会社設立は会計士に頼んでもいいの?税理士よりも会計士に相談すべき?

会社設立を希望している方は、自分自身で即断せずに専門家へさまざまなことを聞いた方が、リスクを減らしたうえで会社を立ち上げることができます。

問題はどの専門家に相談すべきかということですね。

弁護士、司法書士、行政書士、税理士など考えられますが、加えて難関専門資格の1つ「公認会計士」がいます。

会計士も経営実務に密接にかかわる仕事を行うため、一見すると会社設立に明るい専門家だと思われる公認会計士ですが、実際にはどうなのでしょうか?

公認会計士ができること、依頼する場合の費用面なども合わせて考えていきましょう。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立の相談先は会計士で大丈夫?

会社設立の際には、大きく分けて

  1. 定款の作成
  2. 定款の認証
  3. 法務局での商業登記

の3ステップが大切になります。

この3ステップを自分で行うこともできますが、なかなか難しく、専門家の力を借りるべき場面があります。

その際の専門家として公認会計士に相談、依頼することについて、メリット、デメリットはあるのでしょうか?

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会計士に会社設立を相談するメリット・デメリット

公認会計士に会社設立を依頼するメリット、デメリットについて考えます。

メリットが多ければ依頼するのはありとなります。

会計士に会社設立を相談するメリット

まず会社設立の際に公認会計士へ相談するメリットについて紹介します。

定款の作成ができる

定款の作成は行政書士の仕事だと思われがちですが、公認会計士も行えます。

公認会計士は、「司法書士法第73条ただし書き」に相当する「公認会計士法第2条2項に付随する商業登記」(つまり会社の設立登記)を仕事として行うことができます。

司法書士法第73条

司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者(協会を除く。)は、第三条第一項第一号から第五号までに規定(※)する業務を行つてはならない。
ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
※登記や法務局へ提出する書類の作成代行、定款認証

公認会計士法第2条2項

公認会計士は、前項に規定する業務のほか、公認会計士の名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の調製をし、財務に関する調査若しくは立案をし、又は財務に関する相談に応ずることを業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

この2つの規定から「他の法律の特段の定め」があれば、代行業務を行うことができます。

実は法務省からの通達で、定款の作成について公認会計士が行っても差し支えがないという回答が出ており、公認会計士は定款作成業務を行うことができます。

計理士又は公認会計士、会計士補の登記申請書類の作成及び申請代理について(昭和25年7月6日民事甲第1867号民事局長回答)

計理士又は公認会計士、会計士補が会社その他法人の設立を委嘱された場合その附随行為として登記申請書類(定款、株式申込書、引受書、創立総会議事録等の添付書類を含む)の作成及び申請代理を為すことは、司法書士法(昭二五、五、二二法律第一九七号)第十九条の正当の業務に付随して行う場合に該当し差支えないと考えられますが、いささか疑義がありますので御回示願いたく照会いたします。

