鍼灸師の資格を取得して、鍼灸師として独立したいと考えてる方が、いらっしゃるかもしれません。
鍼灸師として独立する際の手順について、説明していきます。
また、鍼灸師として独立する際に必要になるものについても紹介します。
そして気になる鍼灸師として独立する際に必要となる費用についても、解説していきます。
鍼灸師として独立することに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
鍼灸師として独立する手順
鍼灸師として独立する手順は、以下のようなものがあります。
- 事前相談
- 鍼灸師として独立する場所を確保する
- 開設届の提出
- 現地確認の調査
鍼灸師として独立する手順について、それぞれ説明していきます。
事前相談
鍼灸師として独立する際には、保健所などに相談する必要があります。
保健所に、提出に必要な書類や施術場所の構造、設備、名称などについて相談する必要があるのです。
構造や設備、名称については、細かい規定があるためあらかじめ知っておく必要があります。
施術を行うための施設は、「6.6平方メートル以上の専用の施術室がある」などの基準を満たしている必要があります。
また鍼灸院の名称についても、はり科やきゅう科の「科」や鍼灸医などの「医」など医療法や医師法で患者が間違えやすいものは付けてはいけないことになっています。
名称についても、保健所に問い合わせるといいでしょう。
鍼灸師として独立する場所を確保する
そして、鍼灸師として活動するための場所を確保していく必要があります。
鍼灸院の店舗は、お客さんが通りやすい立地に構えると良いでしょう。
家賃が安いという理由で人通りの少ないところに構えてしまうと、集客が大変になる可能性があります。
また、鍼灸院を開く場合には、先程説明した設備構造基準を満たした店舗の必要があります。
開設届の提出
鍼灸院の場所の準備ができたら、保健所に開設届を提出します。
開設届は、鍼灸院独立後10日以内に提出する義務があります。
独立後10日をすぎると、遅延理由書を一緒に提出する必要がでてきます。
施設所開設届は、提出用と控え用の2部を準備します。
開設届とともに、施術者の免許証と原本と写し、施術所平面図、施術所への案内図も一緒に準備しておく必要があります。
開設者が法人である場合、定款の写しと登記謄本も必要です。
現地確認の調査
開設届を提出してから7〜10日くらいで保健所の職員による施術所の現地確認調査が行われます。
検査時には、施術場所、待合室などの面積や消毒設備などについて確認されます。
その他にも、換気や採光、清潔かどうかなどもチェックされます。
また消化器などの防火のための設備もあるかもチェックされます。
またゴミについても一般廃棄物と感染性廃棄物に分かれているかもチェックされます。
そして使われていない鍼が安全に保管されているかも確認されます。
そして、広告も誇大広告がされていないかもチェックされます。
あらかじめ保健所にどのような項目のチェックがあるか確認して準備しておくといいでしょう。
鍼灸師として独立する際に必要になるもの
鍼灸師として独立する際に必要になるものは、以下のものがあります。
- 構造設備基準を満たしている施術室と待合室がある物件
- 消毒機材など清潔を保つための設備
- 施術台、枕、タオルなどの備品
- 受付台、電話、会計などの備品
- 鍼の収納用品
- 一般廃棄物と感染性廃棄物用のゴミ箱
- カーテンやブラインド
- 患者情報を管理するパソコン
- 看板
- ホームページ
構造上待合室と施術室を分けられない場合には、パーティションで区切ることでも解決できます。
また、鍼を繰り返し使う場合には、オートクレープ、乾熱滅菌器などの備品も必要となってきます。
ホームページには施術内容や施術場所が、記載されている必要があります。
出張施術
鍼灸師として独立する際に、鍼灸院を開設する以外にも患者の自宅まで訪問して施術する出張施術という方法もあります。
出張施術の場合にも、保険診療として認められています。
足腰の悪い高齢者や障害者など、鍼灸院へ通えない人への施術が可能になります。
出張業務開始届の提出
出張専門の鍼灸師として独立するには、出張業務開始届を提出する必要があります。
自宅の住所を管轄する保健所に提出します。
ただし、施術所があり、出張も合わせて行う場合には、出張業務開始届は必要ありません。
出張だけ行う場合に必要です。
その場合、出張業務開始届と届出者の資格免許証原本と写しが必要になります。
出張施術する際の注意点
出張する際の注意点としては、移動手段について考える必要があります。
近くであれば自転車で通うこともできますが、ある程度の距離の場合にはバイクなどで移動する必要があるでしょう。
ただし雨の日や雪の日などは、バイクでの移動が困難になるため、車での移動も準備しておく必要があるかもしれません。
また冬の寒い日におけるバイクの移動は、寒さが厳しくなるため防寒対策はしっかりとしておく必要があります。
施術できる日というのは選べないため、どのような環境でも訪問先へ訪問できる状態を準備しておく必要があります。
あるいはあらかじめ患者様に対して、悪天候の場合には通えないということを伝えておくことも一つの手です。
また、その他の注意点としては、個人名での届出となるため、屋号などの名称での広告が認められていないということです。
鍼灸師として独立する際に必要となる資格
鍼灸師として独立するには、はり師ときゅう師の2つの資格が必要です。
鍼灸師という言葉はありますが、鍼灸師という資格はなく、はり師ときゅう師2つの資格を持っている人のことを指します。
はり師、きゅう師の受験資格を得るには、専門学校や大学で3年以上必要な知識と技能を身につける必要があります。
