最近、40年前~50年前に建てられた高層マンションや「長屋」が取り壊されず、内装を大幅に変える「リノベーション」を行い、生まれ変わる例が出ています。

ぱっと見、そんなに古い物件だとは思えないくらいきれいです。

すべて内装が優れているからにほかなりません。

「なんということでしょう!」で一世風靡した、あのテレビ番組の「匠」も内装のプロフェッショナルが多かったと記憶しています。

新築住宅でも内装は非常に重要で、その充実度、希望にマッチしているかで入居、購入を決める人も多いのです。

建物の価値を決定づけるのが内装であり、内装業はそのための重要な仕事を担います。

今回は内装業の独立開業について説明します。

腕のいい内装業の方はあちこちから引き合いがあるはずです。

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内装業独立の前にチェックしたいこと

まず、内装業そのものについて何点か確認しておきましょう。

内装業といっても幅広いので、みなさん得意分野があるはずです。

内装業の範囲を確認

内装業とは、建物内の内装仕上げのため、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いる工事を行う人、会社です。

クロス屋は内装業の1つであり、壁紙の貼り替えを専門的に行う人ですが、内装業はもっと幅広い建物内の工事を行います。

  1. 軽鉄工事(鋼製下地組立):間仕切壁や天井の骨組みとなる軽量鉄骨工事
  2. ボード工事(ボード張り):軽鉄や木下地の上に貼る石膏ボード設置工事
  3. クロス工事:壁や床にクロスを貼る工事
  4. 塗装工事:下地材の上から塗装を行う工事
  5. 左官工事:下地材の上から左官を行う工事
  6. 床仕上げ工事:床下地の上にフローリングなどを貼る工事
  7. 建具工事:扉の制作・デザイン・設置工事
  8. 家具工事:造作家具の制作・設置および既製家具の設置工事

左官や塗装については、より専門性のある左官屋や塗装屋がいて、彼らにはかないません。

ただし、一通りできたほうが仕事獲得の幅が広がります。

実際に内装業として行うことが多いのは以下のような仕事です。

  • 畳の表替え
  • ふすまや障子、網戸の張り替え
  • 壁紙・クロス貼り、リフォーム
  • クッションフロア張替え
  • フローリング張替え
  • カーペット張替え

壁、床、天井など室内のコーティング全般を行っていきます。

それぞれ別のスキルが必要になることもあり、内装業全般の業務を憶えるのは結構大変です。

内装業の修行期間は?

内装業は幅広いため、全般を習得するには、工務店やリフォーム店で3年程度の修行が必要です。

ある程度技術を習得していないと、独立開業をしてしっかりお客さんを取れるレベルの内装技術の提供は難しいようです。

そのほかにも内装業については、「職業能力開発センター」(ハローワーク運営)で約半年間のコースを受講することで、基本的なスキルを身につけることができます。
内装施工科 | 東京都立中央・城北職業能力開発センター 高年齢者校

各地の職業能力開発に関する学校(ハローワーク系列)に内装業を学ぶ「リフォーム科」があり、シニア層も含めて、無料で内装技術を学ぶことができます。

短期的に学べて仕事があるということであり、一から内装業を学びたい人は、これらを利用することもおすすめできます。

内装業を学んだあとは、ハローワークで就職先を探すこともできます。

内装業独立の際に取得しておきたい資格は?

内装業独立の際に取得しておきたい資格について説明します。

内装業は幅が広いので、各資格の内容については割愛し、
★:絶対に取得すべき「必須資格」
☆:取得が望ましい資格
◆:余裕があれば取得したい資格
◇:将来的にチャレンジしてもいい資格
で列挙します。

☆一級建築施工管理技士
★二級建築施工管理技士
◇一級建築士
◆二級建築士
★内装仕上げ施工技能士「プラスチック系床仕上げ工事作業」
★内装仕上げ施工技能士「カーペット系床仕上げ工事作業」
★内装仕上げ施工技能士「木質系床仕上げ工事作業」
☆内装仕上げ施工技能士「鋼製下地工事作業」
★内装仕上げ施工技能士「ボード仕上げ工事作業」
★内装仕上げ施工技能士「化粧フィルム工事作業」
★表装技能士
◆インテリアコーディネーター

