株式会社設立の流れ・手順とは?
株式会社設立の流れ手順とは、どのようなものか解説していきます。
株式会社設立前にやること、株式会社設立時にやること、株式会社設立後にやることについて詳しく説明していきます。
さらには、株式会社設立前に準備しておくと良いものも説明します。
株式会社設立前にやること
株式会社設立前にやることは、以下の通りです。
- 発起人決定
- 会社名(商号)決定
- 印鑑作成
- 資本金額の決定
- 所在地の決定
- 役員報酬額の決定
順に説明していきます。
発起人決定
はじめに発起人を決定します。
発起人とは会社設立の創業時に、資本金の出資や定款の作成を実施する人のことです。
会社設立後の運営の責任をおう取締役などと異なり、会社設立時のみに関わる人のことを言います。
もちろん、発起人が取締役や代表取締役にもなれます。
会社名(商号)決定
会社名(商号)を決めていきます。
会社名は自由に決められますが、ある一定のルールの中で決めていきます。
まず、同じ住所に同じ会社名がある場合には、その会社名は使えません。
また、株式会社設立の場合には、株式会社という文字をどこかに入れる必要があります。
その他に、記号「@」「!」「?」を使用できません。
印鑑作成
代表印は、登記申請するときに申請が必要ですし、他の書類に代表印を押印する必要もあります。
印鑑作成にはある一定期間時間かかりますので、事前に準備しておきましょう。
代表印の他、銀行印、角印、ゴム印なども必要になってきます。
資本金額の決定
会社設立後に運用していく資本金額を、決定していく必要があります。
会社の法律で現在、資本金額は1円から設定できますが、実際に会社を運営していくために必要な資金や、信用を得るための資金はそれ以上必要となることでしょう。
信用を得るために資本金額は最低でも、100万円以上は設定しておく必要があります。
所在地の決定
株式会社の事業をする本店所在地を、決める必要があります。
本店所在地を決めるのは、法人の住民票がある場所で登記事項証明書発行し、同じような会社名がないか調査する際に必要となるからです。
本店所在地は自宅にする場合もありますが、信用を得られる賃貸オフィスがお勧めです。
株式会社の事業活動を見据えた上で、どのような本店所在地にするかを決定すると良いでしょう。
役員報酬額の決定
株式会社設立前には役員報酬額を、決めておきましょう。
役員報酬額は原則経費には、できるため節税する上でとても大切な要因となってきます。
会社設立後は、最も大きな額を占める役員報酬額なので、慎重に決めていくと良いでしょう。
株式会社設立時にやること
株式会社設立時にやることは、以下の通りです。
- 定款の作成と認証
- 資本金振込
- 登記書類の作成
- 法務局へ株式会社設立登記申請
順に説明していきます。
定款の作成と認証
会社設立時にまず行うのは、定款の作成です。
定款とは会社の名称や事業内容、事業目的、本社の所在地などの内容を記載しています。
定款は、会社の憲法とも呼ばれるもので、会社のルールを規定したものです。
定款に記載すべき内容は以下の通りです。
- 会社名(商号)
- 事業目的
- 本部の住所
- 資本金額
- 発起人の氏名や名称及び住所
- 発行可能株式総数
定款を作成した後は、公証役場に持って行き、定款の認証を受けます。
株式会社の定款は、創業者が会社の規則を考え作成していきます。
資本金振込
資本金を会社設立時の発起人名義の銀行口座に、振り込みます。
会社の登記時に、資本金が振り込まれていることを確認する必要があるため、通帳のコピーなどを作成し振込証明書一冊を作成します。
資本金振込の注意点としては、発起人の指定した一つの口座にまとめて振り込むのが良いでしょう。
複数の口座に資本金が分かれてしまうと、全ての口座のコピーが必要となってしまい手間がかかってしまうからです。
登記書類の作成
続いて、法務局への登記申請のための書類を作成します。
登記書類は以下のようなものが必要です。
- 登記申請書
- 定款
- 登記事項などを記載した別紙
- 印鑑届出書
- 発起人の決定書
- 就任承諾書
- 印鑑証明書
- 本人確認証明書
- 資本金振込を証明する証明書
- 記載事項を記載したCD‐Rなど
登記書類は全ての書類をまとめ、製本する必要があります。用紙のサイズはA4サイズで統一します。
法務局への書類の提出は、窓口へ行く方法と郵送による方法があります。
法務局へ株式会社設立登記申請
続いて、株式会社を設立する本店所在地を管轄する法務局に書類を提出します。
法務局への登記申請は、資本金振込後2週間以内に行う必要があります。
そして会社設立の登記申請は代表取締役が行うことになっています。
注意点としては、登記申請に貼る印紙代15万円と大きな額の印紙が必要ですので、必ず提出書類をチェックしてもらってから貼るようにしましょう。
株式会社設立後にやること
株式会社設立後にやることは、以下の通りです。
- 税務署へ届出
- 市区町村役場に開業届
- 社会保険への加入
- 法人用口座開設
- 法人用クレジットカード作成
順に説明していきます。
税務署へ届け出
会社設立後は最初に、税務署に税金に関する届出していきます。
税務署に届ける必要な書類は、主に次の通りです。
- 法人設立届
- 青色申告の承認申請書
- 給料支払事務所等の開設届出書
- 源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書
この他にも棚卸資産に関する書類や、減価償却に関する書類なども必要な場合があります。
何の書類が必要かは税務署に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。
各書類は原本が出来上がったら、コピーを1部ずつ取り会社の控えとして保管しておきます。