回答

照会に係る標記の件は、貴見の通り積極に解して差し支えない。

よって、司法書士、行政書士に加えて、公認会計士も定款作成ができます。

定款認証の代行ができる

同様の流れで、定款認証、電子定款についても司法書士や行政書士と同様、公認会計士も会社設立にあたり代行ができます。

定款作成→定款認証まで一度にお願いできるのはとてもありがたいですね。

会社設立登記の代行ができる

さらに、会社設立の商業登記についても、公認会計士はその代行を行えます。

行政書士や税理士は会社設立登記の代行はできませんが、公認会計士はできるのです。

ただし、公認会計士ができるのは、業務に関係する登記、つまり商業登記のみです。

不動産登記はあくまで司法書士の業務となります。

商業登記(会社設立法人登記)代行不動産登記(土地や建物の登記)代行
弁護士
司法書士
公認会計士×
行政書士××
税理士××
社会保険労務士××

登記を本来業務として行うのは司法書士です。

弁護士もできますが、本来業務ではなく積極的に行う弁護士は少ないです。

弁護士の仕事はもちろん、訴訟などにおける弁護や調停、斡旋などです。

公認会計士は税理士を兼ねる

公認会計士資格を持っている人は、税理士試験に合格しなくても、税理士登録ができます。

公認会計士は税理士を兼ねることができ、ある意味、税理士の「上位資格」になります。

公認会計士として、中小企業の会社設立に関わっている人の多くは税理士登録をしていますので、税理士としての仕事を依頼できます。

さらに、会計士の本来業務である会計監査やM&Aの相談もできます。

会社設立後、積極的にM&Aなどで事業拡大していくことも視野に入れている場合、公認会計士兼税理士に相談するとよいでしょう。

資金繰りの相談ができる

税理士に会社設立を依頼するメリットと同様に、公認会計士(税理士登録をしていなくても)も会計実務や会社実務の現場にいるので、金融機関とのかかわりが深く、資金調達についても詳しいです。

資金調達は会社設立後と思われがちですが、会社設立時の「創業融資」というものもあります。

創業融資について公認会計士に相談できるのは大きなメリットになります。

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会計士に会社設立を相談するデメリット

一方、公認会計士に依頼するデメリットも考えておきましょう。

費用が高い

公認会計士は弁護士と並ぶ難関資格ですので、費用面で司法書士や税理士に会社設立を相談、依頼した場合と比べて、報酬が高くなります。

他の資格者でも可能なことならば、安い方がいいかもしれません。

会社設立業務を行っている公認会計士は少ない

上で書いたように、会社設立業務について、司法書士とほぼ同じ権限で代行できます。

しかし、司法書士にとっては会社設立=登記が本業ですが、公認会計士はあくまで「業務に付随してできる」という「例外的に資格がある。やっても違法ではない」レベルです。

公認会計士の本来業務は顧問先の会計や会計監査ですので、それをせずに、他の専門家のフィールドで活躍している人は少ないです。

何より、会社設立について公認会計士の専門知識である会計について、あまり活かせる場面がありません。

やはり本業として会社設立登記や定款作成をしている司法書士にはかなわない面があります。

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会計士以外に会社設立を相談するメリット・デメリット

公認会計士以外に会社設立を相談することももちろん可能です。

その際のメリット、デメリットをまとめてみました。

それでは弁護士以外の専門資格の人に会社設立について相談した場合、メリットとデメリットはどうなるのでしょうか?表にまとめてみました。

弁護士司法書士行政書士税理士社会保険労務士
メリット・司法書士+行政書士の上位互換・定款作成が可能会社設立登記代行ができる・定款作成が可能
・許認可業申請ができる
・税務会計のプロ
・資金調達にも詳しい
・保険や労務のプロ
デメリット・本業ではないので依頼する費用が高い
・税務会計には詳しくない
・許認可申請代行はできない
・税務会計には詳しくない
・会社設立代行はできない
・税務会計には詳しくない
・会社設立代行はできない
・会社設立前にできることが少ない
・会社設立代行はできない
・会社設立前にできることがない

それぞれの専門家には得意・不得意があります。各専門家ができること、できないことについて表にしました。

弁護士司法書士行政書士税理士社会保険労務士公認会計士
定款作成・認証××
会社設立登記代行×××
税務書類の申請、申告××××
許認可手続き××××
社会保険手続き×××××

弁護士は司法書士と行政書士ができることを兼ねますが、税務に弱い部分があります。

税理士や社会保険労務士が独自に持つ権限はありません。

この表を見ると

公認会計士=司法書士+税理士

の権限があるので、お願いできる公認会計士が見つかれば、かなり会社設立について、適切かつ強力なサポートを得られます。

他の専門家以上に公認会計士は会社設立および、会社設立後についてもできることが多そうです。

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会社設立に必要な費用

会社設立についてどのくらい費用が掛かるのでしょうか?

まず、会社設立に必要な「法定費用」について理解しておきましょう。

法的費用+資本金+専門家報酬(依頼料)が会社設立に必要な費用になります。

法定費用株式会社合同会社
定款印紙代紙の定款:4万円電子定款:0円紙の定款:4万円電子定款:0円
定款認証代 5万円0円(認証手続きそのものが認証不要)
謄本代2,000円なし(不要)
登録免許税最低15万円最低6万円
資本金最低1円最低1円
   
合計最低20万2千円+資本金最低6万円+資本金

電子定款を利用すると、安くなります。

しかし、電子定款を申請するためには専用のソフトなどが必要になり、自分で揃えては紙の定款申請よりもコストがかかるかもしれません。

素直に、代行している専門家(ソフトなどを揃えていて使い慣れている)に依頼するとよいでしょう。

会社設立を会計士に依頼するといくらかかる?