はり師ときゅう師の試験は筆記のみで行われます。
医療概論、衛生学、公衆衛生学、解剖学などです。
広告・宣伝
鍼灸師として独立するためには広告・宣伝が欠かせません。
チラシや折込広告、ホームページによる宣伝、SNS広告など様々な手段があります。
それ以外にも看板やチラシスタンドなどの設置にも費用がかかるため、30万〜100万円くらいの費用は準備しておくといいでしょう。
また、鍼灸師としての広告には、掲載できる内容が制限されています。
具体的な施術内容の広告は一切禁止されていますが、はり師やきゅう師が行う業務内容は掲載できます。
鍼灸師が掲載できる内容は以下の通りです。
- はり
- きゅう
- 鍼
- 灸
- 鍼灸
- やいと
- えつ
- 小児鍼
また施術場所の名称、電話番号、所在地に関しては記載可能です。
そして、施術日や施術時間に関する記載もできます。
分からないことがあれば、管轄の保健所に問い合わせるといいでしょう。
鍼灸師として独立する際にかかる費用
鍼灸師として独立する際にかかる費用は、以下のようなものがあります。
- 施術設備費
- 会計・予約システム
- 店舗費用
- 人件費
- ホームページ作成費用
- SNSマーケティング費用
鍼灸師として独立する際にかかる費用について、それぞれ説明します。
施術設備費
鍼灸師として独立する際に、まず施術設備費がかかります。
清潔を維持するための設備として、消毒用機材や手洗い場などが必要です。
そのための初期費用として、30万円〜100万円くらいが必要になります。
施術に使う施術台やタオル、枕なども準備します。
鍼を廃棄するための感染性廃棄物のためのごみ箱や、待合室の椅子やスリッパなども準備しておきます。
会計・予約システム
次に、会計や予約システムにかかる費用もあります。
会計の際に領収書を出せるレジなどが必要です。
また、次回の診療スケジュールを管理するための予約システムも必要になります。
そして、オンラインでの予約やお問い合わせができる必要もあります。
これらの会計、予約システムは、自分で構築すれば数千円〜数万円で準備できます。
会計システムも、1台で30種類以上の決済手段のある端末を月額数千円程度で利用できるものもあります。
端末は、アプリをダウンロードして便利に利用できます。
またその他にも、鍼灸院の保険、自費診療に対応したレジシステムを提供しているサービスもあります。
初期費用0円で利用でき、WEB予約、顧客管理、電子カルテの機能などが搭載されています。
また、鍼灸院のために作られたネット予約システムサービスもあります。
新規顧客の獲得、予約・カルテ・会計管理、患者さんへの自動フォローができる鍼灸院のためのクラウドサービスです。
店舗費用
次に店舗にかかる費用があります。
鍼灸師で独立する際に、最もコストがかかる部分です。
店舗には、施術場所や待合室などある程度のスペースが必要となるため、費用がかかってきます。
店舗の立地や広さによって変わってきますが、30万円から300万円程度の資金が必要です。
マンションの一室でもすることは可能ですが、路面店に比べて集客が難しくなってきます。
また出張施術をする場合には、店舗は必要ありません。
人件費
その他には人件費が、かかることがあります。
鍼灸師として独立した際に、お客さんが多く入ってきて一人では対応できなくなってきた場合に、人を雇う必要が出てきます。
受付の係やスタッフなどを雇っていく必要があるのです。
受付をアルバイトで雇う場合には、例えば時給1000円とすると、1000円×営業時間×日数の費用が必要です。
忙しい時間5時間だけ雇うとすると、10万円程度必要です。
施術者のスタッフを雇う場合には、生活ができるだけの給料を支払う必要があります。
ホームページ作成費用
その他には、ホームページ作成費用がかかります。
路面店の店舗であれば看板による集客も可能ですが、目立たないところにある場合にはホームページによる集客が必要となってきます。
ホームページの作成費用は、5万円程度でできるものから数十万かかるものまであります。
ホームページ制作会社に依頼してもよいですし、クラウドソーシングサイトで信頼できる個人に依頼することも可能です。
またその他には口コミサイトに登録する費用もあります。
無料で登録できるところもありますが、お金を払うと上位表示させてくれるため、おすすめです。
費用としては、毎月数千円ぐらいからです。
広告・SNSマーケティング費用
ホームページを作成しただけでは、集客ができません。
広告やSNSマーケティングなどを行っていく必要があります。
広告はチラシで配布するほかに、インターネット検索結果画面に表示させるリスティング広告などがあります。
またSNSを使った集客もしていく必要があるでしょう。
鍼灸師として独立する際には、鍼灸に興味を持ってもらうために、SNSを活用することをおすすめします。
個人でSNSを運用していくことも出来ますし、SNSマーケティングの会社に依頼することも可能です。
鍼灸師として独立する際は、ぜひご相談を!
鍼灸師として独立する際には、多くの必要なものがあります。
保健所に問い合わせながら自分で進めていくこともできますが、専門家に依頼して独立するとスムーズにいくことがあります。
また、鍼灸師として独立し、従業員を雇い、規模を大きくしていきたい場合は、会社を設立するのもおすすめです。
会社設立に関して、分からないことがある場合は、詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
当社では、土日祝日、平日夜間でも24時間相談受付中です。
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