会社を設立したい場合、年末年始、お正月早々、1月1日などいう区切りで開業日としたい人も多いかと思います。さすがに元日はちょっと・・という人もお正月三が日のどこかで会社設立をしたいケースもあります。
やはり、会社設立という大きな節目は、お正月のおめでたい日に行いたいですよね。実際にお正月に会社設立は可能なのでしょうか?
あるいは、お正月に限らず年末年始に会社設立できるのでしょうか?年末年始は忙しい人も多いですが、場合によっては大みそかに会社設立をして、新年1月1日から事業をフル稼働したいと思っている方もいるはずです。
今回は年末年始やお正月に会社設立することについて解説します。実際に年末年始やお正月に会社設立はできるのでしょうか?
会社設立日の基本知識
会社設立をした日になるのは、法務局に会社設立登記申請をした日になります。登記が完了した日ではなく、登記書類を提出した日になるので注意してください。
そして、会社設立登記できる日=法務局が開いている日=法務局の休日ではない日
になります。
法務局の開庁時間は8時30分~17時15分です。
会社設立登記の手続きは、法務局に行かなくても郵送やオンラインでも可能ですが、法務局の休日には受付をしていません。翌営業日が受付日になるので、休日に速達などで郵送しても、オンライン申請しても、申請日が会社設立日にならないので注意してください。
- 窓口で申請した場合の会社設立日:法務局窓口に申請書を提出した日
- 郵送で申請した場合の会社設立日:法務局に申請書が到着し受理された日
- オンラインで申請した場合の会社設立日:「登記・供託オンライン申請システム」から申請を行い、申請先の登記所等にデータが受理された日
速達や書留は休日、祝日でも郵便で配達されますが、法務局の休日は受取りをしないので、直近の営業日となることに注意してください。
オンライン申請の場合もデータ受理日は直近営業日(平日)となります。日曜日にオンライン申請しても受理日は月曜日であり、翌日が会社設立日になります。
登記・供託オンライン申請システムの利用可能時間は平日の朝8時30分~21時ですが、17時15分以降に申請した場合、対応時間外になるので、データの受理は翌業務日になります。
- 8時~17時15分までにオンライン申請:当日受付=当日が会社設立日
- 17時15分~21時にオンライン申請:翌営業日受付=翌営業日が会社設立日
金曜日20時にオンライン申請した場合、受理日は3日後の月曜日になり、その日が会社設立日になります。
そして、法務局の休日=会社設立日にできない日は以下の通りです。
これは法律で決まっているので、一切の特例措置や例外はありません。
- 土曜日
- 日曜日
- 国民の祝日、国民の休日
- 年末年始(12月29日~1月3日)
根拠条文
【行政機関の休日に関する法律 第一条】 次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとする。 一 日曜日及び土曜日 二 国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日 三 十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く。) |
たまに「法務局休日相談」「年末年始、正月特別相談」のようなイベントを開く時がありますが、あくまで相談のみであり、登記の受付などは一切しませんし、法的効力もないことに注意してください。
年末年始やお正月に会社設立はできない!?
