ホールディングスには5つのメリットがある!具体的な内容とデメリットとは

近年は大きなひとつの会社をホールディングスに変更するケースが多く見られます。

ホールディングスは持ち株会社とも呼ばれるもので、複数の子会社を保有してビジネスを営む方法を指します。

ホールディングスが採用される理由は、数多くのメリットが存在するからです。

今回はホールディングスのメリットとデメリットについてそれぞれご説明します。

ホールディングスの基礎知識

ホールディングスのメリットやデメリットについてご説明する前に、ホールディングスの基礎知識についてご説明していきます。

ホールディングスとは

ホールディングスは持ち株会社を設立し、その会社を株主として子会社を設立したり取得したりする組織体制を指します。

簡単にご説明すると親会社と子会社の関係であり、ひとつの親会社に対していくつもの子会社がある状態だと認識すると良いでしょう。

このような状況を作ることで、親会社は子会社に様々な指示をしたり状況を管理したりできるようになります。

結果、別の会社ではあるものの、ひとつの会社であるかのような経営戦略などを立案可能です。

なお、ひとつの会社ではないため、それぞれの会社に社長などの役員が存在します。

親会社の支配下にありますが、役員などの意向を踏まえて子会社の従業員は業務に取り組む仕組みです。

ホールディングスに適した企業

全ての企業がホールディングスに適しているわけではなく、条件を満たした企業だけが検討すべきです。

後ほどご説明しますがホールディングスにはメリットもデメリットもあるため、無計画にホールディングスにするとメリットを感じられないのです。

状況によってホールディングスにすべき基準は変化しますが、例えば以下の観点があります。

  • 売上が数十億円以上ある
  • 従業員数が多い
  • いくつもの事業を営んでいる

あくまでも参考であり、上記の条件を満たしている場合に必ずホールディングスにするとは限りません。

また、条件を満たしていない場合でもホールディングスにすべき場合もあります。

詳細な状況を踏まえて判断が必要となるため、最終的には専門家の意見を伺うべきです。

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ホールディングスの5つのメリット

続いては具体的にホールディングスのメリットについてご説明します。

これらのメリットを受けられない場合はホールディングスにする意味が薄れてしまうため、どのようなメリットがあるのか細かく理解していきましょう。

メリット1:全社的な判断がしやすい

ホールディングスの中でも持株会社は、グループ全体に及ぼす多くの判断を下さなければなりません。

例えばグループ全体での経営目標を立てたり戦略を練ったりしなければならないのです。

大きな一つの会社ならば、このような判断は多くの部署の意向を汲み取らなければなりません。

各部署が異なる主張をすれば、それを折衷するような目標を用意する必要があるのです。

しかし、このようなことを繰り返してると時間を要し、かつ、そもそも判断を下せなくなってしまいます。

しかし、ホールディングス化で親会社が持株会社に特化すれば、このような状況を改善可能です。

親会社として基本的な目標などを定め、後は子会社に実現するための方法を模索してもらえば良いからです。

ボトムアップで要件を吸い上げてから判断するのではなく、トップダウンで判断を伝えられるようになることがメリットです。

メリット2:各事業の意思決定がスムーズになる

ホールディングスを構成する子会社はひとつの大きな会社ではなく、事業ごとに小分けされた小さな会社です。

会社の規模が小さくなるため意思決定に必要なフローが簡略化され、スムーズに意思決定できるメリットへとつながります。

会社の規模が大きいと、役職者などが増え意思決定が遅くなりがちです。

意思決定が遅いと競合他社に遅れをとってしまうなど、事業の展開において不利になりかねません。

しかし、ホールディングスになりそれぞれの会社規模が小さくなれば、このような状況を改善できます。

意思決定に必要なフローは簡略化され、スムーズに判断できるようになるのです。

会社の規模が小さくなり、それぞれの会社がスムーズに意思決定できるのは大きなメリットです。

メリット3:リスクの分散ができる

万が一の時にリスクの分散ができる点はメリットです。

ホールディングスは複数の子会社がグループになっているため、このような組織体制がメリットを生み出します。

例えば、親会社に対してホールディングスを構成する会社が5つあったとします。

この状況で、ひとつの会社で法律違反があり業務停止命令を受けたとしましょう。

そうすると、問題を起こした会社だけが業務停止となり、ホールディングスを構成する残り4つの会社に影響はありません。

しかし、これがホールディングスではなくひとつの大きな会社であった場合、会社として業務停止命令を受けます。

つまり、問題を起こした部署だけではなく、他の部署もまとめて業務停止になるのです。

ホールディングスにしていないと影響範囲が大きくなるリスクを抱えます。

