会社設立日と事業開始日は違う!?設立登記したその日から事業開始してよいのか解説

自分が長年やりたかったことをようやく始められるように起業できました。法務局に会社設立登記をして1日でも早くその事業を始めたいと思われるのが、社長さんの考えだと言えるでしょう。

そこで問題となるのが、会社設立日と事業開始日の関係です。両者は果たして同じなのか、違いがあるのはどちらでしょうか?

会社設立日から事業開始日として事業を始められるものなのか、それとも会社設立日と事業開始日はそれぞれ求められる過程があるのか、ここでは解説していきます。会社設立日と事業開始日の異同を理解していただき、確実なスタートアップを図り、事業を成功させてください。

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会社設立日と事業開始日それぞれの定義

会社設立日と事業開始日を同日にすることも可能ですが、実際には事業開始日は会社設立日の後になります。なぜそうなるのか、会社設立日と事業開始日のフローの違いいついてまずお話しします。

会社設立日とは?

「会社設立日」とは、会社の商業登記簿謄本に「会社設立日」として掲載される日であり、法人の確定申告などの際にも、税金の起算根拠となる日です。

特に法人住民税は、会社設立日から決算日までの月数に応じて金額が決定します。この時、満1ヶ月に満たない月は切り捨てられるため、会社設立日を毎月2日以降にするとちょっと節税が可能という裏ワザもあります。

会社設立日は、会社設立の申請を法務局に提出した日になります。

会社設立申請の方法は「法務局の窓口」「法務局へ郵送」「インターネット申請」の3つの方法があります。

会社設立日はそれぞれ

  • 法務局の営業時間中に窓口に提出した日
  • 法務局の営業日に郵送で届いた日(かつ営業時間に受け取った場合)
  • 法務局の営業時間に登記・供託オンライン申請システムにオンライン申請をして受理された日(5時15分まで)

の午後17時15分までとなっています。
17時15分までに法務局へ会社設立の申請ができれば、その日が会社設立日として決まります。
逆に申請しても別の日を会社設立日にすることはできず、法的に法務局へ会社設立申請をした日が会社設立日として決まるので注意してください。

事業開始日とは?

会社設立日は会社設立登記の申請をした日ですが、事業開始日は「会社として事業、営業を開始した日、実質的に事業活動を始めた日」になります。法人としての事業開始前に個人事業主として、事業を営んでいた場合も、法人の事業開始日は会社設立日以降になります。

「会社として」ですので、会社設立日(会社設立登記申請)後でないと事業開始日にはなりません。会社設立を申請して会社設立日を経ないと事業開始日にはなりません。

会社設立日後事業開始日を決めます。事業の準備(設備の準備、原材料の仕入れ、クライアントとの契約等)が済んでいれば、会社設立日=事業開始日として、その日中に事業を始められるのですが、実際は会社設立日のあと一定期間置かないと事業開始日になりません。

なぜなら、事業を営むことに必要な書類として「商業登記簿謄本」が必要になるからです。商業登記簿謄本は会社として登記してあります、ということを第3者に示すために必要な公的な書類であり、この商業登記簿謄本は会社設立日以降、2週間前後経過しないと、会社を設立した本人でも取得できません。

法人登記簿謄本が必要な、会社設立日以降事業開始日までに必要なプロセスとして以下のことが挙げられます。

法人名義の銀行口座の作成

法人として事業を行うには、銀行口座が必要です。まさか全部現金でやり取りをするなんて人はいないはずです。法人口座開設のためには、法人であることの証明=「商業登記簿謄本」が必要になります。

商業登記簿謄本を取るためには、法人設立日2週間の時間が必要になります。法人設立日当時に商業登記簿謄本を入手することはできないので注意してください。銀行口座へお金の入出金がある場合、法人設立日を事業開始日にすることはできないでしょう。

公的な届け

税務署や自治体へ出す開業届や青色申告承認申請書、ハローワークに提出する雇用保険の申請、年金事務所に提出する社会保険の申請などにも商業登記簿謄本が必要になります。

個人事業主とは違い、会社を設立すると、会社負担でさまざまな公的な費用(社会保険料等)を支払う必要があり、そのためには会社の商業登記簿謄本が必須です。商業登記簿謄本を取得するためには、会社設立日以降2週間が必要であり、その期間を経て商業登記簿謄本を入手しないと、事業開始日になりません。

公的な届けを出さずに事業開始日を迎えると、何かあった場合不都合が起きます(例えば、届出を出さずに従業員が業務中に事故に遭った場合、通常なら労災保険の適用になりますが、それが適用されない可能性があります)。

会社としてやっていくためにはさまざまなことのリスクヘッジが必要であり、そのためには会社設立日以降事業開始日前に公的な手続きを行うのが求められます。

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会社設立日と事業開始日にできる日、できない日

会社設立日は「法務局に会社設立申請をした日」ですので、法務局が営業していない日を会社設立日にすることはできません。

法務局の休日(非営業日)は法律で決まっていて、以下の日は法的に会社設立日にすることができません。

  • 土曜日
  • 日曜日
  • 国民の祝日、国民の休日
  • 年末年始(12月29日~1月3日)

<根拠となる法律>
【行政機関の休日に関する法律 第一条】
次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わないものとする。
①日曜日及び土曜日
②国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日
③十二月二十九日から翌年の一月三日までの日(前号に掲げる日を除く。)

