配送業で独立するために必要な費用などについて、解説していきます。
ここでは、配送業=一般貨物自動車運送事業として説明し、その許認可(営業許可)取得が前提となっております。
また配送業で独立するために必要な資格や条件というものも、説明していきます。
そして配送業で独立するまでの流れについて、紹介します。
最後に配送業で独立する方法について、解説します。
配送業で独立することに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
配送業とは
ネットスーパーやネット通販などの商品を届ける業務をするのが配送業です。
配送業の仕事をするには、配送会社に勤務するのも一つの選択肢ですが、個人事業主や会社の設立により、独立することも可能です。
個人事業主として配送業を営むのは、一般的です。
国税庁のホームページにも、個人事業主として営む事業のうちの一つに、「運送」という項目があります。
インターネット通販などの普及により、配送業が人手不足ということもあり、個人事業主として独立する人が増えてきています。
大手の配送業者は、個人事業主の配送業と下請契約している場合があります。
配送業として独立するための情報を、これからお伝えしていきます。
配送と運送、輸送の違い
「輸送」は、比較的多くのものを車、航空機、船で長距離移動し運ぶことです。
そして、「運送」は、車やトラックで荷物を運ぶ場合に限り使われます。
また、長距離の移動に足して、2次輸送とも呼ばれる近距離の小口輸送が「配送」です。
「輸送」は、ある地点からある地点に移動しますが、「配送」はある地点から複数個所に荷物を届けます。
物流において、「輸送」から「運送」、最後に「配送」という順番で流れていきます。
つまり、配送業とは物流における最後の家や会社へ物を配達する業務ということです。
続いて、配送業で独立するために必要な費用について説明します。
配送業で独立するために必要な費用は?
配送業で独立するために必要な費用は、以下のような費用に分かれます。
- 初期費用
- 運転資金
配送業で独立するために必要な費用を、それぞれ説明していきます。
【配送業で独立するために必要な費用1】初期費用
配送業で独立するために必要な費用は、以下の通りです。
車両費 | 800万円前後 |
事務所取得費 | 50~600万円 |
保険料 | 40万円前後 |
什器・備品代 | 10万円程度 |
合計 | 900~1,500万円 |
これらの費用は、小さい規模の事務所を構えた場合を想定しています。
一般貨物自動車運送事業として独立する際には、最低でも5台分の車両が必要になり初期費用として準備が必要です。
この5台は、全てトラックの必要はありませんが、小型のバンなどを選べば車両費を抑えられます。
ただし、軽自動車は認められません。
さらに、事務所取得費も、事務所だけでなく、車両を止める広い駐車場がついている物件を探す必要があります。
駐車場だけ安いところを借りることで、コスト削減できます。
また、賃貸物件を利用するなど、工夫次第でコスト削減できます。
その他には、自賠責保険や任意保険などの保険料や備品なども必要です。
車両のメンテナンスを自分でする場合には、そのための設備も必要です。
以上が、配送業で独立するために必要な費用一番目の初期費用です。
【配送業で独立するために必要な費用2】運転資金
配送業で独立するために必要な費用2番目の毎月かかる運転資金は、以下の通りです。
人件費 | 140万~ |
燃料費 | 20万円 |
保険料 | 7万~15万円 |
メンテナンス費用 | 30万前後 |
家賃 | 30万円 |
水道光熱費 | 10万円 |
広告費用 | 10万円 |
合計 | 250万円~ |
人件費については、一般貨物自動車運送事業として独立した場合、運送業許可を取得するために、オーナー以外に最低でも5人の運転者が必要です。
その分の人件費が、自分の役員報酬も合わせて、140万円以上かかります。
さらに、燃料費、家賃は必ずかかってきます。
そして、保険料もそれなりにかかってくるので、確保しておく必要があるでしょう。
加入する保険によって、保険料が変わってくるため、コストと保険内容を把握して、入るようにします。
自動車税や車検代も配送業の場合かかります。
以上は、1か月あたりの運転資金ですが、最低でも3か月分、できれば半年分の運転資金を準備しておいたほうがいいでしょう。
以上が、配送業で独立するために必要な費用2番目の、毎月かかる運転資金についてです。
次に、配送業で独立するために必要な資格について説明します。
配送業で独立するために必要な資格は?