会社設立に際して、公認会計士(会計士)は、司法書士と行政書士(許認可申請除く)の代行についての権限を持っていることが分かりました。

しかも、公認会計士の資格を持っている人は、登録をすれば、税理士としても活躍でき、両方を兼ねられます。

公認会計士としての本来業務は大企業の会計監査ですが、税理士として、各種確定申告の仕事や税務会計業務、記帳代行などもできます。

これだけのオールマイティーな能力のある公認会計士に会社設立を依頼した場合、費用の相場は20万円~30万円で税理士よりも高めです。

公認会計士は税理士よりも難関資格と言われていて、やはり弁護士に近い報酬の価格帯となっています。

公認会計士は、司法書士や弁護士に依頼せず、自身で会社設立登記代行もできますので、基本的にすべて一括で請け負うことになります。

また、会社設立後の税務顧問についても契約を求められることがあります。

税理士として活動している公認会計士の場合、会社設立代行で固定客をつかみ、その後継続して税務顧問を務めた方が安定します。

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会社設立を会計士以外に依頼するといくらかかる?

他の専門資格に会社設立を依頼した場合の相場は下記になります。

弁護士司法書士行政書士税理士社会保険労務士
会社設立代行まで20万円~40万円10万円~25万円20万円前後10万円~15万円10万円~15万円
会社設立代行せず(ほぼ一括で請け負う)(ほぼ一括で請け負う)10万円~15万円5万円~10万円5万円~10万円

税理士に依頼した方が、会社設立代行まで含めてもかなり安くできそうです。

弁護士、司法書士以外の専門家が会社設立代行を請け負う場合、定款や登記については、提携している司法書士(弁護士は少ない)にオプション料金を支払って代行依頼する形になります。

弁護士や司法書士は、会社設立後の税務や会計についてあまりアドバイスできません。

稀に弁護士兼税理士(弁護士も公認会計士と同様、弁護士資格を取れば税理士登録可能)もいますが、レアケースです。

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会社設立の依頼は会計士で本当に大丈夫?

公認会計士は

  • 弁護士、司法書士が可能な会社設立登記
  • 弁護士、司法書士と行政書士が可能な定款作成、定款認証
  • 税理士が可能な会社設立後の税務、財務、申告、記帳代行

いずれも可能であり、各専門家に依頼するよりも公認会計士1人にすべてお願いした方がコスパは良さそうに見えます。

しかし、公認会計士の独自業務、独占業務である会計監査などは、大企業固有の業務であり、これから会社を立ち上げる人にとっては、将来的に必要になるかもしれませんが、当面は関係ないです。

短期的には、1期終了後の決算や各種税申告、日々の会計、記帳業務などが課題になります。

これらは、税理士の固有業務になります。

  • 公認会計士の固有業務:当面必要なし
  • 税理士の固有業務:絶対に必要
  • 依頼料は「公認会計士>>税理士」
  • 会社設立代行や定款作成は、司法書士などにオプション料金を支払えばよい

以上から、税理士、しかも、会社設立後に慣れている税理士に依頼した方がコスパは良く、安心して会社を立ち上げられることになります。

会社設立までの業務、つまり、定款作成や設立登記は定型的なものであり、「この人でなければダメ」という要素は少ないです。

しかし、会社設立後の日々の会計や記帳、資金調達などは非常に重要であり、こここそがアドバイザーの良し悪しに関わります。

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固有業務をメインに行っている公認会計士に会社設立を依頼すると、料金が高く、かつサービスは専業税理士と変わらないという結果になります。

公認会計士が行う定款作成や設立登記は、あくまで例外的に認められているもので、その業務に精通しているケースは少ないです。

それならば

  • 公認会計士に「定款作成」「定款認証」「設立登記」「設立後の税務」

を依頼するよりも

  • 税理士に「設立後の税務」、必要に応じてオプションとして「定款作成」「定款認証」「設立登記」を提携している司法書士などに依頼

した方が同じサービスを安く享受できます。

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