これ以外の平日については8時30分~17時15分まで営業しており、この時間内に窓口申請、郵送で申請書類の到着、インターネット申請ができれば会社設立が可能となり、会社設立日にすることができます。

一方、事業開始日は、上記の手続きが完了すれば、土日祝日年末年始、いつでも問題ありません。土日に営業するお店はいくらでもありますし、年末年始に事業に着手して何か生産を始めても何の問題もありません。

決済関係は土日祝日年末年始だと難しい面もありますが(それでも最近はこれらの日に入出金できるネット銀行も増えました)、決済できる日かどうかと事業の可否は関係ありません。土日祝日でも仕事をすれば立派な事業開始日です。

というわけで

  • 会社設立日:土日祝日年末年始(12月29日~1月3日)を除く平日
  • 事業開始日:会社設立日以降登記完了後であれば、任意のタイミングでいつでも可能

となります。会社設立日以降、しっかり準備して、完璧なタイミングで事業開始日を迎えるのでもまったく問題ありません。すぐに事業開始日にしなくても大丈夫ですので、よく事業開始日を見極めてください。

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会社設立日と事業開始日の決め方

会社設立日や事業開始日は法務局に申請した日になりますが、その日は以下のように決める人が多いようです。

  • 個人的な記念日、メモリアルデー
  • 縁起がいい日(六曜、暦占いなど)
  • 語呂合わせや業界の記念日

会社設立日は「法務局が営業している日」という縛りがありますが、事業開始日は任意に設定できるので、1月1日とか日曜祝日だったメモリアルデー、本当に縁起がいい日にできます。

会社設立日をうまく設定できなかった人は、事業開始日にリベンジしてみましょう。

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会社設立日と事業開始日で違う「創立費」と「開業費」

会社設立日までと会社設立日以降事業開始日までで、計上できる経費の仕訳項目が変わります。
以外に知られていないので、ここは押さえておいてください。

会社設立日までは「創立費」

会社設立日までにかかった費用のうち「法人設立登記にかかわる費用」「会社としての体裁を整えるのに必要な費用」は「創立費」として経費に計上できます。事業開始後、確定申告の際に経費として落とすことができます。

創立費として具体的には以下のような経費を計上できます。

<登記にかかる費用>

  • 印鑑(社印、代表者印)購入代
  • 認証代行費用
  • 印鑑証明書の取得費用
  • 認定手数料
  • 登記時印紙代

<会社の体裁を整える費用>

  • オフィス賃借料
  • 金融機関取扱手数料
  • 会社設立の株主総会費用
  • 総会時の事務費用
  • 株券等の印刷費
  • 出版広告費
  • 社員の給与
  • 事務用品購入費

会社設立日以降事業開始日までは「開業費」

会社設立日以降、実際の事業開始日までにかかった費用は「開業費」として経費計上できます。事業開始日以降は、普通に会社としての費用、経費(水道光熱費、賃借料、消耗品費・・・)としての計上になります。

開業費として具体的には以下のような経費を計上できます。

<開業準備のための費用>

  • 事務所の敷金礼金や賃借料
  • HPや広告等の宣伝費、HP作成費用

<事務用品や消耗品代>

  • チェア・デスク、オフィス什器代(10万円未満)
  • 社用車のガソリン代
  • 加湿器や空気清浄機代(10万円未満)
  • 事務所のインテリア代(10万円未満)

具体的に会社、オフィスを開く準備のための費用が認められるようになります。事務所を借りて、内装を行い、什器備品を配置して、営業のための周知PRを行う、こうした開業準備の具体的費用が経費として認められるようになります。

ただし、「水道光熱費」「通信費」や「10万円以上する備品」は開業費としては認められません。水道光熱費などは恒常的に発生するものであり、開業準備にあたり特に必要なものではないからです。事業開始日後、毎日電気や水道は使いますが、事業開始日前は自己負担という見立てです(実際には内装工事や什器搬入時に電気などは使うはずですが・・)。

10万円以上する什器備品等は「経費」ではなく「資産」として計上し、定められた方法で減価償却していきます。経費として落とせないわけではなく、何年かに分けて経費として落としていくシステムになっています。

会社設立日と事業開始日では、会計上の処理も異なる部分があることに注意してください。

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会社設立日と事業開始日の相談は「経営サポートプラスアルファ」までお問い合わせください

以上、会社設立日と事業開始日についてその違いを説明させていただきました。会社設立日は法的に決まっているもので、法務局に会社設立登記書類を出した時点で決まります。

一方事業開始日は、会社設立日以降、法人設立登記が完了し、各種手続きが完了した場合、任意のタイミングで決めることができます。しかし、会社設立日以降、2週間程度後でないと行政手続きが完了しないので、その間に事業を開始してしまうのはリスクがあります。

適切なタイミングで事業開始日を定めるには専門家の意見を聞くべきです。
「経営サポートプラスアルファ」には会社設立にかかわるプロフェッショナルを多数そろえています。

会社設立日のタイミングや、会社設立日以降のさまざまな手続き、そして最終的に事業開始日をいつにするのかアドバイスさせていただきます。しっかり準備をして万全のタイミングで会社設立日と事業開始日を迎えることが大切です。

「経営サポートプラスアルファ」ではお客様の利便性を考え、土日祝日、夜間も対応いたします。
また遠隔地の方でも、LINEやZoomを使って相談できるようシステムを整備しています。

会社設立を希望される方は、事業開始日以降についてもアドバイスします。

ぜひ一度お問い合わせください。真摯に対応させていただきます。

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