コピーしたものも記入押印したら、税務署持っていくと日付の押印をしてもらえます。
市区町村役場に開業届
続いて都道府県税事務所や市区町村役場に、開業届を届出します。
法人設立届出書を提出しますが、その書類名や手続きは地方自治体によって異なってきますので、詳細は設立する地方自治体に問い合わせてください。
社会保険への加入
会社設立後には、社会保険の加入が義務付けられています。
従業員や役員がいない場合でも、代表取締役1名でも加入する必要があります。
健康保険、厚生年金は必ず加入する必要がありますし、従業員を雇う場合には、雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険)に加入する必要があるのです。
法人用口座開設
続いて、法人口座を開設していきます。
事業を進めていく上で、法人口座はなくてはならないものです。
取引先とのやり取りをするのにも、クレジットカードを作るのにも、銀行からの融資を受けるにも法人口座が必要です。
法人口座は、個人口座に比べて審査が厳しいため、場合によっては複数の銀行に申請するとよいでしょう。
法人口座開設に必ず必要な書類は、以下の通りです。
- 履歴事項全部証明書
- 印鑑登録証明書
- 印鑑(銀行印や実印)
- 本人確認証明書
法人用クレジットカード作成
続いて法人用のクレジットカードを作成します。
クレジットカードは、インターネットでの注文などにおいて必ず必要です。
そして法人用のクレジットカードを作っておけば、個人用のクレジットカードと分けることができ、経理計算がとても楽になります。
なぜならば、法人用クレジットカードで決済したものは、全て経理処理に回すことができるからです。
法人用クレジットカードは、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードなどさまざまな種類があります。
株式会社設立前に準備しておくといいもの
株式会社設立前に準備しておくといいものは、以下の通りです。
- 名刺
- ホームページ
- 企業ロゴ
- 営業資料
順に説明していきます。
名刺
株式会社を設立したら名刺を作るようにしましょう。
名刺は営業先、銀行での取引、さまざまな交流などで必要となってきます。
名刺のサイズや形状は、企業によって異なってきますが、一般的なサイズは5.5cm×9.1cmの4号と呼ばれる大きさです。
縦書きか横書きかも好みによって変えられますが、ホームページやメールアドレスを載せる場合には横書きの方が乗せやすいでしょう。
デザインについては、企業のイメージに沿ったものを選ぶようにするといいでしょう。
デザイナーにデザインを依頼することもできますし、テンプレートから選ぶこともできます。
ホームページ
会社の業種によっては、ホームページが必須になることがあります。
例えば金融機関で口座を開設する時や、営業先、取引先との関係などで、必要となる場合があります。
一方で飲食店の場合などは、食べログなどの情報ポータルやTwitterやInstagramなどSNSの方が情報の公開としては効果がある場合も。
どのような情報の公開が必要なのか、マーケティングが必要なのかによって、ホームページ作成するかどうかを決定すると良いでしょう。
ホームページを作成する場合には、ホームページ作成業者に依頼するのが良いでしょう。
自社の強みやイメージなどを面談で伝え、ホームページに反映させていきます、
ホームページ作成の費用は次のようになっています。
制作方法 | 費用 |
---|---|
オリジナルデザインでの製作 | 20万円から100万円以上 |
テンプレートを使った製作 | 無料から10万円 |
WordPressの設置 | 3万円から |
ネットショップの制作 | 10万円から50万円以上 |
企業ロゴ
株式会社を設立したら企業の特徴やブランドを表す、企業ロゴを作りましょう。
企業ロゴは、ホームページやパンフレット、看板や広告、見積書などさまざまな場面で使用できます。
その中でも特に名刺に使うロゴは、インパクトを与える要素になっています。
企業ロゴはデザインされたロゴ自体と、会社名の文字の二つの要素から構成されています。
ロゴにはその会社の特徴を表す企業の理念や社風、事業目的などを反映したものになっている必要があります。
企業ロゴを作るポイントとしては、長い期間使用することができるデザインを作っていくと良いでしょう。
また見た時にインパクトがあり、覚えてもらえるロゴがおすすめです。
営業資料
続いて、株式会社を設立したら営業資料を作成するとよいでしょう。
営業資料はさまざまな場面で自社のサービスや商品をアピールする資料です。
営業資料の内容は以下のような内容で構成されます。
- 自社の商品やサービスによるベネフィット
- 自社の商品やサービスのメリットや機能
- 商品やサービスのメリットとなる根拠・データ
- 自社の商品やサービス作成のストーリー
以上のような内容を書き、相手にベネフィットが伝わるように作成していきます。
まとめ
株式会社設立前にやることは、発起人決定し、会社名を決定し、印鑑を作成し、資本金額を決定し、所在地の決定をし、役員報酬額の決定です。
続いて、株式会社設立時にやることは、定款の作成と認証、資本金振込、登記書類の作成、法務局へ株式会社設立登記申請です。
株式会社設立後にやることは、税務署への届出、市区町村役場に開業届を出し、社会保険への加入、法人用口座を開設し、法人用クレジットカードの作成です。
株式会社設立前に準備しておくと良いものは、名刺、ホームページ、企業ロゴ、営業資料です。
以上が株式会社設立の流れや手順ですが、ひとつひとつ丁寧に行い、確実に事業をしていきましょう。
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