上の「行政機関の休日に関する法律」によれば12月29日~1月3日までは法務局の休日であり、年末年始、お正月の会社設立登記は不可能です。
以上をまとめると、年末年始やお正月の会社設立申請については以下のようにお考え下さい。
- 窓口は年末年始やお正月(12月29日~1月3日)はやっていない
- 郵送の場合も年末年始やお正月(12月29日~1月3日)は受け取らない
- オンライン申請の場合も年末年始やお正月(12月29日~1月3日)はシステム上受理されない
現在、会社設立申請が可能などの方法を採用しても、年末年始やお正月の会社設立は無理ということになります。残念ですが、法制度上無理なものは無理なので、年末年始やお正月の会社設立についてはあきらめざるを得ません。
何をどうやっても、年末年始(12月29日~1月3日)、お正月三が日の会社設立はできません。
狭義の「年末年始」「お正月」には会社設立はできない、というのがこの記事の結論になります。
年末年始、元日、お正月などに会社設立はできないということが分かりますが、平成から令和に代わった2019年5月1日もその日限りの祝日(「天皇の即位の日」)でした。したがって、令和のスタートと同時に会社設立日にできず、結局、平成→令和に代わる際のゴールデンウイーク10連休は1日も会社設立日にできなかったことになります。
会社設立日と登記完了日は異なる
ここまで繰り返し説明してきた会社設立日は「登記を申請した日」になります。
法務局に「〇〇株式会社を設立したい」という申請を行えるのが、土日祝日、年末年始、お正月以外の平日になります。年末年始やお正月には、窓口、郵送、オンライン申請含めて法務局に会社設立申請できないので、会社設立日にできないということです。
会社設立日は年末年始やお正月以外の平日となりますが、それと会社設立登記が完了する日(登記完了日)は異なります。会社設立登記を申請すると、法務局は提出された書類をチェックし、謄本を作成すると作業を行ないます。
この作業が完了するのが登記完了日です。
登記完了日になり、初めて会社の商業登記簿謄本や印鑑証明を法務局にて取得することができます。
登記完了日は会社設立日から2週間くらいかかります(混み具合次第ですが、審査等について2週間見ておいてください)。
つまり、各種融資や補助金を申請したい場合、会社設立申請すぐは不可能で、そこから2週間程度経ったあとに初めて、登記簿謄本をつけて申請することができます。時間に余裕を持って会社設立登記申請することが大切です。
他社の登記申請や法務局の業務次第ですが、空いていれば1週間程度で登記完了することもあります。
ひょっとすると、業務が空いていれば、クリスマスくらいに申請すれば、12月28日(お正月前の最終営業日)に登記完了することができるかもしれませんが、狙ってできるものではありません。
年末年始やお正月は法務局の業務はない、という原則を忘れないようにしてください。
いずれにせよ、年末年始やお正月(12月29日~1月3日)は、会社設立日にも登記完了日にもできません。
もっとも、登記完了日は登記簿謄本に記載されるわけではないので、そこまで意識しなくていいでしょう。
年始やお正月を会社設立日にしたいというケースは、いかなる場合であっても不可能であるとご認識ください。
年末年始やお正月を広く考えて会社設立をしよう
年末年始(12月29日~1月3日)やお正月に会社設立ができないことは、法律が変わらない限り今後も続きます。
窓口だけではなく郵送やオンライン申請の場合も同様です。
年末年始やお正月に会社設立したい場合、こちらの「年末年始」や「お正月」を変えるしかありません。お正月は「松の内」(1月7日)まで考えたらいかがでしょうか?
広い意味での年末年始は、大みそかではなくクリスマスやクリスマスイブが平日ならば会社設立ができます。それもまたロマンティックでよろしいと思われます。
年末年始にこだわらなければ、クリスマスを会社設立日にしてみてはいかがでしょうか?
縁起を担いで年末年始や元日、お正月に会社設立したい気持ちはわかりますが、法制度がそれを許していないので、工夫していただき、みなさんなりの会社設立記念日を決めてください。
まとめ 年末年始やお正月の会社設立に関することは経営サポートプラスアルファまでご相談ください
年末年始やお正月の会社設立は法制度上不可能なので、いくら会社設立を熟知している専門家でも、これらの時期の会社設立を果たす裏ワザはありません。
したがって、縁起を担ぐのであれば、六曜など他の要素も加味して会社設立日を決めるべきです。
年末年始やお正月にこだわっても物理的に無理なので、発想を変えて、年末年始やお正月以上に意味や価値のある会社設立日を決めるのが良いでしょう。
「経営サポートプラスアルファ」には会社設立の専門家が揃っています。
年末年始やお正月付近は、例えこの期間に会社設立を希望しなくても、法務局が混んでいることが予想されます。
スムーズな会社設立手続きのため、会社設立代行も含めて相談してください。
LINEやZoomも使いながら、土日祝日夜間も相談に乗ります。
どんなことでも構いませんので「経営サポートプラスアルファ」までお問い合わせください。
しっかりとした知識と経験、ノウハウを持った「経営サポートプラスアルファ」のスタッフが、みなさまの会社設立についてサポートします。
年末年始やお正月の会社設立を希望していた方の代替案などについても提案させていただきます。
ぜひ「経営サポートプラスアルファ」までお問い合わせください。