トラブルは起きないに越したことがないですが、起きてしまった際のリスクヘッジが重要です。

ホールディングスで個別の会社にしておくことが、万が一業務停止などの処分を受けても、影響範囲を最小限に抑えるメリットに繋がります。

メリット4:適切な人事制度を導入できる

小さな単位で会社を設立できるため、人事制度にメリットがあります。

これはそれぞれの事業に適した人事制度を導入できるからです。

会社の規模が大きくなってしまうと、ひとつの人事制度ではカバーできない場合があります。

例えば事業内容の都合で夜間の業務が多い人と日中の業務が中心の人を同じ制度でカバーするのには限界があります。

一般的には夜間の方が賃金が高くなりますが、これを反映できないのです。

また、シフト制の導入が必要になると、これもうまく賃金が計算できないかもしれません。

しかし、ホールディングスで事業ごとに分社化すれば、このような問題が解消できます。

最初から事業に適した人事制度を導入すれば良いからです。

多くの従業員が納得できる制度を導入できるでしょう。

また、このような制度を導入できるメリットは、人材を確保しやすいメリットにも繋がります。

優秀な人材は勤務先を選ぶ立場であるため、人事制度に問題がある企業には残ってくれません。

しかし、制度を見直して環境を整えれば、そのような人材が残ったり新しく確保しやすかったりするのです。

メリット5:M&Aに対応しやすい

事業ごとに子会社にして配下に置く体制が整っているため、M&Aに対応しやすいメリットがあります。

M&Aは最初から体制が整っていなければその効果を活かしにくいですが、ホールディングスになっていればメリットを最大限に活かせるでしょう。

例えば、新しい事業を買収する場合、ホールディングスならばその会社をそのまま子会社にすればよいでしょう。

ホールディングスを構成する他の会社と同じように扱えば良いため、違和感なく事業を増やせる点がメリットです。

持株会社は新しい事業を含めてグループ全体の目標などを定めていきます。

もし、これがホールディングスではなくひとつの会社であると、社内に新しい事業部を立ち上げることになります。

こうなると会社に大きな変更を加える必要があり、大きな影響があるのはいうまでもありません。

このような影響をなくし、スムーズにM&Aへ対応できるのはホールディングスにするからこそのメリットです。

ホールディングスの2つのデメリット

ホールディングスにはデメリットもあるため、メリットと同時にデメリットについてもご説明します。

デメリット1:経営コストが増加する

ホールディングスの代表的なデメリットは管理コストが増大してしまうことです。

複数の会社を保有すると管理面で重複する部分が生まれてしまい、そこでコストが増加してしまいます。

例えば、会社を複数設立すると、それぞれの会社に総務部門を設けなければなりません。

ひとつの会社であれば集約が可能ですが、会社が別になるとそれぞれに設けるのが基本です。同じ業務を担当する人が複数の会社に存在することはデメリットと言えます。

また、弁護士や税理士と顧問契約を結んでいるならば、それらの費用が増加します。

会社の数が増えれば増えるだけ費用が増加するため、これもデメリットです。

管理コスト面ではデメリットがあるものの、ホールディングスのメリットを踏まえるなら受け入れざるを得ないでしょう。

デメリットとしてご紹介しますが、メリットへの投資と捉えるのが無難です。

デメリット2:子会社の役員が必要となる

複数の会社を設立するため、それぞれの会社の役員が必要です。

ホールディングスを構成する会社が増えるとそれだけ役員に適した人材確保が求められます。

ただ、役員には経営に関するスキルが必要となるため、簡単に集められるものではありません。

つまり、ホールディングスで子会社を設立するたびに、人材育成やヘッドハンティングなどが必要となります。

これらの作業には負担がかかってしまうため、ホールディングス化のデメリットと言えます。

しかし、これは新しく会社を設立する場合のデメリットであり、買収などをする場合はデメリットとは限りません。

既存の会社に優秀な役員がいれば、そのまま起用し続ければ良いからです。

人材確保の手間はデメリットになりやすいですが、意識せずに済む場合もあります。

まとめ

ホールディングスの意味とメリットやデメリットについてご説明しました。

ホールディングスは持ち株会社と呼ばれるもので、複数の会社を所有してそれぞれが専門的な事業を営んでいます。

それぞれの会社がスリム化されてメリットを生む反面で、数が増えることによるデメリットがあります。

デメリットはメリットを生むためにやむを得ない部分ではありますが、どちらも理解しておくことが重要です。

もし、これからホールディングスを立ち上げたいと考えるならば、まずは経営サポートプラスアルファにご相談ください。

会社設立のプロ集団がホールディングス化について専門的なアドバイスをし、具体的な手続きをサポートします。       

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