エクステリア職人として独立開業できる?幅広いエクステリア分野を網羅して活躍するコツとは?

住宅を所有している人は、内装(インテリア)にこだわるのは当然ですが、外装(エクステリア)も充実させたいという欲求を持っている人が多いはずです。

エクステリアを充実させることで、住環境を向上し、住んでいることの満足度を上げることができます。

エクステリア職人はそうした住環境向上に直接かかわれる重要な仕事です。

エクステリア職人として独立するためには何をすればいいのでしょうか?

また、エクステリア職人としてやっていくことは可能なのでしょうか?

今回はエクステリア職人の独立開業について、いくつかの角度から検証します。

実際にエクステリア職人として生活していくことができるのでしょうか?

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エクステリア職人とは何をする人?

まずエクステリア職人そのものについて考えます。

日常生活をしていて「エクステリア」についてあまり意識することがないと思われますので、ここで内容をよく理解し、そのうえでエクステリア職人についても知っておきましょう。

エクステリアとは?

「エクステリア」とは「インテリア」と対をなす概念で、家の外の装飾を総称して呼びます。

壁やレンガなど「外構」とは区別されて考えられています。

住環境を快適にすると同時に、外部(の目)から家の中を守る重要な役割を果たします。

厳密な定義はありませんが、おしゃれでかつ防犯性もある家の外部の構築物が「エクステリア」とここでは考えます。

具体的なエクステリアは以下のようなものを指します。

  • 門扉
  • 門柱
  • フェンス
  • デッキ(ウッドデッキなど)
  • テラス
  • アプローチ(庭にある道、玄関まで通っている)
  • カーポート・ガレージ
  • 植栽
  • 外部照明

これらを設計し、構築していくのがエクステリア職人となります。

エクステリア職人の仕事内容

エクステリア職人としての仕事は、これだけ多様なエクステリアを作っていくのですので多岐にわたります。

あまりに多岐にわたるので、具体的な仕事内容を箇条書きにしてみました。

  • 機械の運転
  • 鉄筋・型枠工事
  • ブロックやレンガ積み
  • 壁塗り、土間仕上げ工事
  • コーキング工事(外壁の継ぎ目を埋める工事)
  • 塗装工事
  • 門扉、門柱などの大工工事
  • ウッドデッキ、ベランダの組立て
  • 床、タイル貼り
  • 立水栓の給排水工事
  • ライティングの市電気工事
  • 竹垣等の組立、編み込み
  • 植樹、木の剪定

非常に幅広い業務を行います。

これらの「設計」及び「実際の施工」をエクステリア職人は行います。

単なる土木作業だけではなく、インテリアプランナーの家の外版ともいえる、設計やデザインのセンスも必要になります。

特定の分野のスペシャリストではなく、家の外に関するゼネラリスト的なことを行うのがエクステリア職人になります。

エクステリア職人になるには?資格は?

エクステリア職人には広範なスキルが求められそうです。

それではエクステリア職人になるにはどのようにすればいいのでしょうか?

何か資格が必要なのでしょうか?

エクステリア職人として働くには、工務店やエクステリア工事の会社で2~3年働き、スキルを身につけたうえで独立開業するのが一般的です。

素人がいきなり始めても、技術がついていきません。

また、エクステリア職人として働くこと、独立開業することについて特に資格は必要ありません。

ただし、「エクステリアの設計」と「エクステリアの施工」については取得しておきたい資格があります。

「エクステリアの設計」には「エクステリアプランナー」

エクステリアプランナーの資格は、一般住宅や共同住宅の建物廻り(エクステリア)全般の設計・工事・監理を任せられるだけの専門知識と技術を有している者に与えられる資格です。

マークシート方式の筆記試験と、実際にエクステリアの平面図を描く実技試験があります。

1級と2級があり、2級は誰でも受験できますが、1級は誰でも受けられるわけではなく、以下の資格を持っている人のみが受験できます。

<1級エクステリアプランナーの受験資格>

  • 建築コンクリートブロック工事士
  • 1級建築士
  • 2級建築士
  • 木造建築士
  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士
  • 1級造園施工管理技士
  • 2級造園施工管理技士
  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士
  • 給水装置工事主任技術者
  • 2級エクステリアプランナー