さまざまな資格を取得することで、独立後の仕事につながります。

特に「技能士」は各都道府県が主催している試験に合格することで取得できます。

1級、2級、分野によっては3級までありますが、内装業としてアピールするには2級が欲しいところです。

取得できそうなものからぜひチャレンジしてください。

建築士は目標として取得を目指しましょう。

依頼主からすると「〇級建築士」と名刺にあることで、一気に信頼感が増します。

内装業独立のステップを確認

内装業として独立開業するための流れを確認します。

事業主体

法人化(会社形態)

個人事業主

開業費用(法定費用)

6万円~約20万円+資本金

無料

開業前
内装業の実務経験

内装業としての実務経験を積む(最低3年は欲しい)

あるいは職業能力開発校などでリフォームを学ぶ(約半年)

可能な限り内装関係の技能士2級各分野に合格する

できれば内装関係の技能士に1級に合格する

独立、開業

商号(社名)や事業目的、資本金、役員等を決める

開業届を税務署に提出する

定款を作成する

定款認証(合同会社は不要)

社印を作成する

資本金を振り込む

法務局へ行き会社設立登記の申請をする

設立登記後社会保険や年金の手続きをする

 

内装業はハローワークの職業能力開発校で専門的に学ぶことができます。

ただし、学校での課程修了は技能士資格取得を意味しませんので、可能な限り並行して技能士(3級ならば在学中から実務経験不要で受験可能。学校卒業後は実務経験なしでも2級受験可能)を取得するように心がけてください。

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内装業開業の手続きや準備

内装業の実務経験や技能士などの資格を取得後、タイミングを計りながら独立開業となります。

その手続きや準備について解説します。

内装業の開業資金

独立開業費内訳金額
工具備品50万円
クロス、フローリング等原材料20万円~30万円
車両(移動、工具運搬)100万円~150万円
  
合計170万円~230万円
  
(法人の場合)法定設立費用6万円~20万円+資本金
建設業許可を取得する場合財産要件 500万円(資本金と重複可能)

事務所を外部に借りず、自宅兼事務所とした場合でも200万円前後かかります。

あらゆる内装を手掛ける場合、資材や工具を保管する倉庫が別途必要になりますし、事務所を外部に置き、店頭での相談などをすれば、さらに不動産契約費(敷金、礼金、仲介料など)がかかります。

クロス屋、左官屋など内装のある分野に特化した職人ならば、自宅兼事務所でも十分ですが、内装を手広く手掛ける場合、予想以上に開業資金が必要なこともあります。

資金調達(融資)を行う必要もあるかもしれず、事前に専門家のアドバイスを聞きましょう。

その方が、適正な規模での独立開業ができます。

内装業に建設業許可が必要か?

内装業は建築物の工事を伴うので「建設業許可」が必要なことがあります。

「ことがある」と限定したのは、実は建設業許可が不要なケースもあるからです。

建設業許可が必要なのは以下のケースです。

建築一式工事

次のどちらかに当てはまる工事の場合建設業許可が必要
①1件の請負代金が1,500万円超の工事(消費税込み)
②延べ面積が150㎡超の木造住宅工事

建築一式工事以外

1件の請負代金が500万円超の工事(消費税込み)

内装業は家を建てるわけではないので「建築一式工事以外」に該当します。

つまり、1件当たり500万円を超える内装工事を請け負う場合建設業許可が必要で、逆に言うと、500万円未満の内装工事だけならば、「軽微な建設工事」となり、建設業許可は不要になります。

建設業許可(内装仕上工事)を取得するには、以下の条件を満たして申請します。

条件

内容

経営業務の管理責任者

経営に携わる管理責任者の設置です。
個人事業主の場合は本人、法人の場合は役員(代表取締役)などを管理責任者とします。

専任技術者

実務経験3年~10年(学歴や大学の専攻によって異なる)を積んだ人。
一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士(種別:仕上げ)、一級建築士、二級建築士、畳製作技能士、表装技能士、内装仕上施工技能士など

安定した財政基盤

貸借対照表の純資産の部合計額が500万円以上。
新規会社設立の場合は資本金500万円以上。
個人事業主の場合は預金残高が500万円以上であること。

欠格事項に相当しない

暴力団構成員や彼らと関係ある人間、元犯罪者(禁固以上で執行後5年以内の人)、建設業で罰金刑を受けて5年以内の人、成年被後見人および被保佐人や破産手続き開始の決定を受けた人は建設業許可が下りません。

内装関係の技能士の資格があれば、基本的に専任技術者の条件は満たすので、建設業許可申請が可能です。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

内装業は法人でやるのか、個人事業主でいいのか?