配送業に必要な資格は、「運行管理者」と「整備管理者」です。
運行管理者という資格を持った人がいなければ、配送業を営業できません。
運行管理者は、トラックが29台までで1人、30台~59台で二人と、それ以降30台ごとに一人必要です。
運行管理者は、3日間の講習を受け試験に合格するか、5年以上の実務経験を持ち、その間に5回以上講習を受けることで資格取得できます。
「整備管理者」は、最低一人必要な資格です。トラックの台数とは、関係なく、営業所に一人必要です。
そして、整備管理者は、自動整備士3級以上の資格か、2年以上の実務経験があり、整備管理者専任前研修を受けていると取得できます。
そして、運転管理者と整備管理者は、一人で取得することも可能です。
最後に、運転免許証は、ドライバーの数だけ必要です。
以上が、配送業で独立するために必要な資格です。
次に、配送業で独立するための条件について説明していきます。
配送業で独立するための条件
配送業で独立するには、前にも説明しましたように車両が5台以上必要です。
5台は、トラックでなくても、軽自動車以外であれば、大丈夫です。
そして、車両を運転するドライバーが最低5人必要です。
ドライバーは、開業までに、社会保険、労災保険に入っている必要があります。
そして、トラックなどの車両を停めておく駐車場も準備します。
駐車場の場所は、近くに保育園や幼稚園があるような場所は、避けて探します。
さらに、配送業の許認可申請時に、駐車場周辺の道路が十分な道幅である「道路幅員証明書」を提出する必要があります。
そして、配送業として独立するには、事業所が必要です。
賃貸でも自己所有でも大丈夫ですが、土地は、市街化調整区域でない必要があります。
そして、先ほど説明したような、資金(初期費用+運転資金3カ月~6か月分)を準備し、口座の残高証明書を提出します。
以上が、配送業で独立するための条件です。
次に、配送業で独立するまでの流れについて、説明していきます。
配送業で独立するまでの流れ
配送業で独立する流れは、まず許認可申請書を提出します。
所属の運輸局に、運送業許可申請書、事業計画書、残高証明書、戸籍謄本、事業に使う車両ナンバーなどの書類を提出します。
許認可の申請が受理されると、法令試験を受けます。
試験の後に面接がありますが、2回連続で不合格になると、申請が取り消されてしまいます。
法令試験に合格後は、登録免許税を納付します。
そのあと、運行管理者などが記載された選任届を提出します。
すると、事業用自動車等連絡書が交付されます。
それが、事業用ナンバーを取得する際の車庫証明です。
そして、運輸開始届や保険加入証明書の写し、車検証の写しなどを提出します。
以上が手続きに関する流れです。
これ以外には事務所を準備したり、車両を準備する、スタッフの募集するなどの実質的な準備があります。
以上が、配送業で独立する際の流れです。
配送業で独立する方法
配送業で独立するには、以下のような方法があります
- 【配送業で独立する方法1】個人事業主として独立
- 【配送業で独立する方法2】会社設立して独立
- 【配送業で独立する方法3】フランチャイズによる開業独立
配送業で独立する方法について、それぞれ説明していきます。
【配送業で独立する方法1】個人事業主として独立
配送業で独立する方法1番目は、個人事業主として独立するということです。
個人事業主として独立するには、税務署に開業届を出すだけで、仕事を開始できます。
特に設立登記などの手続きや費用はかからないため、独立しやすい方法のひとつです。
ただし個人事業主の場合には、金融機関からの融資は難しいため、あらかじめ必要な資金を準備しておく必要があるでしょう。
会社設立に比べて、設立費用がないため、事業に必要な資金だけが必要となり、比較的少ない資金で始められます。
以上が、配送業で独立する方法1番目の、個人事業主として独立するということです。
【配送業で独立する方法2】会社設立して独立
配送業で独立する方法2番目は、会社設立して独立するということです。
会社設立する際には法務局で登記申請しており、株式会社の場合には定款認証などの手続きが必要です。
その他にも、労働基準監督署や自治体、ハローワークなどでの手続きが必要です。
また個人事業主に比べて、会社設立費用もかかり、株式会社の場合には、最低20万円以上の費用が必要です。
一方で会社設立すると金融機関からの融資を受けやすいというメリットも、あります。
仕事の受注も個人事業主より信頼を得られるため、多く受けられる可能性があります。
以上が、配送業で独立する方法2番目の、会社設立して独立するということです。
【配送業で独立する方法3】フランチャイズによる開業独立
配送業で独立する方法3番目は、フランチャイズによる開業独立ということです。
全国には多くのフランチャイズを展開している会社が存在し、しっかりと調べれば、自分の方針とあったフランチャイズ加盟が見つかります。
フランチャイズによる加盟するメリットは、以下のようなことがあります。
- 初期費用が安く済む
- 研修により、事業に必要なノウハウが身につく
- 本部のブランド力を利用できる
- 機器や備品を用意してもらえる
特に初期費用が安く済むというのは、大きなメリットで、自分で独立する場合には数千万必要となることがありますが、フランチャイズに加盟すれば数十万から数百万で独立可能となっています。
またフランチャイズによっては、駐車場代を負担してくれるところもあります。
以上が、配送業で独立する方法3番目の、フランチャイズによる開業独立ということです。
【まとめ】配送業で独立するなら専門家に相談しよう
配送業で独立する場合、多くの準備が必要です。
説明しましたように、多くの手続きや車両の準備が必要です。
配送業で独立する際に、必要となる費用(初期費用+運転資金)を準備できたら、独立しましょう。
独立する際に会社設立しようと考える場合には、会社設立についてしっかり理解している専門家に相談するのがおすすめです。
当社では、土日祝日、平日夜間でも24時間相談受付中です。
会社設立や事業目的に関して、納得いくまで何度でも相談できます。対面のみならず、オンライン面談やLINEでも相談可能です。
そして、いざ法人を設立する場合は、多くの必要書類を準備し、手続きが必要です。
実際には、法務局へ登記した後も、税務署などへの手続きなどが多くあります。
合同会社や株式会社設立を一人で進めるのは、大変です。
法人設立は、やはり豊富な経験と知見がある専門家に依頼した方が安心できます。
会社設立のサポートを受ける際に気になるのが、手数料です。
当社であれば、代行費用0円で、合同会社や株式会社設立サポートできます。
設立費用は、合同会社の設立の場合には6万円、株式会社設立の場合は20万2,000円から行えます。
司法書士を利用して、会社設立した場合よりもちろん安いですし、ご自分で会社設立する場合よりも安く済むというメリットがあります。
もし、会社設立にお悩みならぜひ経営サポートプラスアルファにお気軽にご相談ください。
お客様の事業目的や事業計画から判断し、会社設立に関して、全力でサポートします。