かなり幅広い建設工事技術の上に、エクステリア職人は位置していることが、1級エクステリアプランナーの受験資格からわかります。

独立開業して評価されるのは1級エクステリアプランナーなので、建築関係の資格を持っていない人は、2級エクステリアプランナーを取得して1級まで取っておきたいところです。

「エクステリアの施工」には「技能士」

技能士の資格を取得することで、左官やタイル貼り、レンガ積みなどの細かい施工工事ができるようになります。

技能士は建設関係だけでも32種類あり、エクステリア職人として使えそうなのは

  • 造園技能士
  • 建設大工技能士
  • 枠組壁建築技能士
  • 左官技能士
  • ブロック建築技能士
  • タイル貼り技能士
  • 配管技能士
  • バルコニー施工技能士
  • 施工技能士
  • 塗装技能士

などです。

できるだけ多くの技能士を持っていると、エクステリア職人としてできることが広がります。

技能士試験は、各都道府県職業能力開発協会が試験を実施することが多いので、ぜひお住まいの都道府県のHPなどを調べてみてください。

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エクステリア職人として独立開業するには

エクステリア職人として必要な資格を取り、経験を積めばいよいよ独立を考えます。

独立開業するにはどうすればよいのでしょうか?

エクステリア職人は稼げる?

まずエクステリア職人は独立して稼げるのか考えます。

エクステリア職人の平均年収は約390万円で、日本の平均年収と同じかやや低めになっています。

しかし、それで「稼げない」と断定するのは早計です。

この年収は、雇用されてエクステリア職人をしている人も含まれているので、独立開業後は完全に実力の世界になります。

多様なエクステリアを手掛けられる職人であれば、毎月70万円~80万円の売上がある人もいます。

1000万円プレイヤーも不可能ではなく、その意味では、上記の資格をなるべく多く取得することをおすすめします。

「エクステリア職人は稼げるが実力次第」が答えになります。

エクステリア職人独立開業の方法

エクステリア職人として独立開業する流れは以下になります。

事業主体

法人化(会社形態)

個人事業主

開業前
修行、多様なエクステリア経験

エクステリア職人の実務経験を積む(最低2年~3年)

エクステリアプランナー2級と1級に合格する

できるだけ多くの「技能士」試験に合格する

独立、開業

商号(社名)や事業目的、資本金、役員等を決める

開業届を税務署に提出する

定款を作成する

定款認証(合同会社は不要)

社印を作成する

資本金を振り込む

法務局へ行き会社設立登記の申請をする

設立登記後社会保険や年金の手続きをする

エクステリアプランナーと可能な限り多様な分野の技能士を取得し、エクステリアの設計から施工までクライアントを納得させられるスキルを身につけてください。

エクステリア職人の独立開業資金について

エクステリア関連をすべて請け負うのか、設計のみ、施工のみで開業資金は変わります。

無理に施工全部を請け負わなくても、設計、デザイン分野が優れているなら、それに絞って開業するというのも方針としてアリです。

以下のように見通しを立ててください。

エクステリア分野

必要なもの

開業資金

設計・図面請負

製図ペン、スケール、ドラフター、CAD

20万円ほど

エクステリアCADオペレータ

パソコン、CAD

30万円ほど

エクステリア工事施工

工具一式

車両運搬具

200万円ほど

すべて請け負う「エクステリア専門店」

上記すべて

250万円ほど

 

 

 

会社設立する

法人登記

6万円~20万円+資本金

エクステリア工事をするのか、設計デザインをするのか、全部請け負うのかで開業資金が変わります。

工事の請け負いをしないのであれば、資金調達をしなくても開業はできそうですが、おそらく実際に施工も手掛けるはずですので、100万円単位の資金が必要になります。

開業資金が足りない、という方は日本政策金融公庫や自治体の融資相談、そして資金調達に定評のある「経営サポートプラスアルファ」に相談してください。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

エクステリア職人は法人として会社設立すべきか個人事業主でもよいか

エクステリア職人として独立開業を決めた場合、法人化すべきなのか個人事業主でもよいのかどちらでしょうか?