それえでは内装業を独立開業する際に、法人化(会社設立)すべきなのか、個人事業主でもよいのか、どちらでしょうか?

まず、法人、個人事業主それぞれのメリットとデメリットを考えましょう。

内装業法人化、個人事業主、それぞれのメリットとデメリット

内装業を法人化する(会社設立)

内装業を個人事業主として行う

メリット

社会的信用がある

簡単に設立できる

経費の範囲が広い

定款などの作成義務がない

責任の範囲が有限

自由な働き方ができる

赤字繰り越しが10年である

廃業手続きもすぐにできる

売上が多くなれば個人事業主よりも税率が下がる

社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金では老後が不安

最高税率が23.2%と所得税の約半分

 

デメリット

設立までの手間がかかる

社会的信用がない

設立後の帳票作成や税務申告が大変

最大税率45%と法人税よりはるかに高い

赤字でも法人住民税がかかる

無限責任で経営失敗のマイナスはすべて自分が負う

社会保険へ加入しなければならない

赤字繰り越しが3年までしかできない

会社の廃業手続きが煩雑

経費で落とせる範囲が狭い

法人化すると、会計や手続きが大変ですが、外部からの信頼が高くなります。

会社設立登記をしなければならず、会社の情報は法務局で登記簿謄本という形で誰でも知ることができるのです。

嘘がつけないので信頼性が高くなります。

個人事業主の場合、信頼度は下がりますが、手続き的には簡単です。

会計処理も法人ほど複雑ではありません。

税金面は法人と個人事業主どちらが得か

法人化すべきなのか、個人事業主で独立すべきなのか、大きな要素が税金です。

法人、個人事業主によって支払う税金が異なり、税率も違います。

事業主体

法人化(会社設立)

個人事業主

所得税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その5%~45%

事業の売上から「事業所得」を算出してその5%~45%

個人住民税

代表個人の役員報酬を「給与所得」として算出し、その約10%

事業の売上から「事業所得」を算出してその約10%

消費税

課税売上1000万円以上の場合支払う

課税売上1000万円以上の場合支払う

法人税

かかる(15%~23.2%)

なし

法人住民税

かかる

なし

法人事業税

かかる

なし

個人事業税

なし

かかる

法人税額と所得税額の計算は複雑なのですが、ざっくり、年間売上が1000万円を超えると、支払う税金の金額が「法人税<所得税」になり、法人化した方が税金は安くなります。

年間売上1000万円未満の場合、個人事業主のままの方が支払う税金(所得税)がやすくなります。

そのほか、法人の場合、法人住民税や法人事業税もあるので、一概に言えませんが、売上が大きく見込める場合、最初から法人として開業し税金を節税する、そうでなければ個人事業主のまま様子を見る、こういう戦略もありです。

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内装業独立開業する際には「経営サポートプラスアルファ」に相談を!

内装業は担当する工事が幅広く、それぞれのスペシャリストになれば、「〇〇屋」と呼ばれる専門職以上に安定した仕事を得ることができます。

そのための修行や資格取得は大変ですが、苦労に見合うものがあるはずです。

そのための独立開業準備は、かなりの手間になりますが、ここは経験豊富な専門家のサポートを受けてください。

「経営サポートプラスアルファ」には、許認可(建設業)、会社設立、資金調達(開業資金)、税務、財務、会計などに詳しいスタッフがそろっています。

相談だけでも喜んでお受けいたしますので、ぜひお問い合わせください。

どこまで修行すべきで、どのタイミングで独立開業すべきなのか、そのための準備は万全か、適切にアドバイスします。

「経営サポートプラスアルファ」は土日祝日夜間も対応します。遠隔地の方はLINEやZOOMで相談していただくことができます。

内装業は今後も期待できる分野ですので、独立を考えている方はぜひ一人で悩まずに相談してください!

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