法人と個人事業主の違い、メリット、デメリット

エクステリア事業を法人化する場合と個人事業主として開業する場合の違いについて、それぞれのメリット、デメリットをまとめました。

エクステリアを法人化する(会社設立)

エクステリア職人を個人事業主として行う

メリット

社会的信用がある

簡単に設立できる

経費の範囲が広い

定款などの作成義務がない

責任の範囲が有限

自由な働き方ができる

赤字繰り越しが10年である

廃業手続きもすぐにできる

売上が多くなれば個人事業主よりも税率が下がる

社会保険に加入できないため、国民健康保険と国民年金では老後が不安

最高税率が23.2%と所得税の約半分

 

デメリット

設立までの手間がかかる

社会的信用がない

設立後の帳票作成や税務申告が大変

最大税率45%と法人税よりはるかに高い

赤字でも法人住民税がかかる

無限責任で経営失敗のマイナスはすべて自分が負う

社会保険へ加入しなければならない

赤字繰り越しが3年までしかできない

会社の廃業手続きが煩雑

経費で落とせる範囲が狭い

売上1000万円を目安に、法人化した場合の法人税が、個人事業主のままの所得税よりも安くなります。

エクステリア職人としてどのくらい売り上げの見込みがあるかどうかも、法人化可否の判断材料にしてください。

法人化すると経理処理の事務負担も増加します。

税理士に依頼する必要も出てくるので、そのあたりの費用対効果もよく見極めてください。

建設業許可は取るべき?

法人か個人かとは別の論点として「建設業許可」の可否があります。

建設業許可は

建築一式工事

次のどちらかに当てはまる工事の場合建設業許可が必要

①1件の請負代金が1,500万円超の工事(消費税込み)
②延べ面積が150㎡超の木造住宅工事

建築一式工事以外

1件の請負代金が500万円超の工事(消費税込み)

このような条件を満たす場合必須です。

実は、エクステリア施工の場合、建設業許可を申請する場合、複数の建設業許可が必要になります。

具体的には

  • 大工工事
  • 左官工事
  • 石工事
  • タイル・れんが・ブロック工事
  • 塗装工事
  • 防水工事
  • 造園工事

など、多岐にわたる建設業許可を得ないと、大型のエクステリア案件を受けることができません。

「造園はできないんですよ」というエクステリア業者に仕事を依頼する人は少ないでしょう。

したがって、最初は建設業許可が不要な1件500万円を超えないエクステリア工事のみを請け負って、その間に500万円を超える事業を幅広く請け負えるよう、複数の建設業許可の取得を目指してもいいでしょう。

最初からエクステリア工事で建設業許可を目指すのは却って事業の選択肢を狭めかねません。

会社設立の代行費用0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

エクステリア職人として独立を目指すなら「経営サポートプラスアルファ」に相談してください

エクステリア工事は、さまざまな建設業の工法を駆使するので、1つの技術だけではやっていくのが難しい分野です。

その代わり、ライバルも少ないことが予想されるので、広くスキルを身につければ大きな武器になります。

実際の工事をしないで、設計やデザインのみを請け負うという選択肢もあります(もちろん、より狭き門になります)。

法人か個人事業主か、あるいは建設業許可の取得可否などは専門家の意見も交えて決定するのも選択肢です。

「経営サポートプラスアルファ」には建設関係の独立開業に詳しいプロフェッショナルがいて、エクステリア工事についても対応できます。

土日祝日夜間もご相談を受け付けています。

遠隔地の方はLINEやZOOMで対応できますのでご安心ください。

エクステリア職人は建設業の応用としてなかなか面白い分野です。

独立開業して活躍するのもぜひ検討してください。

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